2010年11月15日 

  民主と人権 第78号

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  長い間ご苦労さまでした
      東延元委員長「慰労会」 

  お礼の言葉   東 延

 本日は、大変お忙しいなか、私の慰労会にご出席賜りまして誠にありがとうございます。
 私は、6月6日の第7回定期大会で、委員長を辞めさせて頂きました。それは体調を悪くして、委員長を続けることが出来なくなったからです。
 この間の運動、活動を振り返りますと、ビデオでも観て頂きましたように、色々困難だったことが思い出されます。
 その中でも、私にとって一番つらかったのは、娘たちが栄小学校に入学してまもなく、「子ども会」指導員に指導された子どもたちによって家を包囲され、シュプレヒコールで攻撃されたことです。このことによって、娘が夜尿症をおこし4カ月間も、学校へ行けなくなりました。しかし、娘たちは矢田事件の先生方に支援していただきまして、頑張ることが出来ました。
 もう一つは、私が解同一部幹部の集団によって南海高野線の線路上に仰向けに寝かされて引きずられたとき、それを見た2人の妹が体をはって助けてくれたことです。
 こうした困難な闘いを乗り越えてこられたのは、みなさま方のご支援、ご協力のおかげです。みなさま方の支えがなければ私のいまは、なかったと思います。
 これからは体調をみながら、頑張っていきたいと思っております。
 本日は本当にありがとうございました。 

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 たたかいの決意を新たに

 10月23日、東延元委員長「慰労会」が大阪市内のホテルで開かれました。 「慰労会」は、大阪における、部落問題の解決をめざし正常化連、全解連、民権連運動の先頭に立ち、今年6月6日の第7回大会で退任された東延さんの労をねぎらうとともに、今後のご活躍を期待してとりくまれました。
 「慰労会」は、東延さんの足跡をたどるDVD映写、石田清美実行委員長あいさつにつづき、全国人権連常任幹事の橋本忠巳氏、弁護士の石川元也氏、日本共産党府会議員団幹事長の阿部誠行氏の3氏からごあいさつをいただきました。そして、乾杯音頭のあと、泉佐野市の西口健、澄江夫妻の「南京玉すだれ」の実演と出席者からのスピーチをいただき「慰労会」は大いに盛り上がりました。
 東延さんはお礼のあいさつで、これまでの困難だった闘いの苦労を語るとともに、今の自分があるのはみなさん方のご支援・ご指導があったからとお礼を述べるとともに、今後は体調をみながら頑張っていきたいとの決意を表明しました。
 その後、谷口正暁委員長が、参加者された方々にお礼を述べるとともに、民権連運動の到達点について4つの時期に分けて紹介、今後の課題として、「一部には、まだ『人権』の名で『同和特別』や『解同一部幹部』を包み込み、その延命を助けるという動きも残されていますが、歴史のはぐるまを前進させ、部落問題の完全解決を達成する力はこれからのわたしたちのたたかい、府民の共同のとりくみにある」と決意表明。最後に参加者全員で記念撮影をして「慰労会」を終えることができました。

 来賓あいさつ

 全国人権連常任幹事 橋本忠巳氏
 全国人権連を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
 いま、このビデオを観ておりまして感動のなかで胸に来るものがございました。ビデオを観ながら素晴らしい指導者だと思い、今までの活動に敬意を申し上げたいと思うわけでございます。東委員長を支えられました幹部のみなさん、会員のみなさんに敬意を表したいと思います。
 私、和歌山県連の委員長をしておりましたので、よく新春のつどい、大会に来ていただきましてご指導を受けたわけでございます。7年前に和歌山県地域人権運動連合会の創立大会、350名ぐらいほど参加してすさみ町で開いたわけでございますが、石岡委員長と東副委員長にきていただきました。そしてレセプションでは石岡委員長また東副委員長には激励のあいさつをしていただき本当にお世話になりました。
 東さんとの思い出では、奈良の平群へ、30年ぐらい前だったと思いますが、解同の運動が非常に激しかった所へ、東さんと一緒に行きました、中村文明さんも行きまして街頭演説をし、私も勉強になったという思い出がございます。 体調を崩して退任されるということでございますが、全国的な指導者でありまして、人権と民主主義の前進のために、東延さん、退任されたとはいえこれからもどうかまたご指導いただきますように心からお願いを申し上げましてごあいさつに代えさせていただきます。

 弁護士 石川元也氏
 みなさんこんにちは、ご紹介いただきました弁護士の石川でございます。私が大阪で弁護士になって五十余年になろうかと思います。私が最初から部落解放運動にかかわって当時のみなさんと付き合って、翌年、解雇闘争で浪速町というところに行ってそこで会ったと
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きも委員長をしてもらってた、長いつきあいといいますかはじめからのそれがあったんですが、69年の矢田事件いらい大変な状況が生まれました。中身のことは申し上げることはないと思います。此処にいるみなさんよくご存じのことで、一緒に闘った戦友というべき方々も大勢いらっしゃる。 私がまとめた京都でやった暴力糾明裁判の本、そこで全国的なことと同時に大阪の闘いも書きまして、その時に青年行動隊長という形で東さんが頑張ってこられて、やがて委員長になる。その時から40数年間、私も50余年と、10年間違うということで年を聞いたら10年違うんですよね。そんなことで長い若い戦友の、引退でなくて退任されたこと、にご苦労を申し上げたい。これからも頑張ってもらいたい。私より10も若いんです引退気分になってもらっちゃ困るんです。
 本当に、私たちはもう部落解放運動といいますか部落問題いいますか同和問題は終結へ踏み込んだ思ってたんですが、今年の3月の国連の人種差別撤廃条約で日本政府に対してこれを継続しろという勧告が出てるんです。これをまたみなさんと一緒に討議を提起するところですけど、我々は常に日本における部落問題というのは人種の問題や民族の問題とは違うんだとずっと言ってきたし、日本政府もそういう立場だった。部落解放同盟の動きの中で委員会が社会的身分、これを日本語に直すと世界の世に系統の系で世系という言葉に持ち込んで、政府は部落解放同盟などと約束したことを履行しろということまで勧告。私たちの仲間で井上洋子弁護士がこれを解説して、雑誌「人権と部落問題」に投稿したことでやっとはじめてみんなの目に触れるようになった。何回か国連でそういうことが議論されていたが、また大変な事態に。もう一度、本当の終結へ向けて国際的に働きかけんあかん事態になっていることを、色んな団体の方がおこしですので申し上げたい。
 私たち自由法曹団大阪支部で、一昨年から2月に1回のテンポで同和行政研究会を続けています。いま中心にしているのは住民訴訟による行政の誤りを正す、つい最近判決があった大阪市の市営駐車場料金の委託問題で約3億8千万円も返せという判決が出たのに、そして多くの団体からの控訴するなという要望にもかかわらず大阪市は依然として控訴するという事態が続いているんです。この研究会に民権連からも代表がき
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ていただいていますが、もっともっと広げていきたい。
 不公正な同和行政が依然として続いています。2002年に同和の特別法は終わったんです。もう8年経っています。大阪の学力テストのようなやり方についても、不当な判決にいま最高裁にまで持ち込んでいます。
 私たち裁判闘争というものは、本当に多くの人たちの闘いの武器であるというふうに考えています。どうかこの点にも関心をお持ちいただきできるだけの機会に呼びかけていきますのでこの研究会にもご参加いただきたい。
 東さん、重ねて申し上げますが、どうぞこれからも一段と高い立場でリーダーシップを発揮していただきたい。本当にご苦労さんでした。

 日本共産党府議団幹事長 阿部誠行氏
 東さん、本当にお疲れ様でした。石川先生はまだまだ引退はだめだと、一段と高い所から運動を指導していただきたいということでありました。私も、東さんに心から本当にご苦労さんと同時に有難うございましたと申し上げなくてはならないと思っています。いま私も映像を観さしていただきながら、闘ってこそ道は開ける、自由や民主主義や人権が、何もせずに私たちは手にすることはできない。闘ってこそ、自由や民主主義や基本的な人権を勝ち取ることができる、そういう思いを強くしました。私も1969年の矢田事件、それと1972年の吹田2中事件、在校生の目の前で、朝礼台の上で部落解放同盟幹部から暴力を受ける。その暴力、裁判に訴えれば2、3日のうちに明々白々の暴力が直ちに裁かれるというふうに思ってました。ところがところが何と14年かかって部落解放同盟の暴力が断罪される、本当に明々白々のこうした集団暴力、これを裁くためにも多くの府民はもちろん全国的な闘い、そして、闘いの先頭にたって東さん、当時の正常化連、さらには国民救援会、法廷での弁護士のみなさん本当に献身的な闘いのなかで勝利をすることができた。
 この40数年間、部落解放同盟のひどい行政の私物化、乱脈不公正な同和行政が続く中で、なかなかこれが本当に終結しない、また今年も人権意識調査を府民の税金を使ってやる。本当にもう部落問題は解決、部落解放運動そのものを全解連は卒業し人権と民主主義を守る、そういう立場に立って新たな運動が始まっている、この運動を是非みなさんと一緒に大きくしていきたい。日本共産党の府議団も府政の場で一刻も早く終結させ、公正な行政が進むようにと願いながらみなさんとご一緒に頑張ってまいります。本当にご苦労さんでした。有難うございました。
  
 ご来賓(敬称略)

全国人権連 橋本忠巳、弁護士 石川元也、弁護士 伊賀興一、弁護士 小林保夫、
日本共産党府議会議員 阿部誠行、蒲生 健、芹生孝一、日本共産党大阪市会議員 下田敏人、国民融合全国会議 内藤義道、大阪自治労連 前田仁美、大教組 田中康寛、全日本年金者組合 永井守彦、大阪原水協 山崎義郷、日本共産党大阪府委員会 丸野賢治、日本共産党浪速区委員会 円山直子、浪速民商 藤田一博、詩人 佐伯 洋、大阪府人権室、大阪市人権室

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  市民交流センター「なにわ」「にしなり」 
    「人権啓発・相談センター」

 10月21日、日本共産党渡司孝一大阪市会議員と一緒に、市民交流センター「なにわ」「にしなり」、大阪市立「人権啓発・相談センター」を視察しました。
 市民交流センターは、10館すべて大阪市人権協会、地域人権協会、大阪府総合福祉協会の3者が指定管理者連合体として認定され、今年4月より貸し館事業をおこなっています。大阪市「人権啓発・相談センター」は今年10月4日に開設、人権啓発と人権相談の総合的な施設として市が開設したものです。
 視察の目的は、市民が自由に使える市民交流センターになっているのかどうか。「なにわ」では荊冠旗や水平社宣言が掲げられているなど、今もなお解同の施設そのもの。「にしなり」は貸し館事業については2階のホール、集会室の8室に限って実施。市民の希望の強い体育館は閉鎖したまま。これでは市民のみなさんが自由に使える市民交流センターとは言えません。
 市は、市民の活動を支援する場所、条例上は区民センターと同じで自由に使用できますと説明しますが、現状では納得が得られるものではありません。
 「人権啓発・相談センター」の職員の配置は、市職員14名と相談員10名が常駐し、曜日と時間を決めて相談員を区役所と市民交流センターに派遣するというものですが、ここも人権協会が指定管理者になっています。

 大阪市教委へ要望書
    2010年11月5日 民権連大阪市協

以下の点について要望いたします。

1、栄小学校の移転につい て
 2013年4月に栄小学校の移転開校を予定するとの報道発表(2010年8月26日)がされましたが、もと浪速青少年会館に移転することになった理由及び今後のスケジュールについて、明確にしてください。
  
2、新しい特別支援学校の 整備について
 栄小学校の校地に難波特別支援学校の拡充整備を行うとの報道発表(2010年8月26日)がされましたが、その理由及び今後のスケジュールについて明確にしてください。

3、施設一体型小中一貫校 の設置について
 2012年4月より「施設一体型小中一貫校」の設置を予定するとの報道発表(2010年8月26日)がされましたが、その理由及び今後のスケジュールについて明確にしてください。

4、時代錯誤の「部落問題 学習」の是正・廃止について。
 大阪市の学校現場では、今なお、部落問題について取り上げる時代錯誤といえる「部落問題学習」が行われています。この間取り組まれてきた大阪市の同和行政見直しの中で最も遅れた分野となっています。学校現場において行われている「部落問題学習」の内容に関わって、市教委としての考えを明確にしてください。

5、「同和加配」(児童生徒 支援加配)について
 2010年度に一定の削減がおこなわれましたが、なお府下的には突出しています。明確な基準のもとの教職員加配の適正化を一層すすめてください。    

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 上 告 理 由 書 
  学力等実態把握差止等請求上告事件
          2010年10月5日
   最高裁判所 御中   上告人ら訴訟代理人

第2 憲法14条違反
1 丁実態把握の実施は、憲法14条に違反する
 丁実態把握は、旧「同和地区」に居住する子や家庭と、他地区に居住する子や家庭とを学力や養育態度について比較するものであるが、この比較は、旧「同和地区」居住者は、他地区居住者と学力などの面で有意の差異があるとの着想に基づくものである。憲法14条は、国・地方公共団体が、社会的身分等による差別を行ってならないことを銘記しているのであるから、丁実態把握によって、旧「同和地区」居住者と他地域居住者を別異に取り扱うことは憲法14条に反している。
 この点について、原判決は、「特定の観点からそれに該当する事柄を選定することは、その事柄を他の事柄から区別するものであるから、控訴人らの主張も理解できないわけではない。しかるところ、対象地域に関連して施策を実施する必要性が高い場合(昭和44年に同対法が制定された当時は、そのような状況であったと推測される。)には、それとのバランスにおいて、対象地域を他の地域と区別して取り上げること自体が不必要かつ相当でない線引きをしたものとして違法になる場合もあり得ると解される。しかし、丁実態把握はその必要性が否定できず、その目的および手続は正当と判断されるから、それが違法であったということはできない」とする。
 しかしながら、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律が失効した平成14年4月1日以降においては、行政による「同和地区」の地区指定はなくなったのであり、「同和地区」というひとくくりによって地区住民が他地区住民と区別して行政施策の対象とされることもなくなったのである。しかるに旧「同和地区」に居住する子や家庭というひとくくりによって丁実態把握の対象としたであるから、憲法14条に反しゆるされない。

2 丁実態把握の結果公表は、憲法14条に違反する
 丁実態把握の結果を公表した行為は、旧「同和地区」居住者に対する差別を助長促進する行為であり、社会的身分による差別を助長する行為として憲法14条に違反する。
 この点について、原判決は、「大阪府教育委員会が公表した内容は、控訴人らまたはその子らに直接結びつくものではなく、他方で、その公表内容は行政の一般施策の前提になる情報として一般府民にとって意味のあるものであるから、同委員会が丁実態把握の結果を公表したことが違法とはいえない。」とする。
 大阪府教育委員会は、「同和地区の小中学生学力 全科目で平均下回る 大阪府調査」という形で、朝日新聞に公表させたのである。この公表は、平成18年度においても、旧「同和対策事業の対象地域」なる地域が存在すること、その地域に居住する児童生徒の学力が平均を下回るを知らしめたものである。
 これは、府民が平成13年3月31日以前の「同和対策事業の対象地域」なる地域を知っている前提である。それゆえにこそ、府民は、旧「同和地区」になっても、地区の児童生徒はやはり学力が低いと理解するのである。
 上告人らは、旧「同和地区」に現に居住し、上告人らの子は、旧「同和加配校」に在籍していたのであるから、まさに上告人らに対する差別助長行為といえるのであり、憲法14条に違反する。
3 旧「同和地区」の所在地名が記載された資料の保持は憲法14条に照し許されない
 大阪府人権室が保持する「旧同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料」とは、平成11年度に、大阪府が実施した「同和問題の解決に向けた実態等調査」の「地区概況調査 調査票」の1頁目に、〔1〕同和地区の概況 「地区名」
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「当該地区の住所」「当該地区を含む中学校区の住所」「面積(市町全体の面積、当該地区を含む中学校区の面積、当該地区面積」を記入する形になっており、これに各市町が記入回答し被告大阪府に提出した1頁目を1冊のファイルにしたものである。
 「部落地名総鑑」とは、全国の被差別部落の名称・所在住所を一覧のかたちで記載した図書のことであり、なんびとといえども、このような図書の利用や所持は許されない。大阪府人権室が保持する「旧同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料」は、大阪府下の「地区名」と「当該地区の住所」を記載しており、「部落地名総鑑」の大阪府版といえる。まさに差別助長の道具である。
 上告人らは旧「同和地区」居住者として差別を受けない権利を有しており、憲法14条に基づき、差し止め請求権として、大阪府に対し、「同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料」の廃棄を求めることができる。

第3 結論
 以上、述べてきたとおり、原判決には、明らかに憲法13条および憲法14条に違反する重大な誤りがあるので、破棄されなければならない。
 最高裁第一小法廷より「記録到着通知書」

 11月4日、原裁判所から下記事件の送付を受けました。今後は当裁判所で審理することになりますのでお知らせします。と通知が届き、「学力等実態把握差止請求上告事件」は最高裁で審理がはじまることになりました。

 高槻市へ意見書
  2010年11月5日 民権連高槻支部 

 高槻市「人権施策推進プラン中間見直しにかかる意見について」「第2章行動計画策定の背景」の見直しにかかわって左記の意見書を送付しました。

同和問題について
 同和問題に対する現状

 現在、地域の環境は大きく変化しています。地域内に建てられた建て売り住宅には市民が購入して入居し、今年より、市営住宅の公募もはじまりました。また、保育所も公募により市内からも入所するなど交流が進んでおり、同和問題を意識しなくなっています。
 それは市の人権問題についての調査で、同和問題は11の選択肢のうち10番目であり、市民の中では関心が薄らいでいることでも明らかです。これは同和問題の解決のためにも良いことだと思います。

 同和問題に対する課題

 平成14年(2002年)3月に特別法が失効して8年余、「同和行政」は歴史的役割を終えており、部落問題解決のためにも一日も早く終結することです。

 同和問題に対する課題を 解消するための方策等

 人権の名による「同和の特別」を直ちにやめること。行政による「教育・啓発」によって新たな問題もおこっており必要はないと考えます。
 地域の改良住宅も老朽化が進み耐震性の面からも危険な状況にあります。
 一方、公営住宅法の導入後、一定の所得があれば家賃が上がり住宅に住めない状況があり、働きざかり世帯の多くが住宅を出ています。その結果、住宅には高齢者世帯、生活保護世帯、母子家庭世帯、病弱者世帯などが多く生活しており、住民自治を守るのも大変になってきています。
 いま市がおこなわなければならないのは「教育・啓発」でなく、貧困と差別の再生産にならないまちづくりです。住宅の建てかえはもちろん、子育て世帯から高齢者世帯まで幅広い世帯が生活するまちづくり、住民自治が息づく福祉のまちづくりのために知恵と力を注ぐべきです。

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  八尾市の「人権行政」を考える市民集会

 11月10日、=今、「人権」の名のもとに何がおこっているか。同和行政の完全終結・同和問題解決をめざして=八尾市の「人権行政」を考える市民集会が開かれました。
 集会では、「人権」の名で八尾市でおこっている問題として、@田中市政のもとでの「人権行政」について、A八尾市が実施した「人権意識調査」について、B八尾北医療センターへの不当支出を正す裁判で市職員派遣を違法とした大阪地裁判決について、の3つが報告がされました。
 続いて石川元也弁護士が、「『人権』の名による逆流を許さず、同和行政の終結・同和問題の解決に向けて」と題して講演。
 石川弁護士は、八尾での斉藤議員除名問題、矢田事件民事裁判判決などを例に出し、解放同盟の暴力と利権あさり、窓口一本化に対して裁判所から厳しい判決が下され、それを受けて86年地対協意見具申、87年政府(総務庁)の啓発推進指針、89年法務省の「確認・糾弾」について(通知)、2002年3月同和特別法の失効へと続く意義を解明。そして、今「人権」の名でやられると一般には反対しにくい、人権協会についても悪質で巧妙だ、多くの市民にその実態を知らせることが大切であると強調しました。

 まちづくり・人づくりで地域の活性化を
民権連箕面支部が要求書

 民権連箕面支部は10月19日、箕面市に対して「同和行政の終結と市民施策の充実を求める要求書」(9項目)を提出しました。
 主な要求は、
★「部落問題の解決」とはいかなる状態をつくりすことか、★桜ヶ丘まちづくり構想(住環境をよくする会)の進捗状況を明らかにすること、★市営住宅空き家の公募、★ヒューマンズプラザ利用者の要望に応え分室の床や2階和室ドアの改修、大会議室設置の映写機の取り替え、★図書館再編統合をやめることなど、まちづくり、人づくりで地域の活性化をすすめる積年の要求で、誠意ある回答と協議をおこなうことを重ねて申し入れました。

 地域社会運動の広がりを
    第48回部落問題研究者全国集会

 第48回部落問題研究者全国集会が10月23・24日の両日京都市内で開かれました。
 全体会では成澤榮壽理事長の開会あいさつのあと、「現代日本の地域再生を考えるー新自由主義か新しい福祉国家か」と題して岡田知弘氏(京都大学教授・自治体問題研究所理事長)が講演。地域経済衰退の原因を明らかにし、構造改革への対抗軸として新しい福祉国家を彫刻する地域社会運動の広がりを詳細に報告されました。
 第2日は5分科会に分かれて研究・討議。現状分析・理論分科会では、谷口正暁民権連委員長が「大阪の変化と課題」、全国人権連の新井直樹事務局長が「地域人権憲章を考える」、広島修道大学教授の新谷一幸氏が「新たな人権救済機関」を考えるーー日弁連「案」を手がかりに、を報告し、討論をおこないました。