2007,8,15

2007.8.15 民権39号

39−1
 「確認せず」「各市町村を拘束するものではない」
  「同和地区」呼称問題 大阪府市長会(七月十七日)

 大阪府市長会は、同和対策特別法の終了後も「同和地区は存続し、同和行政は継続する」などとする見解を、市長会として確認しないことを決定しました。七月十七日開かれた市長会で、市長から「各市のとりくみに支障が出る」などの反対意見が大勢となったためです。
 この見解は、解同府連の要望を受けた府市長会・町村長会が大阪府と共同で、「『同和地区』の位置付け、呼称問題に関する研究会」を設置して「報告書案」としてまとめたもの。「報告書案」は「同和対策の法が失効しても同和地区は存在」「差別がある限り同和行政は継続」など解同の要求にそった内容となっていました。
 これにたいして、日本共産党大阪府議会議員団や、民主主義と人権を守る府民連合(「民権連」)、大阪労連、自治労連、大教組などが「同和行政、同和特権を永続化するもの」「部落問題は基本的に解決しており、行政が同和地区を固定化する重大な誤り」と批判、市長会として「報告書案」を確認しないよう求めて運動をすすめてきました。
 解同は、府下の自治体の一部が「法がなくなり同和地区はなくなったと混乱している」「地区を指定しなければ実態調査ができない」など、同和行政見直しの流れに強い危機感を持ち、市長会に確認を求めていました。
 
 同和行政の完全終結を求める大阪府民実行委員会ニュース

 二〇〇七年七月十八日    第三号
  事務局 ¨ 大阪自治労連

 「同和地区」呼称をめぐっては、5月定例市長会で複数の慎重意見が出され、承認が見送られ、議論が持ち越し・「保留」になっていました。
 「実行委員会」は、七月十日に府人権室への申し入れ・交渉と市長会、町村長会事務局に「要望書」を提出し、「同和地区」の復活・永続化をはかろうとする「報告書案」を確認せず、同和行政の是正と完全終結を図ることを求めました。
  二ページへつづく

39−2
 七月十七日、定例市長会が開催され、本日(七月十八日 十八時)まで市町村会事務局に「報告書案」の扱いについて再三問い合わせを行ってきましたが、そのたびに「会議中、打ち合わせ中」との返事で、(逃げているのか?!)埒あかずの状況です。
 そこで、今までに周辺から情報収集した内容をお知らせすることにします。
 〈七月定例市長会での「研究会・報告書案」の扱いについて〉
○報告書案の扱いが議題になった。
○原案に対して前回の摂津市長の発言をうけて、人権教育の部分が加筆修正された(→悪くなった)。
○三つの確認がされた
@研究会の報告を受けた。
A市長会として集約するものではない。
B各市町村を拘束するものではない。

 今後の対応に
  かかわって

 解放新聞大阪版(6/18)は、「『法が失効しても同和地区は存在』と明記した市長会・町村長会『報告書案』了承を」という主張を掲げ、「本質的な問題は市町が法律が失効した現在、『同和地区』をどう位置づけ、どう呼称するかということ」「同和地区を限定せずして同和行政はできない」とのべています。この点について「大阪同和帝国の正体」(宝島社)は、「解放同盟が要求するように、『同和地区』が復活すれば何が起こるのか。この40年近くにわたって続いてきた乱脈同和行政の実態がすべてを物語っている」と厳しく批判しています。     解同の主張は、部落問題とは何か、部落問題の解決とはいかなる状況をつくりだすことか、部落問題解決の到達点と残された課題は何か、という部落問題解決の本質的な問題での議論を巧妙にさけ、ただただ同和行政の永続化とそれにしがみつきたいという以外の何ものでもありません。いいかえれば、「同和地区を限定せずして解同利権は続けられない」ということでしょう。
 市長会が確認しなかったことは、乱脈同和、解同幹部の利権あさりなどに対する府民の批判の強さを証明したものです。今後は各自治体での対応になっていきます。解同と大阪府による府下の自治体への攻撃を許さない府民運動の強化が求められています。
 実行委員会では、「報告書」を確認しないとしたことの評価と今後の運動、学習集会の開催、「同和」をめぐる問題意識について等、意思確認をすすめ運動を展開していく予定です。

39−3
 「同和秘密調査」差止請求裁判
   原告・訴えの変更、求釈明書を提出

  訴 え の 変 更
 二〇〇七年七月二十日
    原告ら訴訟代理人

 原告らは、次の通り訴えの変更を申し立てる。
 訴え変更後の請求の趣旨

 主位的請求の趣旨
一 被告大阪府は、大阪府人権室に保管する旧同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料を廃棄せよ。
二 被告大阪府及び被告高槻市は、連帯して、原告番号一及び原告番号二の各原告に対して金百万円及びこれらに対する訴状送達の翌日である平成十八年五月三十一日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
三 被告大阪府及び被告東大阪市は、連帯して、原告番号三ないし原告番号十の各原告に対して金百万円及びこれらに対する訴状送達の翌日である平成十八年五月三十一日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
四 訴訟費用は、被告らの負担とする。との判決並びに第二項及び第三項について仮執行の宣言を求める。
 予備的請求の趣旨
 主位的請求の趣旨第一項につき
 被告大阪府は、大阪府人権室に保管する旧同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料のうち原告番号一及び原告番号二の住所地と原告番号三及び原告番号四の住所地と原告番号五及び原告番号六の住所所在地を含む対象地域部分を削除せよ。

 訴え変更後の請求の原因

 訴状及び第一〜第七準備書面における原告の主張は維持する。
 但し、原告らが被った精神的損害は大きく、各自、金百万円が相当である。被告らは国家賠償法により原告らの被った精神的損害を賠償すべきである

 求 釈 明 書 二〇〇七年七月二十日
    原告ら訴訟代理人

 被告らの主張に対する
 求釈明
一、被告らは、
 地対財特法が失効し、特別措置としての同和対策事業の前提となる、いわゆる「地区指定」はなくなり、特別対策事業は終了した(被告第四回準備書面八〜九ページ)と認めながらも、
大阪府人権室において、旧同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料は、保管を続けている(被告第一回準備書面十三ページ)としている。
(一)大阪府人権室が、同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料の保管を始めた時期はいつか、その時点における保管の根拠となる法律・条例はなにか
(二)平成一四年三月三十一日に地域改善対策特定事業にかかる国の財政上の特別措置に関する法律が失効したが、平成一四年四月一日以降も大阪府人権室が、旧同和対策事業対象地域の所在地名が記載された資料を保管する根拠となる法律・条例はなにか 
 (一)(二)を明らかにされたい。
二、被告らは、平成一四年四月一日以降も保管を続ける理由として
 同和問題は、被告大阪府として、解決しなければならない重要な課題であり、当該地域における課題の推移を把握し、施策の効果検証を行うなど同和問題の解決に向けた取組みを推進するうえで必要なものとして保有している(被告第一回準備書面十三ページ)としている。
 大阪府が、平成一四年三月三十一日に地域改善対策特定事業にかかる国の財政上の特別措置に関する法律が失効した後に、当該地域における課題の推移を把握し、施策の効果検証を行うとするのは、いかなる条例を根拠としているのか。
 当該条例をあきらかにされたい。

 次回公判は、九月十九日(水)午前十時 大阪地裁八○八号法廷です。

39−4
 「人権」で利権を狙う
    大阪府の同和事業の実態
 解同関係団体への補助金・委託金は法失効後もほとんど変わらず残されています。さらに「同和問題解決に活用できる一般施策」事例として一般施策の名による「同和枠」「同和優先」の事業をすすめています。


39−5
 すべての子どもにわかる授業を
 第33回大阪はぐるま研究集会

 第33回大阪はぐるま研究集会は8月6〜7日エル・おおさかで開催されました。基調提案をした村橋端氏は、はじめに、日本はアメリカにつぐ世界第2位の貧困率であり、「構造改革」路線のもとで所得格差が創り出されているとのべました。つづいて、はぐるま研の歴史は、全ての子どもに「わかる授業を」という戦後民主教育の原点に立って、学習指導要領と検定教科書に欠落している人権の観点を中軸とした教材の選択と実践をおこなってきたとのべ、さらに、「同和地区」呼称問題について、「残してほしいという人は誰もいない、いまわしい一切の呼称がなくなることこそ住民の一番の願いです」とのべました。
  特別報告として、田中康寛大教組教文部長が「憲法、子どもと教育をめぐる情勢、今後の展望」について報告しました。教育改悪3法の強行可決後、これまでの常識では考えられないような事柄が、各地で平然とおこなわれようとしていることを具体例をあげて紹介するとともに、安倍首相の直属機関である教育再生会議がオール教育関係者との矛盾を一層拡げていることをリアルに報告しました。そして「参加と共同の学校づくり」「憲法守れ」のゆるぎない多数派へ、これからが本番と力説しました。
 第一日目の午後と二日目の午前は、12の分科会に分かれて研究協議をおこないました。記念講演は「子どもたちへの応援歌ー自作を語るー」と題して児童文学作家 後藤竜二さんがおこないました。
 大阪市の同和施策の完全廃止を 求める学習・討論会
 
 八月八日、中之島中央公会堂において開かれました。
 角橋哲也さんからの問題提起「同和行政三十数年の評価と終結をめざずプログラム」につづき、@大阪市の同和行政見直しの現状と問題点、A情報公開請求によって判明した同和施策の実態、B「同和教育」の現状と問題点の報告の後、意見交換がおこなわれました。


  第4回 地域人権問題全国研究集会
憲法を暮らしに活かし、貧困解消へ
日 時・場 所
*第1日 全体会 10月13日(土) 開会 午後1時30分〜4時45分
      群馬音楽センター(高崎駅西口徒歩10分)
*第2日 第1〜4分科会 10月14日(日)開会 午前9時〜12時30分
参加費 4500円
記念対談 「憲法・人権・平和を語りあう」 
     長谷川正安氏(名古屋大学名誉教授)
     畑田 重夫氏(日本平和委員会代表理事)
   主催:全国地域人権運動総連合・第4回全国研究集会群馬県実行委員会

39−6
 大阪府人権意識調査の虚実 B
      石倉康次立命館大学教授

 学校での同和問題学習が解決の展望の確信につながっていない

 注目すべきは同和教育の成果を疑わせる次の点である。「結婚の際に反対される」ことを「近い将来、なくすことができると思いますか」という問の回答と、「同和問題を初めて知ったきっかけ」とのクロス集計を提供されたデータをもとに行ってみた(表7)。
 すると、同和問題について知ったのは「学校の授業で教わった」のが初めてと答えた人で、「なくすことは難しい」と答えた人の比率が最も高く出ている。学校での同和教育の機会を通じて、同和問題との出会いやその理解のあり方が、問題解決の展望と結びついた形でなされているのか疑問を抱かせる数値となっているのである。
 そこで、人権問題について、「勉強したり、読んだり、みたりしたもの」とのクロス集計もとってみた(表8)。
複数回答であるので大きな差異は出ないが、それでも「学校で使われている同和教育副読本にんげんを読んだことがある」を選択した人が、「なくすことは難しい」と答えた比率が三四・八%で他に比べて相対的に高くなっている。これも副読本「にんげん」に象徴される大阪府の同和教育の成果について反省を必要とする結果と言わざるを得ない。

39−7
 大阪市が公正な住宅行政へ一歩
  市民、民権連の粘り強い運動の成果

 大阪市は7月5日、例年おこなっている空家(公営住宅、459戸、改良住宅83戸)の入居を公募しました。この中に旧ふれあい人権住宅47戸も入っています。市民をはじめ民権連の粘り強い運動の成果です。
 長年、ふれあい人権住宅は、人権協会(解同)窓口一本化で一般の入居はありませんでした。最近は、中学校区あるいは行政区単位で公募するようになりましたが、今回、市全体でしかも一般と同じ基準で公募したことは、公正な住宅行政へ一歩前進です。また、同和問題解決にとって、住民の交流が求められているだけに貴重な成果です。
 しかし、まだ空家が73戸、貸し付け停止が1589戸もあります。なぜ貸し付け停止がこれだけあるのか精査する必要があります。そして、一日も早く全面的な公募をするよう求めていかなければなりません。
 大阪市は、昨年の芦原病院問題、飛鳥の小西問題など不正・腐敗が明るみになり、同和行政に対する市民の批判が高まる中、見直しを検討していましたが、住宅についてもやっと公募へと方針転換をしたものです。

 長瀬支部、盛大に第44回納涼盆おどり大会
   揃いの浴衣にハッピ姿
     老若男女が楽しい一夜

 猛暑がつづく8月5日、東大阪市内のハムコソ神社において、民権連長瀬支部と長瀬北地区盆おどり大会実行委員会の共催で第四十四回納涼盆おどり大会がおこなわれました。
 恒例となった盆おどり大会、大人・子ども一緒のジャンケン大会で盛りあがります。その後、天馬鈴若とその一味の江州音頭、河内音頭、子ども太鼓のリズムにのせて、揃いの浴衣やハッピ姿の踊り子さんや老若男女が入りみだれて踊りの輪も広がり、楽しい一夜を過ごしました。
 当日、忙しい日程をぬって長尾淳三市長が激励にかけつけてくれました。

39−8
 部落問題研究所の
    「同和行政の終結」に参加しましょう!

   1 日 時 9月24日(月・休日)午前10時〜4時
   2 場 所 エル・おおさか(府立労働センター 06−6942−0001)
   3 主 催 社団法人部落問題研究所  協力  協賛団体(大阪)