2010年7月15日 

 民主と人権 第74号

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 不当な「同和地区住民」意識調査
     日本共産党田中裕子議員が追及
 八尾市において、今年1月15日〜31日の期間に「人権についての市民意識調査」が、市と八尾市人権協会の手でおこなわれました。その中で、同和地区(旧同和対策事業対象地域)に居住する満18才以上の男女、800件に住所、名前を特定してマル秘で調査票を郵送、回答を求めました。特別法が失効したもとで、八尾市がおこなったこの不当な行為を、6月14日の本会議で日本共産党の田中裕子議員が追及しました。
 田中議員がおこなった質問と市側の答弁の一部を左記に掲載します。

 田中裕子議員
 今回、アンケート調査が行われたんですが、この調査、1回目の質問でも読み上げたんですけれども、同和地区のお住まいの皆さんということで届けられですね。この調査が行われることで、私、まず、1番目の指摘をしました、住民地域が分断されると。で、このことは、同時に、同和地区を八尾市が公式に認定したと。このことにつながっていくんですよ。受け取った人、あ、私、同和地区住んでんねんなと。先ほども言いましたように、旧同和対策事業対象地域、大体ここですと、微妙な差があるけども、大体ここですと言われました。そこが同和地区やて今おっしゃられたのと同然なんですよ。そのことについて、市長に、私、そうなんですか、お尋ねしたいんです。お答え下さい。

 人権ふれあい部長
 その地域が旧同和対策事業対象地域、こういうような地域が同和地区に当たる、同和地区ではないかというようなことにつきましては、これは、同和地区と必ずしも一致はしないと。特定をするというようなことは、これも、現状においては、いろいろな地区整備が実施されている段階では、これは困難だというようなことで申し上げたところでございます。

 田中議員
 必ずしも一致しないけれども、かぶってるんでしょう。私、市長の答弁求めてますねん。議長、すいません、市長に、私、答弁いただきたいんです。今回の調査で、客観的に見てですよ、市民から見てですよ、あ、ここの地域は同和地区やねんなと受け取った方、思われましたわ。それは八尾市のアンケート票なんです。八尾市が公式に、ここは同和地区やと認めたんですね。そのことをちょっと市長さんお答えください。

 市長
 先ほど部長からも答弁させていただいているように、すべてが一致しているものではないということで御理解をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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 田中議員
 そしたら一つ聞きますよ。アンケート受け取った方がいますねん。その人が住んでいる住所の地番、ここは一致しているんですね。そこは同和地区なんですね。お答えください。市長、お答えください。

 市長
 先ほどお答えしたとおり、同一ではないということで御理解をいただきたいと思っております。

 田中議員
 おかしいですよ。同一でなかったら何で送られてくるんですか。同和地区にお住まいの皆さんいうことで、その地番に送られてきたんですよ。住民基本台帳のデータ持ってきて、一致してるじゃないですか。八尾市が公式に同和地区を認めたことになるんですよ。重大なことなんですよ。法律もないのに、絶対やってはいけないことをしてるんですよ。最後市長に御答弁求めます。

 市長
 また、田中裕子議員がまたそのことを指摘されること、そのこと自身もですね、差別を助長することになるのではないかというふうに考えます。

  本会議での市長発言の撤回を求める要請書
  八尾市長 田中誠太殿
   2010年6月28日 日本共産党八尾市会議員団 

 2010年6月14日の本会議において、日本共産党田中裕子議員の個人質問に対し、田中市長は「そのことを指摘をされることそのこと自身もですね、差別を助長することになるのではないかというふうに考えております。」と発言されました。これは、言い換えれば「同和問題で市長の姿勢を追及することが差別を助長する」という意味であり、暴論としか言えません。また、言論の府である議会の中で、市長が議員の自由な発言を封殺することを意味します。さらに、市民の自由な発言をも抑制することにつながり、決してやってはならない行為です。
 言うまでもなく、最後の同和特別法が失効してすでに7年以上経過しています。実態的にも旧同和地域と一般地域との格差が解消し、同和行政を続ける法的根拠も実態的根拠もありません。
 ところが今年1月、八尾市は「同和地区に居住されている方」として、住所と氏名をかいてアンケート用紙を送りつけ、マル秘の「人権意識調査」を実施しました。これは、行政自らありもしない「同和地区」を規定し、新たな差別を作り出したことになり、重大問題です。
 よって、最終本会議において、市長自ら発言を撤回されるよう強く求めるものです。
        以上

  民権連申し入れる

 7月9日、民権連は八尾市がおこなった「人権についての市民意識調査」で「同和地区住民」を特定して調査票を郵送した問題で、八尾市人権政策課に対して市長との懇談を求める申し入れをおこないました。

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 第5回高槻市人権意識調査報告書 (2010年3月)には昨年9月から10月にかけておこなった調査結果がまとめられています。その中の「自由記述意見のまとめ」では「部落差別に関わる人権について」56件もの市民の声がよせられています。この内容は高槻市民の同和問題に対する率直な意見表明であり大変貴重なものです。以下その全てを紹介します。

  高槻市「人権意識調査」2010年3月
  自由意見(6部落差別に関わる人権について…)

 1、同和関連予算の削減と、アンケートにおいても部落に関することを一切出さないで下さい。もっと手をさし伸べるべき市民がいます。
2、同和問題の啓発は、差別の実態を教えるより行政の取り組みを教える方が良い。具体的過ぎると頭にそれだけが残ってしまう。
3、全ての市民を平等に扱うことが大切。かつての行き過ぎた同和行政は最大の汚点行政だ。
4、同和行政の正当性に疑問を感じる。
5、同和を前面に出して物事を済ませようという人がいる。そのような人間は絶対許せない。
6、同和利権のような逆差別は正すべきだと思います。
7、ニュース等で知るかぎり、同和の人が我々より守られて生活している。もう21世紀です。同和優遇行政をやめませんか。もっと人権を守ることはありませんか。私の率直な意見です。
8、部落差別を禁止する法制度の確立が大切。障害者、他の差別についても法律でしっかり基準を示して守ることが大切。
9、建設業に携わっているが、いわゆる逆差別を肌で感じている。アンケートも部落差別に関する問題が多いが、このような状況が続く限り、永遠に解決しないと思う。
10、地域の近くで生まれ育った。昔と違い、教育も充実し、時々差別的発言も聞くが気にしない。かえって逆差別を考えた時期はあった。
11、部落問題に関しては言行不一致の方が多いのでは。差別されている方にも問題が多いように思う。常識的育成や研修が必要。部落であることを利用して無理難題を働きかける悪質者もまだ多いのが残念です。
12、この調査は、部落問題が主眼に読める。部落問題はほぼ解決している。差別意識までは変えられない。人間の深層の性(さが)である。
13、部落出身者の自治会内での対応や日常生活態度は見苦しいかぎりです。行政や教育の限界を感じます。職業訓練や教育の機会は真に貧しい者にこそ多くあってくれることを行政に期待します。
14、部落差別や外国人差別など無い社会を意識していきたい。
15、部落、同和ということは耳にしますが、深い意味はよくわかりません。こういう言葉が早くなくなることを願っています。
16、人権という言葉があることがおかしい。部落や同和も行政が甘やかすので何かにつけて人権と主張する。人としての成長が大切で、人権をかざしている人ほど人権がわかっていないと思う。
17、このアンケートで同和問題が未だ解消されていないことを知った。行政は市民に説明し解消を図るべき。いまだ尾を引いているのは当事者の間違った権利の主張が根強く残っているのではと思います。
18、高槻出身ではないが、同和地区、在日朝鮮・韓国の人とは自然と差別ではなく区別が付いていた。被差別者側の人の言動にも問題があり、周囲からの理解が得られないのではないか。高槻は人権(特に同和地区)に関して力を入れすぎているのでは。貴重な税金が市民平等に行き渡ることを望む。
19、以前は聞いたが、高槻に部落差別などの人権問題があるとは考えたことがない。
20、絶対に同和地区とか差別部落という言葉を使わないことにする。分けて使
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うということはいつまでたっても解消しない。人権意識こそ差別しているので、分けないことだ。
21、人権、同和、部落の問題は知らされると逆に意識してしまうことがある。人権施策の内容も知らされる機会が少ない。
22、部落差別については、我々が意識していないのに、先方が意識する場合が多いようだ。自分の立場を逆に利用し悪いことをやっている人が多く信用できない。
23、小・中・高と同和教育を受けてきました。しかしこの教育が逆に差別を助長していると思います。高校時代私のこの考えは先生に反対されましたが、私は未だにそう思っています。大人になってから知るほうが過去の問題として理解できると思います。
24、親の価値観が子どもに影響する。正しい教育や伝え方が必要。
25、同和・部落等の問題はあまり聞いたことがありません。関連施設を撤廃することが問題のない世の中になるのではないでしょうか。
26、部落差別は騒がないほうがよいと思う。
27、行政の適正支援と同和の自主努力によって差別意識が解決した(しつつある)実例をもっとPRすれば理解を得られやすい(認識されやすい)。雑誌などを読むといつまでたっても金のばらまきでは利権を生み解決を遅らすのではと思う。
28、部落の人は団結力と国の恩恵がある限り差別は続く。意識改革が必要です。
29、自分の子どもの頃は同和教育が盛んであったが、子どもがどういう教育を受けているのかは知らない。子どもが知らないままの方がよいのではないかと思ったりします。
30、行政が「同和、同和」と言っていると嫌でも耳に入ってくる。その辺の考慮をしてほしい。一般の人も生活で困っている。過保護は考えもの。
31、ことさら取り上げることが差別。
32、私の小学校時代の経験から言えば、同和教育のやり方によっては差別を助長することになるのではと思う。具体的な地名など出さない工夫が必要。時代とともに意識も薄れ、差別も少なくなっているのでは、と個人的には思います。
33、逆差別が行われていることが問題。教育的指導をお願いします。
34、戦後60数年経過しているのに、未だ同和を優遇しているように思う。
35、人権は心の問題ではなく、豊かな生活を行政が保障するこてであり、市民間の問題ではない。この調査は人権を口実にした同和調査ではないか。
36、過去の自己の経験やマスコミ報道等に触れ部落解放運動のあり方に疑問を呈し、新大阪駅駐車場問題や芦原病院問題に言及し、税金の無駄遣いがどこの市にでもあると考えていると指摘しておく。
37、同和教育等の啓発活動が返って差別を拡大している。人権アンケートもやめたほうがよい。
38、今も同和地区には他のところと比べて多額の金(公の)が投入されている。はっきりと言えないが、関係のないところで市会議員とかが関わっている。
39、部落問題は若い人は関心がなく、30年もたてば誰も関心がなくなるでしょう。それより外国人の人に日本が支配されるのではと心配です。役所の方はしっかりして下さい。
40、同和保育所の人員配置等批判(不公平)。
41、同和というけれど、オウム真理教など宗教団体の方が恐ろしい。身近で結婚問題がありましたが賛成しました。何人も立派にやられている方とも友人です。皆、一緒です。
42、小中学校の同和教育はあまりに印象に残っていない。最近身近な問題として考えるようになった。
43、小学校で同和教育を受けましたが、「人権」が尊重されるために具体的に取り上げるのが正しいのか疑問に感じています。知ってしまうと、「忌避意識」が埋めれるのは仕方がないことだと思う。
44、大切なのは人間皆同じ人間だと知ることであり、上から護ってあげるというのは誤り。部落問題については、行政依存体質が深まり、地区から抜け出せない悪循環が起きている。地区住民全体が「差別されてい
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る」という意識が改善されれるよう啓発する必要もあると思います。まずは特別扱いはせずに済むような環境づくりをしてほしい。
45、特別対策は中止すべき、逆差別になる。
46、自分の子どもに同和問題をどう伝えたらよいのか苦慮している。伝えて何が変わるのかわかりません。
47、同和出身者と一般庶民の敷居の違いがあり、差別だと思われる場合は指摘してください。ただ、あなた方もおんぶにだっこでなく、努力してください。
48、同和教育により、子どもが地区に異常な関心を寄せる。学校で教えなければこの様なことはなかったのでは。私は、昔の話であり今の世間には関係ないことと教えている。
49、日頃、同和問題、部落差別などは意識していないので、このように啓発されると変に問題意識を持ちます。
50、同和問題については勉強不足。自身のある回答ではない。これを機会に同和問題を勉強したい。
51、両者の言い分を平等に聞く必要性について、同和教育が行われることを望みます。
52、私は小中学校時代部落についていろいろ学んだが、なぜ市が優遇しているのか疑問でした。差別が差別を生んでいると思う。
53、同和優遇行政は市民が反発している。社会生活で本当に弱い人には支援すべきです。
54、小中学校の授業で同和教育や人権教育をきちんと教えるべきです。子どもたちが落ち着かず、荒れている原因はそこにあると実感しています。子どもたちが学ぶことによって、周りの大人も変わっていくと思います。経済的な支援と言うよりは、まず、知識を身につけることを期待しています。
55、豊中市で同和教育を受けたが今の仕事に就くまで現実の差別と向きあうことはなかった。今、被差別者と出会い、語りあうことで自分自身の問題でもあることを自覚し、反差別の教育の充実を望む。今後も市の人権施策を期待し応援します。
56、部落解放に取り組む。  

  教職員の適正配置、抜本的対策で代替講師の確保を
    日本共産党江川しげる大阪市会議員が質問

 日本共産党の江川しげる大阪市会議員は、5月25日の文教・経済委員会で質疑にたち、行き届いた教育をすすめるために、異常な同和加配の廃止、教職員配置の充実、代替講師の確保など、取り組みを強めるよう求めました。
 江川議員は、2002年地対財特法終了してから8年、未だに旧同和校への歪んだ加配状況があると指摘し、栄小学校5名、住吉小学校5名、難波中学校5名、淡路中学校は6名の配置など、〈資料〉を示して質しました。
 江川議員は、「なぜ、一部の学校を、未だに優遇する、こんなことがまかり通っていいのか」とのべ、教育委員会は、市民に対して一般校と比べて異常に加配されていることの説明責任を果たせるのかと追及しました。
 教育委員会は、大阪府と協議した結果と、のべるに留まり、事実上答弁できませんでした。
 江川議員は、こうした旧同和校を優遇する異常な事態によって、一般校の児童・生徒にどんなマイナスの影響がでているのかと問い、教職員の欠員による授業ができない問題をとりあげ、昨年度の代替講師配置状況を示してただしました。
 江川議員は、2010年度の4月度1ヶ月間の調査で、4週間も代替講師が来ていなく授業ができない中学校があったという状況はけっして黙過できない重大問題とのべ、教育委員会の認識と抜本的な対策で、こうした事態がおこらないよう強く求めました。
 教育委員会は、代替講師確保は重要な責務と認め、必要数を可能な限り確保するために努力すると答えました。また、市長も「教員配置につきましては、各学校の於かれている状況をつぶさに把握し、効果的な教員の配置、代替講師についても努力をする」とのべるにとどまりました。

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 平成21年(ネ)第2613号 学力等実態把握差止等請求控訴事件
    第 4 準 備 書 面  2010年4月23日 
         大阪高等裁判所第3民事部(ハ係)御中

 第2 丁実態把握は、法令上の根拠を有しない違法のものである。

1 平成18年度学力等実態調査における丁実態把握のうち、小学校6校、中学校4校は、児童生徒支援加配校でもなくなったのであるから、その児童生徒を抽出して、実態把握の対象としたことの違法性は明白である。
 ここでは、さらに、同和加配校であってその後児童生徒支援加配校に指定されている学校についても、その対象地域居住児童生徒を抽出して行った丁実態把握の違法性を明らかにする。
2 同和加配校といい、児童生徒支援加配校といい、それら教職員を加配する根拠法令はつぎの通りである。
 すなわち、「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」第15条(教職員定数の算定に関する特例)において、その1号以下に掲げられる事情があるときは、政令で定める数を加えるものとすると定められ、1号には、「地域の社会的条件について政令で定める教育上特別の配慮を必要とする事情」との定めがある。法律15条を受けての政令は、「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律施行令」であり、その第5条(教職員定数の算定に関する特例)の定めるところによる。
 この施行令の定めにより実施されてきた同和加配制度が平成14年3月31日をもって廃止され、同年4月1日の改正により児童生徒支援加配制度が発足した(なお、それまでの「不登校加配」、「いじめ・問題行動加配」も、児童生徒支援加配に統合された)。その際、とくに、文部科学省初等中等教育局財務課長名で、この制度発足の趣旨と運用に関する留意事項などを通知したのが、甲47の通知である。このことは、すでに述べた。
 丁実態把握の対象にあげられた対象地域に居住する旧同和校の児童生徒も、上記第1の特別の配慮を必要としない学校に在籍しているものは何らの対応を必要としないのであり、また、児童生徒支援加配校に在籍する児童生徒については、支援加配校制度の下で対応されればよいのである。児童生徒支援加配校については、特別の指導が適切に実施されているか正確な把握に努め、定数加配がその趣旨の通り活用されるようにしなければならず、そのための調査として、丙調査はそのかぎりで合理的法的根拠を有する。
 しかしながら、丁実態把握が予定する対象地域の児童生徒のみを対象とする教育施策、地域を限定して行われる施策は、法失効後はもはや実施できないのであるから、そのための調査と言うこともあり得ない。丁実態把握を行うことの法令上の根拠は存しない。
3 しかも、大阪府教育委員会は、丁実態把握の実施のための真の目的を隠蔽して、本件控訴では、「対象地域において教育的課題が存するか否か」「対象地域に居住する児童・生徒の実態を正確に把握する」ためという。この目的自体、すでに述べたように許されるべきものではないが、さらに、丁実態把握の方法は、学力問題の根底にある「経済的水準と学力との関係」(控訴人第3準備書面4〜5ページ参照)に関しては、乙号証として提出されているところでは具体的には見えてこない(保護者調査の項目は乙3ー2、調査結果の分析では、中間報告が乙31、最終結果報告が乙35であるが、これらにはこの問題意識が反映しているとは思えない)。乙35の未提出部分にかかる調査結果の分析の中には、たとえば、「子どもの将来の進路のために必要な教育費について」という調査項目について、「たくわえておく余裕がない」との回答が、対象児童をかかえる小学校で
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 5・8ポイント、中学校で9・3ポイント府全体を上回っている。また、学校調査の要保護率では、対象小学校で15ポイント、対象中学校では23ポイントも府全体を上回っている。このように見てくると、対象児童・生徒の学力の問題は、保護者の経済的水準などによるところが大きく、部落差別の結果とはいえないということになろう。それであるのに、大阪府教委がそこに思いをいたざず、かつ、十分な分析もしていない段階であるのに、軽率にもこれを中間報告(乙31)として、学力のみを取り出して、対象児童・生徒の学力が低いと発表し、その結果、「同和地区の小中学生学力、全教科で平均下回る、大阪府調査」(甲14)と報道せしめた。これは、部落差別と偏見を助長し拡大する違法なものといわざるを得ない。原告らは、さらに深くその心情を傷つけられた(甲58)。
4 被控訴人は、丁実態把握の実施の根拠として、平成13年9月の大阪府同対審答申(乙10)をあげる。しかしながら、この答申は、法形式的にも丁実態把握の根拠とはなり得ないし、答申の内容的にも丁実態把握の根拠とはなり得ない。
 被控訴人は、この答申及びそこに引用される平成8年地対協意見具申は「部落差別が現存する限り同和行政は積極的に推進されなければならないものである」と引用する。しかしこの部分は、「国同対審答申は、部落差別が現存する限り同和行政は積極的に推進されなければならないと指摘しており、」との文脈の中の文言であり、平成8年意見具申に基づき、国は、「一般対策」への円滑な移行を前提に、15の「特別対策」について、平成13年度末まで延長したと要約しているだけである(乙10の2ページ)。被控訴人のこの引用は適切ではない。
 さらに、この答申は、法失効の前年の平成13年に、法失効後の大阪府行政のあり方について答申したものであるが、今後(法失効後)の基本目標としては、「府民の差別意識の解消・人権意識の高揚を図るため」などの諸条件の整備が必要である(乙10の13ページ)としている。これは理念的な人権啓発等の条件整備をうたっているもので、丁実態把握の根拠となるようなものではない。
 答申は「今後の同和問題解決のための施策の進め方については、同和地区、同和地区出身者に対象を限定した特別措置としての同和対策事業は終了すべきである。」(同14ページ)と締めくくっている。そして、一般施策の活用ということについても、ある場合には「一般施策の補完としての特別措置がなされてきたところである」としながら、「これからは、これまでの同和行政の成果を踏まえ、同和対策事業で培ってきた事業のノウハウを活かしながら、一人ひとりがかけがえのない存在として尊重される差別のない社会の実現をめざし、同和地区、同和地区出身者のみに対象を限定せず、さまざまな課題を有する人びとの自助・自立を図り、誰もがそれぞれの個性や能力を活かして自己実現の達成を図る視点に立って・・・一般施策として取り組んでいくことが適切である。」(同15ページ)としているのである。
 教育課題についても、「いわゆる同和教育推進校については、国において教育課題に対応した一般施策としての教職員配置改善計画が整備されてきた状況をふまえ、府が独自に措置してきた同和加配はこれを廃止すべきである。今後はこの国制度の活用を図るとともに、教育課題に対応して必要に応じてその充実を国に働きかけていく必要がある。」(同19ページ)としている。ここでいう国制度とは、まさしく、当時の「同和加配」、「いじめ加配」や「不登校・問題行動加配」などであり、その後の「同和加配」の廃止と「児童生徒支援加配」制度の発足・移行などであることは明らかである。答申は、同和教育問題についての大阪府の独自の施策が国の基準を越えていたことへの反省を込めて、独自の施策を廃止し、今後は国の制度を活用すること、必要があれば国に働きかけて国の制度とさせたうえその成果を享受することとしたのである。
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大阪府教委が、平成14年度に旧同和校のうち小学校4校、中学校4校を児童生徒支援校を児童生徒支援加配校に指定せず、平成17年度にさらに旧同和校小学校2校を児生支援校からはずしたことや、平成15年から平成18年にかけて児童生徒支援加配校の数をほぼ倍増させてきた(甲56ー1)などは、まさしく国制度の活用といえる。府教委自身このように実施してきたのである。
 このように、乙10の府同対審答申の内容を見てくれば、丁実態把握の実施の根拠がこの答申にあるとする被控訴人の主張は、答申自体によって否定されていることが明白である。
 以上述べたとおり、丁実態把握の違法性は明白である。 

  国民平和行進大阪入り
  核兵器廃絶へ新たな一歩

 5月6日、東京を出発した“2010年原水爆禁止国民平和大行進”は8月4日の広島到着をめざして東海道を西進。6月30日、奈良県から大阪府入りしました。7月7日まで、府内ほぼ全市町を幹線・網の目コースで行進します。柏原市での引き継ぎ出発集会では、大阪実行委員会を代表して新婦人府本部会長・川本幹子さんが「アメリカの核や基地を“抑止力”と言っているうちは平和はこない。平和をつかみとる私たちの力を!」と行進団を激励しました。
 7月4日、梅雨の晴れ間に恵まれ、住之江区役所を出発した網の目コースに、民権連大阪市協は大国町で合流、暑さに負けず四天王寺西門前まで行進しました。
 また、府下の各支部も、幹線・網の目コースに参加しました。


 参院選 消費税増税に厳しい審判
   清水ただし候補及ばず

 ご支援ありがとうございました。
 選挙でのご支援ありがとうございました。大阪選挙区で366105票を獲得いたしましたが、当選することができませんでした。日本共産党と清水ただしの勝利のために、一票を投じてくださった有権者の皆さん、昼夜を分かたず御奮闘くださった支持者、後援会、党員の皆さんに、心よりお礼を申し上げます。(中略)議員バッジを付けることはできませんでしたが、府民の暮らしを守るため、掲げた公約の実現をめざし、一人の政治家としてさらに努力する決意をあらたにしています。
 (市民からの声)
・お疲れ様でした。私は清水さんの訴えを聴いていつも励まされそして笑顔をもらいました。何よりもわかりにくい政治がとても理解しやすく興味もてた事が嬉しかったんです。結果は残念でしたが清水さんのバナナの叩き売りは忘れられないくらい爆笑しました。
・清水さんのがんばりは内外に風穴を開けたと思います。単なるお笑い出身ということではない、これからの共産党候補者のあるべき姿を提起していただいたと思っています。ライブショーのご本人、観客のパワーは最高でした。これを一回に終わらせてはいけないと思います。最度挑戦してください。これからの「清水ただしおっかけ」として、道路から声援し、応援活動を一層力を入れたいと思います。次回がんばれ。
 (清水ただしのブログ 7月13日)


 「同和秘密調査」裁判 控訴審判決
・7月29日 午後2時30分 大阪高裁 84号法廷