民主と人権 40号 9月15日

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 大阪市長選挙
 市民の利益を第一に
    姫野候補が公約発表

 十一月の大阪市長選で出馬を表明している「大阪市をよくする会」の姫野浄候補は四日、大阪市役所で記者会見し、市長選挙にあたっての公約を発表しました。
 公約のタイトルは「市民と中小業者を支援し、くらしに困った人を見捨てない、ぬくもりのある大阪市政をつくります」。サブタイトルに「憲法を大阪市政のすみずみに生かす、私の“5つの改革25の約束”」としています。
 改革の五つの柱は▽暮らしを応援▽中小業者支援、経済活性化▽いきとどいた教育・子育て支援▽地下鉄民営化はやめ、環境を守り文化豊かな街づくり▽同和行政完全終結・大型開発のムダをなくす。具体的には、国保料の一人一万円引き下げや市営住宅、保育所の増設、大型店の無秩序な出店・撤廃規制、子どもの医療費の無料化を所得制限なしで中学校卒業まで拡充、地下鉄と市バスの経営を一体的に市が直営するなどの施策を示しています。
 会見で姫野氏は、市長選は「市民施策切り捨ての市政を続けるのか、生活にあえぐ市民と不況に悩む中小業者を支援する市政に転換するのかを決める重要な選挙」と指摘しました。
 この間、市政をめぐって市民の怒りが沸騰し、「職員厚遇」問題や飛鳥会の不正問題での解同幹部の逮捕、同和事業の三十五億円削減、無料敬老優待パスの存続など、市民の声と運動が市政を動かしてきたと強調しました。
 「関西財界、『オール与党』、解同と深く結びついている現市政がいくら『改革』を叫んでも、貧困や格差はなくならない。本当に変えられるのは市政をゆがめてきたこれらの勢力となんの腐れ縁もなく、『市民の利益第一』を貫く市長だ」と指摘。「私が市長になればきっぱりと『同和行政完全終結宣言』をおこない、市民のくらし、営業、福祉、教育、文化、生活環境を優先する市政へ一大転換をはかるために全力をあげていく」とのべました。 

 民権連は、9月8日開かれた執行委員会で、姫野浄さんの推薦決定をおこない、
勝利をめざして全力で奮闘することを決意しました。

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  大阪府同和問題解決推進審議会小委員会中間報告
「大阪府における今後の同和問題解決に向けた取組みについて」
      2007年9月 民主主義と人権を守る府民連合

1、「同和地区」の存在を前提とした「中間報告」は地域住民のねがいに背くもの

 特別法の終了にともない法の下での行政施策の対象としての「同和地区」指定は解除されました。7月17日に開かれた大阪府市長会でも、行政が「同和地区」という呼称を使い続けることについては慎重であるべきとして、確認されませんでした。「部落」や「同和」という呼称がなくなることこそ地域住民のねがいです。 しかし「中間報告」は「同和地区」の存在を前提としており、部落問題解決の今日の到達点と地域住民のねがいに背くものとなっています。
 たとえば、 今後の取組みの第一に「コミュニティづくり」をのべ、「同和地区内外の住民が対等な立場で」「対等な関係での交流、協働の取り組み」を促進するための条件整備をあげていますが、対等なコミュニティづくりは「同和地区」の存在を前提にして実現できるものではありません。この点だけを見ても、「中間報告」は部落問題解決の提言となりえません。

2、住民蔑視の「世代を越えて継承される部落差別の影響の存在」論

「中間報告」には、「世代を越えて継承される部落差別」という下りが目につきます。「世代を越えて継承される部落差別」について「中間報告」は、@同和地区の人に「対抗的な感情」が存在すること、A自尊感情が低く、将来展望が制約されている、B所得や生活の安定が、子どもたちの生活習慣や将来に向けた力量形成につながっていない、の3点をあげています。
 水平社以来の部落解放運動の伝統の上に立って、全解連はいまから20年前(1987年)に「21世紀をめざす部落解放の基本方向」を決定し、部落問題の解決すなわち国民融合とは、@格差の是正、A偏見の克服、B自立・自治、C社会的交流の促進の4つの指標をあげ、その実現のために取り組みをおこなってきました。そして17年間にわたる運動の結果、これらの4つの指標は基本的に達成され、2004年4月に部落解放運動を卒業、全国地域人権連へと発展させました。
 部落問題が基本的に解決した今日、「世代を越えて継承される部落差別」などということは問題にはなりえませんし、奇異に思えます。
 では、この「世代を越える」とはいかなることなのか、「小委員会」に対して、今後詳しい説明を求めていきたいと思いますが、それは、「世代を越えて」続けられてきた行政による特別対策や同和優遇、部落排外主義にもとづく解同による間違った運動の影響のもとで、住民の自立・自治がないがしろにされてきた結果ではなかったのか。長年にわたる行政のゆがみや運動のあやまりにその要因や原因を求めるべきものではないのか、解明が求められると考えるものです。

3、不正・腐敗・乱脈同和にきわめてやさしい「中間報告」

 飛鳥会事件、丸尾事件、芦原病院問題など一連の解同・行政による不正・腐敗にたいしての「中間報告」はきわめてやさしい。一連の事件の原因について「中間報告」は、法失効した際に「自治体も民間運動団体も、過去の特別対策事業時代の発想を十分に切り替えることができなかったこと」とのべるのみです。しかしちがうでしょう。
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 それは、大阪府や大阪市が行政の主体性と責任を放棄して、解同幹部に同和事業の独占管理(窓口一本化)をみとめ、唯一の「協力・促進団体」(府同促・市同促)として解同いいなりの同和事業をすすめてきたことにあるでしょう。この点での解明を避けては真実は見えてきません。また一連の事件を引き起こしたのは解同幹部であり、「民間運動団体」という記述は正確ではありません。

4、人権行政の名で同和行政の永続化をはかるもの

「中間報告」の基本的な立場は、「今回の提言にあたり、…ただ同和問題の解決ということだけに目を向けるのではなく、同和問題解決に向けた現在の局面を人権尊重に向けた国内外の大きな潮流の中であらためてとらえ直し、戦略的課題を明らかにすることが重要である」(小委員会座長 元木 健)という文章に明瞭に示されています。
 「中間報告」は、今後の取組みに向けた提案として、コミュニティづくり、協働による取組み、教育・啓発、学校教育、人権啓発、相談、関係機関との連携をあげ、解同による大阪人権センターへの居座りをも容認しています。「中間報告」は、今後とも大阪府人権協会(解同と大阪府)による「窓口一本化」体制を堅持して、人権の名による同和行政の永続化をはかろうということです。基本的な立場はこれまでとまったくかわりません。

5、大阪府と解同とのゆ着の産物である「当事者」論

「中間報告」は、「行政と民間運動団体について」ものべています。一方では、「大阪府は、民間運動団体との関係において、今後一層、行政として、主体性を堅持し、法令の順守について毅然とした姿勢を堅持していく必要があります」とまことしやかにのべながら、その前段では、「行政と民間運動団体のあり方について考えるために、押さえておかなければならない基本的な視点」として、「行政は、差別を受けている当事者が何を感じているか、当事者の意見をくみ上げ、当事者が提起する現実に学ぶという姿勢が重要である」とのべています。しかしこの「当事者」論が、大阪における不公正・乱脈同和行政、すなわち解同による「窓口一本化」行政の根底になった考え方ではありませんか。
 大阪府が解同とのゆ着を断ち切り、真に行政の主体性の堅持と法令の順守を堅持することを求めたいと思います。
  さいごに

 「中間報告」のよって立つ基盤はきわめてもろいものです。大阪の部落問題解決は、すでに「中間報告」の立場を越えてすすんでいます。「中間報告」に見られる、ただ解同に応えるだけの同和行政永続化の方針は、部落問題の完全解決をねがう府民や地域住民のきびしい批判にさらされることでしょう。
 部落問題が基本的に解決した今日、「部落」や「同和」を冠した行政・教育・運動・審議会などの完全終結をはかることこそが時代の要請であり、府民や地域住民のねがいです。今回の「中間報告」に見られる解同の応援団としての「小委員会」の反省を強く求めるものです。

 今日の同和行政の
   実態をあばく学習集会
と き 10月22日(月)18:30〜20:30
ところ 国労大阪会館 3F大会議室
      (JR環状線 天満橋下車)
=学習会=
  今日の「同和問題」「同和行政」を
      どうみるか(仮題)
  講 師 石 倉 康 次 氏 (立命館大学教授)
=報 告=
 1、羽曳野市政を牛耳るハンナンと市民のたたかい
 2、府教委の「学力調査」の違法性
 3、「同和行政の実態告発」
主催:同和行政の完全終結をめざす大阪府民実行委員会

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 10自治会長連名の「要望書」に見られる「光」と影
2007年9月1日 民主主義と人権を守る府民連合  

 寝屋川市において07年6月、「旧同和地区」「周辺地区」自治会長10氏の連名で市議会議長あてに「要望書」が出されました。その内容は、共産党の「同和」キャンペーンによって地区住民や市民の心が傷つけられている、行政や議会において、@特別対策としての「同和行政」は存しないことA「同和地区」の住民も他の地区と変わらぬ一市民であることB行政職員、市議会議員は市民に誤解を招くような発言をしてはならないこと、の3点を踏まえて、@行政機関、市議会内等で「同和」という言葉を使用しないなどの「措置」を講じること、A部落問題解決に向け、引き続き取組を推進すること、となっています。
 民権連は、この「要望書」が、大阪における部落問題解決の到達段階を反映した、今日的な問題提起を含んでいるものと判断し、今後の成り行きを注目しているものです。

 部落問題の解決、いまの到達点 
 部落問題の解決とは、格差の是正、偏見の克服、自立の促進、、社会的交流の進展を実現することであり、地域社会で「部落」や「同和」が何ら問題にならない状況を作り出すことです。そしてその最終的な解決は地域住民の自立・自治の努力にかかっているものです。
 1969年に国の同和特別法が始められて以来、大阪府では2兆8116億円(寝屋川市では約700億円)の巨費を投じて同和対策事業がすすめられ、長年の行政施策の成果と住民の自立への努力、広く市民の協力の積み重ねにより、さらには地域社会の近代化と社会構造の激変の中で、今日では部落問題は基本的に解決されているという段階にまで到達しました。
「要望書」が「地区住民は特別措置法の期限切れ以前から、…自立を目指し、あらゆる補助金等の対策について返上してきました」「法期限切れよりも前にすべての特別対策を打ち切ることに達し、この地区だけの特別な対策、特別な費用は一切なくなり」「『同和地区』の住民も他の地区と変わらぬ一市民である」とのべていることは、この間の住民の自立の努力とねがいを反映したものであり、おおいに賛同できるものです。
 しかし一方で、「部落差別問題は、完全には解決していません。解決に向け、引き続き取組を推進すること」とした部分については、具体的に何を求めているのか明らかにしなければ、特別対策の推進を求めることに繋がりかねません。

 「同和地区」はありません
 2002年3月末、33年間にわたる国の同和特別法が終了し、「同和地区」指定が解除されました。そもそも「同和地区」という呼称は、国の同和対策事業の対象となった指定地域を表現する行政用語であり、特別法の終了とともに消滅すべきものです。ところが解同大阪府連は昨年5月、府市長会・町村長会に「同和地区」の復活を求める要望書を提出しました。これを受けて大阪府・市長会・町村長会は「『同和地区』の位置付け、呼称問題に関する研究会」報告書(案)をまとめ、その確認をはかろうとしました。しかし各市長から異論が出され、5月7日の市長会、9日の町村長会で保留、7月17日に開かれた大阪府市長会においても、「行政が『同和地区』という呼称を使い続けるべきかといった基本認識を、市長会として確認することは慎重であるべき」として「『同和地区』呼称問題で『確認せず』『各市町村を拘束するものではない』」ことを決定しました。
 「要望書」のいうように、いつまでも「『同和、同和』と言われ続けなければならない」根拠はなくなりましたし、もはや「同和地区」は存在しません。
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 共産党市会議員団の先駆的役割 
 今大阪では、大阪市をはじめ府下自治体で「解同問題」に対する注目が広がっています。大阪市の飛鳥会事件、芦原病院問題、八尾市の丸尾事件など市民から大きな批判が巻き起こっています。これらは行政と癒着し、暴力により利権をほしいままにしてきた「解同問題」であり、部落問題解決とは何の関係もない暴力・利権集団の行政介入を排除する問題です。これは地方自治の根幹にかかわる民主主義の問題であり、住民自治の発展にとって不可欠の問題です。
 寝屋川市においても、不公正・乱脈な同和行政が長年にわたって続けられ、行政の主体性の放棄、解同いいなりの同和行政が行われ、事業の肥大化と一般施策にくらべて著しく水準の高い事業や施策が行われ、部落問題についての市民の理解と協力を妨げてきたことは周知の事実です。90年府実態調査では、勤め人のうち半数が公務員、健康状態は府下平均を上回る、高校進学率の格差なし、結婚の自由が広がるなど生活上の格差が大きく改善されてきたことが報告されています。すでにその時点で同和行政からの自立=人間としての自立をはかることが住民の課題になっていました。
しかし保育料は一般の十分の一、クリーンセンター第2事業所に年間多額の税金投入、多すぎる同和関連職員、解同の推薦なければ入居できない同和向け住宅、数多くの個人給付的事業などの不公正・乱脈な同和行政が続けられてきたのです。当時の市長は、「差別がある限り同和対策を続ける」などといって同和対策事業を半ば永久的に継続する姿勢を示していたのです。寝屋川市政のゆがみの根元である不公正・乱脈な同和行政の是正なしに部落問題の解決はありえません。
 共産党寝屋川市議団は、不公正・乱脈な同和行政の是正、同和行政の終結の先頭に立って一貫して奮闘してきました。共産党議員団は部落問題の解決にとってかけがえのない役割を果たしてきたのであり、それは寝屋川市政の歴史に燦然と輝いています。
「要望書」は、「確かに、今まで講じられた特別対策の中には、本来不要であったものもあったかもしれません」「行政に依存し、甘えの中での対策が講じられたかも知れません」「市民の税金を無駄に使ったのかも知れません」とのべていますが、その一方で「仮にそれが罪だと言うのであれば、どうすれば償えるのでしょうか」「我々の子や孫までその罪を背負わなければいけないのでしょうか」といって開き直っています。しかしながら、いま必要なことは二度と過ちを繰り返さない行政・解同(元幹部も含めて)・自治会の真摯な反省であり、決意の表明ではありませんか。

 住民のねがいを真に実現するために 
「部落」や「同和」を残してほしいという人は誰もいません。このいまわしい一切の呼称がなくなることこそ住民のねがいです。このねがいに応えるためには、つぎの3つの課題の実現をはかることです。
(1)「部落問題は基本的に解決した」という認識の市民的共有をはかることです。そのためには、「部落問題」に対する市民の自由な意見表明を保障しながら、理解を広めていくことです。口封じで理解が広まるものではありません。
(2)寝屋川市及び寝屋川市議会が同和行政を全面的に終結させる宣言を行うことです。
(3)行政と特定団体との癒着を断ち切り、行政の主体性と公平性を確立することです。いま問題になっている廃プラ処理施設建設などにおける解同系業者への「特別扱い」を取り止めることです。またその他、寝屋川市の行政施策における「特別扱い」を調べあげ、その一掃をはかるとともに、市民にあたたかい公平・公正な市政を確立することです。
これらの課題を達成してこそ、「要望書」が求める、「地区住民が、生まれた地を誇りに思えるよう、生まれた地を負い目に感じる事の無いよう、生まれた地を特別に意識する事の無いよう」というねがいが真に実現されると考えるものです。
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 8月17日付 朝日新聞より

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 特別扱い 同和事業を廃止した御代田町(長野)
  (8月31日 しんぶん赤旗より)

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 来年二月の大阪府知事選
  梅田章二弁護士に出馬要請

 「明るい民主大阪府政をつくる会」は八月二十九日、団体・地域代表者会議を開き、来年二月に迫った大阪知事選にむけて梅田章二弁護士(五六)に正式に出馬を要請することを確認しました。
 梅田氏は、前回の府知事選で同会から立候補。現在、大阪憲法会議副幹事長、日本国際法律家協会関西支部長、大阪弁護士会憲法委員会委員などを務め、自衛隊イラク派兵差止訴訟や原爆症認定訴訟の弁護団などで活躍しています。
 代表者会議では、梅田氏について「前回の知事候補としてわれわれの先頭に立って奮闘され、府民の良識を結集して五十万票を獲得し、府政革新への土台をきずく貢献をされた。しかも、この三年半、憲法擁護や世界平和の活動に精力を傾けられている評価は高い」と強調。数度にわたる要請の結果、梅田氏が立候補について前向きに検討を始めていることが報告され、すべての団体・地域からただちに激励と出馬要請をおこなうようよびかけました。
 「くらしと営業をまもり、府民が元気な大阪を」とよびかける府知事選にむけたアピール(案)を確認。同アピールを力に、すべての地域・団体で体制と方針を確立し、府政を語る宣伝や対話を広げることや府政を語るつどいを開催するなど、知事選勝利にむけた諸活動をただちにすすめていくことを確認しました。

 宅老所「和氣愛々」創立三周年記念 
 神戸、日帰り旅行を満喫

 9月4日で宅老所「和氣愛々」は3周年をむかえ、記念行事として、9月1日、2台の車に分乗して神戸への日帰り旅行にとりくみました。
 北野工房では手づくりのケーキやソフトクリームに舌づつみ、手すき和紙では、日ごろのちぎり絵教室で必要な和紙をえらび、お昼は中華街で食事、そしてハーバーランド、有馬温泉でお風呂に入浴、六甲山へと。何とも盛りだくさんな一日を利用者、職員、ボランティアら12人の目は、しんどさと楽しさでいっぱい。
 みやげもいっぱいもって長瀬へと帰ってきました。

部落問題研究所の講座
 「同和行政終結」へ参加を!
日 時 9月24日(月・休)午前10時〜午後4時
場 所 エル・おおさか(府立労働センター)
    中央区北浜東3−14  06−6942−0001 
参加費  1500円(当日会場)

  全体集会 午前10時〜12時 大ホール
   *記念講演*  
     「解同問題40年」 石川元也弁護士
  講 座1〜3 午後1時〜4時
    主 催:社団法人部落問題研究所