2012年2月15日 

 民主と人権 第93号

93−1
 子どもと府民を犠牲にする 
   教育基本条例制定は許さない

 橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」が大阪府議会に提出した教育基本条例案に反対するシンポジウムが1月28日、大阪府守口市で開かれ、ロビーにまであふれる800人が参加しました。主催は、東京大学の佐藤学教授ら、条例案に反対する学者・文化人アピールの呼びかけ人。「大阪の条例案は全国に悪影響をおよぼす」と大阪入りし、訴えました。
 佐藤氏は「教師、子ども、保護者らの信頼関係がなければ教育は成立しない。それを破壊する条例は決して許してはならない」と強調。「君が代」の起立斉唱の職務命令に違反した東京の教員の停職・減給処分を取り消した最高裁判決にふれ「条例案の違法性は明らか。たたかって廃案に持ち込もう」と呼びかけました。
 前大阪市教育委員会委員長の池田知隆氏は、困難を抱える教育現場をどう支援するかが大事だと指摘。「すべてを教師のせいにしてしりをたたけば学力が上がるというのは問題です」とのべました。
 前京都女子大学教授の前田佐和子氏は、韓国ソウル市の子どもの人権を尊重する教育条例を紹介し、「大阪の条例が矛盾を解決するとは思えない。世界で生きていく人を育てられるとは思えません」と語りました。
 関西学院大学教授の野田正彰氏は、「子どもから恐怖を取り除き、関心を自然や社会に向けさせるのが教育の役割。条例案は子どもに恐怖を植え付けるものです」と話しました。
 教師や若者ら、条例案に反対する人々が壇上で発言。会場からは拍手と「そうだ」の声が飛び交いました。
 アピール賛同者で精神科医の香山リカ氏がかけつけ、「教育はすぐに結果がでるものではないのに、企業経営などと同じものさしで見る条例案に、怒りというよりも驚きを感じました」と語りました。
 20代女性の小学校教師は「私も人として接するからこそ子どもが成長し、保護者も預けてくれるのだと思います。条例で抑えつけられたら私らしさを出せなくなると思います」と話しました。
 映画監督の山田洋次氏、脚本家の小山内美江子氏、前大阪市長の平松邦夫氏のメッセージが紹介されました。

93−2
 「君が代」訴訟
  停職・減給取り消し
    最高裁 「裁量権の逸脱」

 卒業式などで「君が代」起立斉唱やピアノ伴奏の職務命令に反したとして懲戒処分を受けた東京都の公立学校教職員ら計170人が、都などを相手に処分の取り消しをなどを求めた3件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は1月16日、停職処分を受けた1人と減給処分を受けた1人について、処分を取り消す判決を出しました。不起立をくり返すたびに重くなる処分に一定の歯止めをかけたものです。
 判決は職務命令に反した不起立などの行為について「動機・原因は個人の歴史観・世界観等に起因するものであり、行為の性質・態様は積極的な妨害等ではなく、物理的に式次第の遂行を妨げるものではない」と指摘。「減給以上の処分を選択することについては、慎重な考慮が必要となる」としました。
 そのうえで、不起立を4回くり返した原告への停職1カ月の処分を「重きに失し、裁量権の範囲を超えて違法」と判断。損害賠償については高裁へ差し戻しました。また、過去に入学式での服装を巡って職務命令に反したとして戒告処分を受け、その後、不起立で減給1カ月となった原告への処分を同様に取り消しました。
 一方、過去に「日の丸」を引き降ろすなどで5回の懲戒処分をを受け、不起立で停職3カ月になった原告については、「処分は妥当を欠くものとはいえない」としました。さらに、戒告処分の取り消しを求めた168人の請求を退けました。
 判決は5人の裁判官のうち4人の多数意見。宮川光治裁判官は、「不起立行為に対しては、戒告であっても懲戒処分を科すことは重きに過ぎ、社会通念上著しく妥当性を欠く」とし、懲戒処分はすべて裁量権の逸脱・乱用で違法だとする反対意見をのべました。
 停職処分を取り消された
原告は「処分に一定の歯止めをかけられたことは、現場の教師に何か力になるのではないか」と語りました。
 減給処分を取り消された原告は「昨年3月の高裁判決をみんなで勝ち取った。子どもたちや保護者、私たちの手に教育の自由を取り戻すまで頑張りたい」。
 原告側弁護団の澤藤統一郎弁護士は「教員に思想の転向を強要するシステムである10・23通達に歯止めがかかった。都の教育行政に大きな打撃を与え、大阪の条例案の破たんを示すものだ」と話しました。
 大阪条例案に影響

 大阪市の橋下徹市長が率いる「大阪維新の会」は、職務命令に従わない職員を免職にするとした条例案を府議会に提出しており、判決はこうした動きにも影響を与える可能性があります。

93−3
 同和問題解決の到達段階を無視
   子どもにマイナスイメージをうえつける府教委

 1月25日、民権連は要求書にもとづく府教委交渉をおこないました。谷口正暁委員長は冒頭あいさつで、「大阪の教育を乱暴に踏みにじる大阪維新の会の圧力に屈することなく大阪の教育を守り抜き発展させること」を府教委に強く求めました。
 意見交換では、はじめに、「法が終了して10年。行政サイドはほとんど解決がついてきた。わたしたちは、子どもたちが同和とか関係なしに育ってほしいと願っている。ほぼそうなってきている。それを阻害しているのは教育の問題」と指摘。
まず、基本的な問題、部落問題の解決はいかなる状況を作り出すことかとの問いに、「府民の差別意識の解消がすすみ、コミニュティーの形成が図られたとき」と回答しているが、どの部分が形成できていないのか具体的に示すように求めました。
 府教委は、「昨年度おこなった府民意識調査の結果のなかにまだ課題があると述べられている」と具体的には示しませんでした。民権連は、まだ分析もされていない、その課題が同和問題かどうかもわからないものを「差別意識」として回答するのはおかしい。と指摘。府教委は「これ以上話すことは差し控えたい」と事実上撤回しました。
 次に差別意識の根拠としている生徒の「差別事象」の問題では、22年度で5件、23年度で3件、計8件示されている。この件数は10数年前からいって激減している。そして、この内容を見れば何で「差別」になるのかわからない。「エタ・非人」や「部落」といえば差別になるのか。と追及。府教委は「相手を見下す言葉」であり、「使われ方」が問題と回答。さらに生徒たちに、こうした言葉を使わないようにと教えなければならない。また、厳しい差別があったということもやはり教えなければならない、と同和問題解決の到達段階を無視し、子どもたちの意識に同和問題のマイナスイメージをうえつける回答をくり返しました。
 交渉のなかで府教委は、「エタ・非人」は士農工商の外にあったと発言。参加者から、われわれは身分制度の外か、人間扱いしていないということかと怒りの発言が。一応、取り消してはいますが、府教委の見解がいかにお粗末か明らかになりました。
 交渉は、このことも含めて、残された問題であらためて話し合いの場を持つように求めて終わりました。

 要望項目と回答の一部抜粋
(要望)「同和地区」「同和地区児童生徒」は存在しないことを確認すること。
(回答)平成13年度末に「地対財特法」が失効し、財政法上の特別措置による同和対策事業は終了となりました。これに伴って、特別措置としての同和対策事業の前提となる、いわゆる「地区指定」もなくなりました。

(要望)府教委とすでに決着ずみの「ムラ」「むら」“むら”などをやめさせること。
(回答)ご指摘のような表現による誤解や偏見を避けるため、教材の見直しを行いましたが、今後とも、使用しないように取り組んでまいります。
  四ページへつづく

93−4
(要望)「同和地区児童生徒」にかかわる学力等「実態把握」をおこなわないこと。
(回答)現時点において、同様の調査を実施する予定はありません。

(要望)どの子も大切にされ、ゆたかな学力をはぐくむ学校教育を推進すること。
(回答)今後も、各学校において、一人ひとりの子どもの学びをはぐくみ、きめ細かな指導が推進されるように取り組んでまいります。

(要望)子どもや保護者・住民の声を大切にする学校教育を推進すること。
(回答)今後とも、子どもや保護者・地域の声を真摯に受け止め、大切にする学校教育の実現に向けて、取り組んでまいります。

(要望)子どもたちが安心して学べる教育環境を充実すること。
(回答)今後も、計画的な学校施設・設備の改修・改善を進めるとともに、教育コミュニティづくりの主体的な推進により、子どもたちが安心して学べる教育環境の充実に取り組んでまいります。

(要望)希望するすべての子どもが高校に進学できるよう高校教育の充実をはかること。
(回答)平成24年度の公私立高校の募集人員については、11月15日の公私協において、公私トータルで府内進学校予定者数の受入れが可能であることを確認したところです。

  委員長冒頭あいさつ
 寒い中をご出席いただき有り難うございます。
 いま大阪では、橋下市長、松井知事をはじめとする大阪維新の会による教育破壊が乱暴に進められています。維新の会の動きは、戦後の日本国憲法や教育基本法の精神を乱暴に踏みにじるものであり、第二次世界大戦の教訓から出発した戦後の民主主義を泥靴で汚すとんでもないものです。私は先ず始めに、大阪の教育行政に責任をもつ教育委員会の皆様に対し、維新の会の無法な圧力に決して屈することなく、大阪の教育を守り抜き、発展させていただくためにがんばっていただくようお願い申し上げます。
ところで教育に対する不法・不当・乱暴な教育介入についてはすでに我々は経験済みであります。それは部落解放同盟幹部による学校教育への介入です。解同幹部は、大阪府民、教職員、保護者、子どもたちを差別者と攻撃し、「解放教育」の名で学校教育に解同の運動を持ち込みました、そして地域の子どもたちを「解放の戦士」に育てることを学校教育に求め、それを大阪府をはじめ各教育委員会が受け入れ共に推進した、という苦々しい経験であります。これは公教育とはまったく無縁の許すことのできない暴挙、策動であります。そして、その歪みが正されたのか、いや正されるどころか、「解放教育」「同和教育」「人権教育」とその名を変えながらも、いまなお続けられていることです。私たちは解同幹部による教育介入が大阪の教育をいかに歪めたのか、わが子を通じて自ら、身をもって経験し、その是正・克服のために一環して頑張ってきた、それが私たち民権連であることを教育委員会の皆さんに決して忘れていただきたくない、このことを強く要望いたします。
 私たちの教育への願いは、「同和」「人権」などという特別な教育ではなく、普通の、あたりまえの教育をやってほしいということに尽きます。本日は、参加者から出される声を真摯に受けとめていただき、この場が実りあるものになるよう期待して冒頭のあいさつとさせていただきます。

 違法の「教育基本条例案」「職員基本条例案」は制定するな
  2・23府議会開会日 ランチタイムパレード
2月23日(木) 昼12時15分〜
  大阪城公園教育塔前広場〜 府庁周辺パレード
  どなたも気軽に参加してください
   主催:府民要求連絡会

93−5
 ー市民は大阪市政を厳しく批判しているー
  大阪市「人権問題に関する市民意識調査報告書」を読む
         柏 木  功(大阪教育文化センター「人権と教育」部会)

☆父母あるいは祖父母の出生地が同和地区である
☆職業によって判断している
☆その他
☆わからない

13、あなたは、「同和地区の人はこわい」とか、あるいは「同和対策は不公平だ」というような話を聞いたことがありますか。(○は1つ)問22

(1)「ある」と答えた人の割合は61・7%、「ない」と答えた人の割合は32・1%。ここでも特徴的なことは20歳代だけ「ない」が50%で「ある」46・9%を上回る。若い世代は知らないのだ。

(2)問22ー2「 その話を聞いたとき、どう感じましたか。」(○は1つ)では、
☆そういう見方もあるのかと思った  54・5%
☆そのとおりと思った   23・6%
☆反発・疑問を感じた   12・3%
 となっている。
 30・40・50・60歳代・70歳以上では「そういう見方もあるのかと思った」が一番多く50%を超える。ここでも20歳代のデータは特徴的である。
 20歳代は「そのとおりと思った」36・7%が一番多い。が、「反発・疑問を感じた」も20%ある。30、40、50、60歳代では「反発・疑問を感じた」は10%前後である。

(3)公務員・教員は「そのとおり」が半数。
 【表5ー2ー3ー11 職業別 「同和地区の人はこわい」等という話を聞いた時の感想】
 職業別の表がある。「公務員、教員」は半数50・0%の人が「そのとおりと思った」と答えている。対市交渉の時には考慮しようではないか。机の向こう側にいる公務員の人たちの半数は「同和地区の人はこわい」等という話を聞いた時「そのとおりと思った」のである。直接間接の経験が、「そのとおりと思った」と思わせているのだろう。
 断っておくが、こわいのは部落解放同盟や暴力団の関係者であり、住民一般ではない。
14、同和地区の人に対する就職差別の将来展望(問19ー1)

☆「完全になくせる」    4・3%
☆「かなりなくすことができる」の合計の割合は  55・2%
☆「なくすのは難しい」は  40・5%
年齢別でみると、「完全になくせる」「かなりなくすことができる」と答えた人の合計の割合は、50歳代が67・4%で最も高く、次いで70歳以上が66・7%、60歳代が65・6%となっている。
 一方で、「なくすのは難しい」と答えた人の合計の割合は、30歳代が58・9%で最も高く、次いで20歳代が52・9%、40歳代が40・5%となっている。
 ここでも、若い世代ほど展望のないのが特徴である。30代は就職氷河期の世代。同和問題より就職そのものの問題が大きいのではないか。
 2006年報告書では「なくすのは難しい」と答えた割合は、20歳代が37・6%、30歳代が35・6%、40歳代が30・3%で、今回の方が展望をなくしている。

15、想像に想像を重ねさせる結婚差別(問20)

 「現在、同和地区の人は、結婚する際に相手の親族等に反対されることがあると思いますか。」という質問がある(問20)。報告書には「同和地区の人に対する
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93−6
結婚差別の現状認識」というタイトルがついている。
 質問は「反対されることがあると思いますか」であって「反対することはありますか」という事実を問う質問ではない。答える人は「思い」を書いているだけで想像でしかない。結婚差別の現状についてどれくらい知っているかという問いではないのである。そこにすり替えがある。
 「問20ー1」では「(問20で、『現在、同和地区の人は、結婚する際に相手の親族等に反対されることがある』と答えた人に)それは、近い将来、なくすことができると思いますか。(○は1つ)」と聞いている。ここにすり替えがある。「問20」は「現在、同和地区の人は、結婚する際に相手の親族等に反対されることがあると思いますか。」である。「(問20で、『現在、同和地区の人は、結婚する際に相手の親族等に反対されることがある』と答えた人に)」と事実にすり変えている。
 年齢別でみると、「完全になくせる」「かなりなくすことができる」と答えた人の合計の割合は、70歳以上が64・9%で最も高く、次いで50歳代が62・3%、60歳代が56・4%となっている。
 一方で、「なくすのは難しい」と答えた人の合計の割合は、20歳代が65・8%で最も高く、次いで40歳代が61・3%、30歳代が55・3%となっている。
 想像に想像を重ねた展望は若い人ほど否定的である。同和問題というより、自らの結婚問題の展望に重ねているのだろうか。
 2006年調査報告書では「なくすのは難しい」と答えた人の割合は、20歳代が44・3%、30歳代が39・4%、40歳代が34・6%。明らかに今回の方が展望をなくしている。

16、同和問題を解決するために、次の(1)〜(9)の施策や対応は、どの程度効果的だと思いますか。すべての項目についてお答えください。(問24)

 (1)〜(9)に列挙してある中に行政の思いつく「同和問題解決のために効果的と思われる施策、取り組み」が含まれているとすると、違うなあと言わざるを得ない。大阪市は市民の批判や地対協意見具申から何も学んでいないのだろうか。

 (問24)同和問題を解決するために、次の(1)〜(9)の施策や対応は、どの程度効 果的だと思いますか。すべての項目についてお答えください。(それぞれ「非常に効果的」「やや効果的」「あまり効果的ではない」「効果的ではない」「わからない」「不明・無回答」のどれか1つに○)

(1)差別を法律で禁止する
(2) 戸籍制度を大幅に見直す・廃止する
(3) 同和地区の人の自立を支援する取り組みを一般の対策ですすめる
(4)学校教育・社会教育を通じて、差別意識をなくし、広く人権を大切にする教育・啓  発活動を積極的におこなう
(5)同和問題に悩んでいる人たちが、差別の現実や不当性をもっと強く社会に訴える
(6)行政だけでなく、民間の人権団体も課題解決に取り組む
(7)同和地区と周辺地域の人が交流を深め、協働してまちづくりを進める
(8)同和問題や差別があることを口に出さないで、そっとしておけばよい(自然に差別  はなくなる)
(9)同和地区の人がかたまって住まないで、分散して住むようにする
       (おわり) 

 なくそう原発3・11 府民1万人集会

日 時 3月11日(日)
 正 午〜 集会・プレ企画
 14時〜 府民集会
 15時〜 パレード (中崎町、天満橋コースでパレードを予定)
場 所  扇 町 公 園
* 地震発生の14時46分に全員で黙祷します

 主 催:原発ゼロの会・大阪

93−7
 「羽曳野市人権施策基本方針及び基本計画」(原案)に対する意見
       1月17日 石田 清美(民権連羽曳野支部)
 
  羽曳野市が、「羽曳野市人権施策基本方針及び基本計画」の策定に向けた取り組みに対して市民の意見(1月5日〜18日の間)を求めています。
 市に提出した民権連羽曳野支部の意見を掲載します。

 方針及び計画の基本的な枠組みについての問題点として以下の点をあげておきたい。
@3・11東日本大震災の被災者の問題を見るまでもなく、人権とは市民の生命・安全・暮らしを具体的に守ることであり、「心や意識」の問題、教育・啓発に限定するべき問題ではありません。
A日本国憲法の規定する基本的人権を暮らしに活かす観点こそ大切で、原案ではこの点が不十分です。そのことは市民の生活とりわけ、第2章の就業人口に見られる雇用不安・未就労者の現状や分析が見られないことも問題です。
B人権問題のトップは「同和問題」ではありません。そのことは「市民意識調査」の結果(1位が障害者、2位が高齢者、3位が子ども、4位が同和、5位が女性)からも明らかです。それをあえてトップに持ってくる意図はどこにあるのか。
C部落問題解決の今日の到達点を踏まえるならば、「同和問題」の解決に逆行する「市民意識調査」は行うべきではありません。
D今回の「市民意識調査」の有効回収率が660人(44%)と低調に終わり、この調査に回答しなかった56%の市民はこの調査に批判的と見てとれるのでは!。
 結果として、この調査が市民の理解を得られなかったと考えます。     
また、第4章で人権教育と人権啓発の推進を挙げているが、その具体的な課題が明らかにされていない。人権の概念が矮小化されており、「同和問題」や障害者問題、女性問題等々の例示の範囲でしか差別の問題・人権の問題を見ない傾向が如実に表れている。
 特に「同和問題」に関して原案では、教育と啓発にその主眼を置いているが、2005年に大阪府が実施した「人権問題に関する府民意識調査」で同和問題の認知経路と結婚差別の将来展望で、「結婚を反対されることを、近い将来なくすことができると思いますか」という問いに対する回答で「学校の授業で初めて教わった」と答えた人で「なくすことが難しい」と答えた人の比率が45・5%と最も高くなっています。
 また、学習手段と結婚差別解消に向けた展望では、「学校で使われている同和教育副読本『にんげん』を読んだことがある」と答えた人で「なくすことが難しい」と答えた人の比率が34・8%と他と比べて相対的に高くなっており、学校での人権学習が、「同和問題」解決の展望と結びついていないのです。ここに副読本「にんげん」に見られる大阪府下の「同和・人権教育」の問題点が如実に示されています。
※結論として、こうした教育・啓発につながる「人権施策基本方針・基本計画」策定に反対するものです。


 第40回公害環境デー
 みんなで考えよう、大阪の防災
 2月26日(日)13時〜16:30
 エルおおさか 南館5階 ホール
  (参加費無料)
 【記念講演】
  越山健治氏(関西大学社会安全研究科・社会安全学部 准教授)
   迫り来る危機ー大阪の災害・危険性
  塩崎賢明氏(神戸大学大学院工学研究科・工学部 教授)
  巨大地震と大阪の防災ー阪神淡路・東日本大震災に学ぶ
  主催:第40回公害環境デー実行委員会 

93−8
 安心・安全のまちづくりを
    長瀬支部、新春のつどい

 長瀬支部は1月15日、事務所まえで“2012年度新春のつどい”を開き120人をこえる会員・住民・来賓が参加しました。
 森本啓樹支部長はあいさつで、昨年一年、府議選、市長・市議選、知事選挙のお礼をのべるとともに、老朽化した住宅の建て替え計画をはじめ、高齢者にやさしい安心・安全のまちづくりの取り組みがすすんでいること。また、6月10日には支部結成50周年を迎えることを紹介。そして「大阪維新の会」が府議会で成立を狙う「教育基本条例案」「職員基本条例案」阻止のため署名・宣伝行動への参加を訴えました。
 上原けんさく議員の乾杯のあと、関東煮、焼きそば、ぜんざい、あべかわ餅に舌鼓。餅つきでは子どもは小さな杵を持って一緒につきあげ、恒例のカラオケ、抽選会と、大人も子どもも楽しいつどいとなりました。

 全国人権連「同和セミナー」 
  私の被爆体験と福島原発破砕に思う 

 1月26日におこなわれた全国人権連主催「同和セミナー」において木戸季市被団協事務局次長・個民融合全国会議常任幹事が福島原発破砕・被爆問題について記念講演をおこないました。その中で木戸氏は、自らの被爆体験に触れながら、東日本大震災による原発破砕の衝撃、悲しみ、怒り、憤り、悔い、願い…広島・長崎から何を学び、受け継いできたのかを、怒りを込めて切々と訴えました。
 翌27日は政府交渉。厚労省・国土交通省・法務省・農水省・経産省と交渉をおこないました。経済産業省では、東日本大震災・原発災害からすべての被災者・被災事業者の生活と生業の回復支援、原発労働者の実態把握と健康管理、全国の原発の再稼働を容認しないことを強く求めました。
 28日常任幹事会では今後の日程として、6月30日〜7月1日京都市内で実施される第8回全国研究集会、11月17日〜18日埼玉県大宮市で実施の第5回定期大会等が確認されました。

 「憲法を暮らしに活かし、住みよい地域社会に」
 第8回地域人権問題全国研究集会

 全体集会(1日目)6月30日(土)13時〜17時
  京都テルサホール
水平社創立90周年記念講演
 「歴史のなかの部落問題とその解決過程」(予定)

 分科会(2日目・6分科会)7月1日(日)9時〜正午
   京都テルサ、その他
 参加費 4000円(学生無料)
 主催:全国地域人権運動総連合