2009年11月15日

 民主と人権 第66号

66−1
 第3回講座「住民自治と同和行政の終結」
 住民自治を発展させるために「同和行政」を早く終結させよう

 11月8日、奈良県中小企業会館において、部落問題研究所・国民融合をめざす奈良県会議の主催で第3回講座「住民自治と同和行政の終結」が開かれました。
 はじめに、成澤榮壽部落問題研究所理事長が開会のあいさつ。「部落問題が大局的には解決するに至っていると言い得る今日の歴史的段階を踏まえ、今後、世界の平和と人権強化をはかる国際的な営為との共同をめざし、わが国の地域社会における自由と人権、民主主義の発展をめざす課題を追求していく所存です」とのべました。
 講座は、テーマに即して3人の方から、先進的なお話がおこなわれました。講座1は、奈良県生駒市の同和施策見直し検討委員会の委員長を務められた伊賀興一弁護士から生駒市における「同和行政」終結に関する検討委員会の提案内容について報告されました。見直しにあたっての基本的な観点として、@周辺地域との比較における生活環境の実情から公平が保たれているかの観点、A市民の納得と了解に基づく、自主的で中立的な行政かの観点、B住民自治の精神から、有効、有益な特別施策の一般施策への発展、継承の観点、の3点を委員全員の同意を得、すべての議論の土台としておこなったこと、検討委員会の取り組みについて具体的な事例をあげながらお話しされました。
 講座2は、元東大阪市人権文化部参事の古川康彦さんから「新たなまちづくりに挑むー東大阪市のこころみ」と題して、自治体の行政が「同和行政」の「負の遺産」を克服し、努力すればここまで出来るという実践について東大阪市での事例が生々しく報告されました。またその詳細についてまとめた古川さんのブックレット「新たなまちづくりに挑む」が当日付で発売されたことも紹介されました。
 講座3は、国民融合奈良県会議の谷彌兵衛事務局長から奈良県下の部落の存在する全市町村を対象にした「同和行政」の全事業の点検・調査の結果が報告されました。これはどの事業がどのように残存しているのかをあきらかにし、全事業を終結させるべく取り組みを強めようとするものであり、国民融合全国会議ではこの取り組みを今後全国化する予定にしています。奈良県全体の実態がわかる貴重な資料です。
 報告のあと活発な質疑応答がおこなわれ、それぞれの地域での奮闘を確認しあって講座は閉会しました。

66−2
 東大阪市における同和向け公営住宅の建替えについて(提言)
2009年11月8日
         元東大阪市人権文化部 参事 古川 康彦

  東大阪市における同和向け公営住宅の建替えについて(提言)

 初期に建設された住宅は、老朽化が進行し建替えが必要になりつつある。その後に建てられたものも耐震性の問題と、仕様の古さが入居者のニーズに合わなくなっている。建築部においては国土交通省の方針に基づく「ストック活用計画」を作成して、建替え、改修などについての作業を進めつつある。しかし、多額の財源を必要とすることや、本市の住宅政策との整合性など検討課題が多く、原局だけで対応することは適切ではないと考えられる。地元から建替えの要求も出されているが、市としての広角的視点での方向性の検討が必要である。要求におされて、拙速な判断により事業に着手されることがないよう配慮し、充分な庁内論議をされたい。

 建替え等を検討するにあたって
 現存する2300戸、70棟をそのまま単純に建替えると、毎年、両地区1棟ずつとして35年かかることになる。そこでまず、経営企画部、財務部、建築部、人権文化部など関係部局で政策的に検討する。そののち、有識者、専門家(コンサルタントなど)を含むプロジェクトをスタートする。
@一般市営住宅を含む本市の住宅政策における位置付けを明確にする。
A建替え等をするにあたり、必要な住宅戸数を精査する。
B建替えまたは改修などの工法については、費用対効果等を視野に入れながら検討する。
C中長期の市財政の見通しの上に立ち、事業費、事業手法、着手時期などを決める。
D建替えなどの事業手法や、地域内にある遊休市有地、建替え等により生まれる余剰地の 売却などをもとに資金計画を立てる。
E国や府における補助制度の研究を進める。

《耐震補強をともなう住戸改善について》
 ・新築による一戸あたりの建設費とあまり差がなく割高である。
 ・本体がもとのままであり、改善内容が限られ、使い勝手が悪い。
 ・現在の入居者の仮移転先の家賃や往復の引越し料などの経費を要する。
 国はストック活用を提唱するが、これらの問題点を考慮し事業費や効率性などから新築との比較計算をする必要がある。

 ここにあげた検討課題は問題点の一部にすぎない。行政が主体的に建替えの方針を策定し、市民合意を得ながら事業に着手していくことが望まれ、まちがっても市財政破綻の原因になることは避けなければならない。

 11月8日、第3回講座「住民自治と同和行政の終結」・講座2「新たなまちづくりに挑むー東大阪市のこころみ」より転載。

 部落問題研究所発行・シリーズ21世紀の人権ーH
「新たなまちづくりに挑むー東大阪市のこころみー」
   古 川 康 彦 著  定価1050円

66−3
 (資料)旧ふれあい人権住宅の空家(大阪市)


 高槻市、市営住宅(改良住宅)入居者を公募

 高槻市は10月25日発行の「広報たかつき」で、市営富寿栄住宅(改良住宅)7戸(3DK=5戸、4DK2戸)の募集をおこないました。
 市営住宅は、浴室なし、収入条件あり、応募は、11月1日〜14日(消印有効)に所定の申込書を郵送で、住宅課(市役所本館5階)へ。申込書は同課、各支所などで配布。となっています。
 昨年、一昨年は地区周辺限定の公募でしたが、今回初めて広報にも載せて、広く市民全体への公募となりました。

66−4
 「同和行政の終結に関する調査集計表」より
    2009年11月1日現在
     国民融合をめざす部落問題奈良県会議

 お隣の奈良市での実状がわかり、大阪的にも参考となる資料です。11月8日の講座「住民自治と同和行政の終結」で紹介されました。

66−5
 同和行政の完全終結と市民にあたたかい市政の推進を
           箕面支部が市に要求書を提出

 貴職におかれましては、箕面市政の推進に日々ご奮闘のこと心より敬意を表します。
 国の特別対策措置法が終了して7年、同和行政はその歴史的役割を終え、完全に幕を閉じる時代を迎えました。箕面でも法終了後も、人権の名による「同和行政」が継続実施されていますが、役割の終わった同和行政の完全終結と市民にあたたかい市政の推進を求めて以下要求します。倉田市長の出席と誠意ある対応と回答をおねがいします。
 なお、回答につきましては、10月30日(金)迄に文章でいただくとともに、11月27日(金)迄に協議をおこなうようかさねて要求するものです。

  【要求項目】

1、「同和行政」一切の特別対策の廃止をすること。また、一昨年来協議の課題を明らか にすること。
2、桜ヶ丘まちづくり構想(住環境をよくする会)の進捗と完成時期を明らかにすること。
3、地域の伝統文化、市民協働の交流事業に補助金を交付すること。
4、市営住宅の空家(11戸)入居をすみやかにはかること。
5、とどろぶち公園整備計画の進捗と完成時期を明らかにすること。
6、カラス、野良猫対策をはかること。飼い犬の散歩など住民のモラルの向上をはかるこ と。
7、公的施設の民間委託化を廃止すること。
8、箕面市人権協会の必要性を明確にすること。

  大阪市対連が市各部と交渉
 部落解放夏期講座は見直し対象外

 10月23日、大阪市対策連絡会が先に提出していた、「2010年度大阪市予算に対する要望」の文書回答にもとづく市交渉をおこないました。
 同和行政の完全終結宣言をおこなうことなど4項目の質問に、市は、平成18年11月に「地対財特法期限後の事業等総点検調査結果に基づく事業等の見直し等について(方針)を策定して、見直しを進めているところであり、平成21年度末には見直しを完了させることとしております」をくり返し答えるのみでしたが、「一般施策」として平成21年度は28億円を予算化していること、「部落解放・人権夏期講座」に平成20年度は市として20人(受講料1名7000円)が公費で参加したこと、講座については「見直し」対象の事業でないことが明らかになりました。
 10月20日の交渉では、人権教育読本「にんげん」は、昨年度は大阪府教育委員会からの依頼で学校設置費用として配布した、本年度は配布していないと回答しました。

  八尾市人権協会への委託432万円
 共産党と自民党の反対で否決

 9月24日、八尾市議会保健福祉常任委員会で、住宅手当緊急特別措置事業(新設10月〜)を八尾市人権協会に委託する件が反対4(共産党2、自民党2)、賛成3(民主市民クラブ、公明党、新生やお)で否決されました。
 日本共産党議員団は、人権協会への委託でなく市職員での対応を求めて反対しました。

66−6
  (10月24日 毎日新聞・奈良県版)


 栄豊建設興業 塚本社長(旧同建協)代表理事
  虚偽の申請書提出 罰金50万円  略式命令

 大阪区検は10月15日、虚偽の建設業許可申請書を提出した容疑で逮捕された府まちづくり建設協議会(旧府同和建設協会)の代表理事で、栄豊建設興業(大阪市淀川区)の塚本義文社長(50)=大阪市城東区=を建設業法違反罪で略式起訴した。塚本社長は罰金50万円の略式命令を受け、即日納付した。塚本社長と共謀したとして逮捕された元義母(66)は不起訴処分(起訴猶予)とした。  (市原研吾)
  (11月10日 朝日新聞)

66−7
  ひとつになあれ
    〜わたしの部落解放運動〜 G
      工藤千代美さん

 私が育った町は、ずっと昔から、町の行事として盆踊りや秋祭りをとっても大事にし、村中あげて取り組みました。(だんじりを宮入し鳥居をくぐることに特別の思いを持っていました。)
 私の実家は町の中心のバス通りにありました。父は次から次にと色々の商売をしてきました。パチンコ屋、ゲタ屋、靴屋、うどん屋、アイスキャンディー屋などで、商売屋なので間口が広く、人の出入りがしやすかったということもあり、文化会館(後に解放会館、現在は人権文化センターと改称)ができるまでは市役所の納税出張所となっていました。市の職員が月1回机を入り口に置き納税の旗を立てて集金に来ていました。
 お祭が近づくと「まつり」の事務所になりました。いつも青年団の人が集まって来ました。楽しそうに話し合ったり、お祭の練習をしたり、寝転んだりして、何週間も前から、もう我が家はお祭。家の前が広場になっていたのでダンジリ(地車)を置いていました。ダンジリはそこから出発し帰ってくる場所になっていたので、我が家が余計に青年たちの休憩所となっていました。我が家であった所は現在、消防会館(町の消防第二分団、消防自動車1台常駐)になっています。今は毎年この消防会館前から出発します。だから私はお祭が来ると男性中心の行事に憧れ、私も男に生まれたら良かったのにと思ったりしました。
 当時のわが町は家が密集し道は狭く込み入っていました。貧しい人が多くいましたが年中行事を楽しみにし、力を合わせて取り組まれてきました。
 私は中学を卒業して直ぐ入った解同青年部時代から町の行事に参加し、町内のみなさんと共に毎年ずーと取り組んできました。
 解放運動が分裂した時、町の行事にも影響がでかけましたが、運動と町会活動とは別だと良識ある人々の力もあり、統一を守り抜き、私たちも町会の一員として町会活動を進めてきました。町会行事の取り組みでは、町内の色々な団体代表者で『世話人会』が作られ(全解連代表、解同代表も含む)、その行事成功のために統一して取り組み、協力し合いました。現在はその世話人会もなく、評議会も町会と名称を変更し、町内を隈なく覆う自治組織として新しく組織を改革しました。周辺地域と同じ町会活動にと変化を見せています。
 今年度の秋祭りで町内「だんじり」が横転しかけ9人の怪我人が出て、3人が入院するという不幸な事故が起こりました。関係者はじめ町内のみなさんもビックリし、不安がいっぱい。この事故の悲しみを乗り越えて、関係者はじめ町内のみなさんと協力し、関係者役員は連日集まって、色々な問題解決のために取り組んでいます。
  11月2日 工藤千代美 

  国民融合全国会議
第35回総会:全国交流集会
〈全国交流集会〉
と き 12月5日(土)午後1時〜5時
ところ びわこKKRホテル「会議室」
      (TEL077−578−2020)
資料代 1000円(総会と共通)

《第35回総会》
 と き 12月6日(日)午前9時〜12時
 ところ びわこKKRホテル「会議室」

 問い合わせ−国民融合・全国会議事務局
   電話・FAX075−361−8912まで

66−8
  私立高校無償化決定
   年収350万以下が対象

 経済的理由などで進学をあきらめる生徒がでないよう、大阪府は2日、年収350万円以下の世帯の私立高校授業料を実質無償化し、併せて公立入学定員を約3千人増やす方針を決めました。大阪府は08年度、多くの生徒・保護者、関係者の反発を無視して私学助成を減額。私立高の半数以上が授業料を引き上げる結果となりました。鳩山政権が来年度からの公立高校授業料無償化方針を打ち出す中、「私学も無償に」と強く求める関係者の声が府政を大きく動かしました。私学に子どもを通わせている保護者は「私学もはやく完全無償化してほしい」と語っています。

 大阪市・飛鳥会和解へ
架空委託料の返還訴訟

 大阪市が市立保育所の架空の宿直業務に委託料を払わされたとして、市飛鳥人権協会と財団法人飛鳥会に計約2400万円の損害賠償などを求めていた裁判で、両団体が市に計1千万円を支払うことで10日にも和解成立することが市への取材でわかった。
 市によると、市立あすか保育所(東淀川区)に当直員を置く委託契約を、市は73年度から市同和事業促進飛鳥地区協議会(現・市飛鳥人権協会)と結んだが、92〜04年度までは当直員を置いていないのに委託料を架空請求され、全額を飛鳥会が取得していたとして、07年に訴訟を起こしていた。協会が600万円、飛鳥会が400万円支払う。
 大阪地裁から和解勧告を受け、同協会は「受け入れる」とし、市も「時効の問題もあり、早期に回収した方がいいと判断した」という。   (11月10日 朝日新聞)

  WTCビル85億円で購入
  府庁移転条例案再び否決 

 10月27日、府議会はWTCへの庁舎移転条例を賛成52・反対60で否決(可決には3分の2の賛成が必要)。WTC購入予算は賛成61・反対50で可決しました。2月府議会に引き続く移転条例案の否決は、この間の府民運動がかちとった大きな成果です。その一方で、85億円もの税金をつかってWTCを買い取ることを決めたことには、多くの府民から疑問や異論の声があがっています。しかも、橋下知事や関西財界は、いまだに「府庁移転はあきらめない」とのべています。知事提案の問題点が噴出し、府庁移転条例案が葬られた中で、使う目的もまったく明らかではない無駄なビル購入に賛成した議員の見識が問われています。

  ホームレス支援
 合 田 清ピアノコンサート
と き  12月5日(土)午後1時30分〜3時30分
ところ 天王寺区民センター
 地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ケ丘」駅 A号出口から北へ約100m
入場料 2000円(協力支援)
 主 催「ろくな者じゃの会」