2006,5,15

 5月15日 民主と人権24号

24−1
 府教委が学力テストで同和実態調査
 保護者、大阪地裁に差し止め求め提訴

 大阪府教育委員会が二〇〇六年度学力テストを使って「同和問題」の実態を調査しようとしている問題で、高槻市と東大阪市の保護者十人が四月二十五日、大阪府、高槻市、東大阪市を相手取り、旧「同和地区」住所データの収集・活用の差し止めなどを求めて、大阪地裁に提訴しました。
 「学力テスト」は大阪市を除く小学六年生と中学三年生全員を対象に、今年四月から五月にかけて実施されました。その結果から旧「同和地区」児童・生徒の成績を抜き出して、他の地域と比較。二〇〇二年三月末で国の同和対策特別法が失効し地区指定も解除された下で、旧「同和地区」の児童・生徒かを特定する資料を府が作成・保有したり、成績を抽出することは重大な人権侵害・差別だと批判が高まっています。
 訴状では@旧「同和地域」の児童・生徒の調査データの収集・活用の差し止め、A旧「同和地域」の所在地名を記録した文書・電子データの廃棄、B原告各自への損害賠償を求めています。
 提訴後の記者会見で、父親の原告は「わが子は今日テストを受けているが、テストの目的や扱いについて学校から説明はない。長年、部落問題の解決へ運動してきた。法律もないのに子どもに『同和』のレッテルを貼られることに強い憤りを覚える」と訴えました。
 支援者を代表して大阪教職員組合の辻保夫委員長が「学力テストを利用した人権侵害は許されない。教育での新たな差別を生み出すもの」と強調しました。
 民主主義と人権を守る府民連合委員長 東 延 談話
 府教委が秘密裏に、「旧同和校」の管理職に対して、児童生徒の整理番号とともに全員の「住所データ」の作成を依頼し、その「住所データ」の中から「同和地域に居住している人」を特定し、比較検討に利用しようとしていることは、まさに府教委による「地名総鑑」づくりというべき、由々しき問題です。 
 私たちは、この調査が「対象地域」児童生徒を抽出する、許せない「差別調査」としてその実施に断固反対するものです。 
 {訴状(抜粋)を二〜四面に掲載。}

 次号、六月十五日付は、定期大会開催のため、発行が遅れますのでよろしくお願いします。

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 訴  状  (抜 粋)
 “平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態調査(平成十二年度)」対象地域に居住する児童生徒に係わる学力等実態調査把握”差止等請求事件
(略称 旧同和地区住所データの収集活用の差止め訴訟)

 二〇〇六年四月二十五日
原告訴訟代理人
   弁護士 石川元也
   弁護士 伊賀興一
   弁護士 藤木邦顕
   弁護士 井上直行
   弁護士 杉島幸生
   弁護士 井上洋子

大阪地方裁判所御中

 請求の趣旨
一 大阪府教育委員会は、“平成十八年度大阪府学力調査等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態調査(平成十二年)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”をしてはならない。

二 高槻市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、高槻市立富田小学校六年生全員の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。  
三 東大阪市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、東大阪市立長瀬北小学校六年生全員の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。  
四 東大阪市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、東大阪市立金岡中学校三年生全員の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。  
五 高槻市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、高槻市立富田小学校六年生である原告番号一の原告と原告番号二との間の子の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号一の原告の“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号二の原告の “児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。

六 東大阪市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、東大阪市立長瀬北小学校六年生である原告番号三の原告と原告番号四との間の子の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号三の原告の“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号四の原告の “児童生徒の保護者
 三面ページへつづく

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調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。

七 東大阪市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、東大阪市立長瀬北小学校六年生である原告番号五の原告と原告番号六との間の子の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号五の原告の“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号六の原告の “児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。

八 東大阪市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、東大阪市立長瀬北小学校六年生である原告番号七の原告と原告番号八との間の子の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号七の原告の“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号八の原告の “児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。

九  東大阪市教育委員会は、大阪府教育委員会に対し、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、東大阪市立金岡中学校三年生である原告番号九の原告と原告番号十との間の子の“児童生徒の学力実態調査データ”・“児童生徒の生活に関するアンケート調査データ”・“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号九の原告の“児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”及び原告番号十の原告の “児童生徒の保護者調査データ”・“住所データ”を提供してはならない。

十 大阪府教育委員会と大阪府人権室は、“平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”のために、原告ら及び原告らの子の住所データと「平成十二年度同和問題の解決に向けた実態調査」の対象地域(旧同和対策事業対象地域)の所在地名を突合せてはならない。

十一 大阪府人権室は、原告らの住所地にかかる旧同和対策事業対象地域の所在地名を記録した文書及び電子データを廃棄しなければならない。

十二 被告大阪府及び被告高槻市は、連帯して、原告番号一及び原告番号二の各原告に対して金一〇万円及びこれらに対する訴状送達の翌日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

十三 被告大阪府及び被告東大阪市は、連帯して原告番号三ないし原告番号十の各原告に対して金一〇万円及びこれらに対する訴状送達の翌日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

十四 訴訟費用は、被告らの負担とする。
 との判決並びに第十二項及び第十三項について仮執行の宣言を求める。 

 請求の原因

第三 “平成十八年度大阪府学力等実態調査を活用した「同和問題の解決に向けた実態把握(平成十二年度)」対象地域(旧同和対策事業対象地域)に居住する児童生徒に係わる学力等実態把握”の違法性

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一 人格権、自己情報のコントロール権の侵害
 本件では、まさしく、行政機関の手によって、旧同和地区に居住するという情報を、本人の同意を得ることなく、収集、利用、するというものであって、本人の自己情報のコントロール権の侵害もはなはだしい、本訴は、その差止め等を求めるものである。
 また、旧同和地区に居住するという事実をその居住する個人の特定のために、旧同和地区を校区に持つ小中学校の六年生児童と三年生生徒の住所データまで作成するというのであることはすでに指摘したとおりである。このような目的のために本人の同意を得ないで自己の住所データを学校が作成するということも、自己情報のコントロール権を著しく侵害する違法行為であることはいうまでもない。

二 社会的差別の原因となるおそれのある個人情報の収集
 上記のごとく個人情報の主要な情報というべき住所情報において、それが旧同和地区内であるか否かを突き合わせ、選別し、旧同和地区内に住所を持つ児童生徒のデータを作成するという旧同和把握作業は、それ自体いわれのない社会的差別の原因となる個人情報の収集である。まさに、この作業自体が官製の「部落民データ」作成作業というほかなく、当該個人の人格権を著しく侵害するものであり、その違法性は明白である。

三 政府方針に違反する旧同和把握
 政府は、一九六九年の同和対策審議会答申に基づき、約四十年にわたって同和特別対策を多額の予算を投じておこなってきた。政府は平成十四年三月末日をもって、こうした同和対策についての特別対策をおこない続けることがかえって同和地区の内外での逆差別を生み、新たな差別の要因ともなりかねないとの見解に立ち、特別対策を打ち切ることとし、その後残る事業があるとしても、一般施策を活用して進めるという方針に移行した。
 ところが大阪府教育委員会は、「地対財特法失効《平成十四年三月》により、いわゆる『地区指定』はなくなり、特別対策事業は終了したが、これにより、同和問題が解決した、あるいは、これまで特別措置としての同和対策事業を実施してきた同和地区はなくなったことを意味しない」「同和対策事業が終了した現在、同和教育主担者を配置してきた制度は終了したが、同和地区を校区に有する学校は存在している」「部落差別が現存する限り、同和問題解決のための施策の推進に努める」のが大阪府教育委員会の基本姿勢であるなどとして、政府方針に反する姿勢で、今回の旧同和把握をおこなうこととした。しかも、それは大阪府教育委員会が自主的、主体的に決定した方針ではなく、一民間運動団体である部落解放同盟に要求されて、要求されるがままに、「法切れ後の同推校の実態を把握していく」と約束し、その約束に従って今回の旧同和把握という大掛かりな作業をおこなうこととしたといういわくつきのものであって、その違法性は著しい。

四 特別な教育を行おうとするもので、教育の自由 侵害し・法の下の平等に反し教育委員会の権限を逸脱している
 更に、大阪府教育委員会は、本件の違法な旧同和把握をおこなうことは、すでに大阪府教育委員会が公表している「同和問題は今だ解決していない、同和問題解決のための教育を推進する」という見解を裏付けるために今回の旧同和把握を強行しようとするものである。これは、既述のように民間運動団体の要求に従ったという側面とともに、大阪府教育委員会としても教育基本法や学校教育法にに反し、「教育の現場に運動的観点を持ち込む」という重大な法違反をおこなうものである。
 それのみか、学校現場においては教育の自由を侵害し、旧同和地区に居住する児童生徒とそれ以外の生徒の間において「同和加配」の有無、多少という著しい差別を持ち込む根拠を作ろうとするに過ぎないのであって、その目的においてもなんらの正当性、合理性を持たない。
24−5
 朝日新聞 四月二十八日付より掲載

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 大阪市の責任極めて重大
 解同飛鳥支部小西邦彦支部長を逮捕
  同和事業(駐車場管理)で着服容疑 

 大阪市の外郭団体「大阪市開発公社」から管理委託されていた駐車場の収益の一部を着服していたとして、大阪府警捜査二課などは八日、業務上横領の疑いで、財団法人飛鳥会(東淀川区)の理事長小西邦彦容疑者を逮捕しました。
 小西容疑者は、解同飛鳥支部支部長も務めています。また、三菱東京UFJ銀行淡路支店の行員も現金の移し替えに関与したとして、業務上横領のほう助の疑いで逮捕しました。 調べでは、飛鳥会は同和対策事業の一環として市開発公社から淀川区にある西中島駐車場の管理業務を任されていましたが、小西容疑者は二〇〇三年十二月ごろ、同会名義の銀行口座にあった収益のうち一千万円を自分名義の口座に振り込み、横領した疑い。
 飛鳥会は、一九七一年に設立され、駐車場経営のほか、貸しビル業などもおこなっています。小西容疑者は設立時から理事長を務めています。

 日本共産党大阪市議団 下田敏人団長の談話
 小西邦彦容疑者の逮捕は、遅きに失したとはいえ、「同和」利権の温床にメスを入れる点では大きな前進と言うことができる。これまで、わが党議員団は、この横領容疑の元となった西中島駐車場の問題は、七四年の開業当初から、これが乱脈な同和行政の典型であると同時に、なによりも暴力団の資金源となる恐れが強いとして、一貫してその是正を求めてきた。
 今回の逮捕は、わが党の主張の正しさを証明するとともに、長年にわたって、ゆがんだ同和行政を続けてきた大阪市当局の責任が極めて重大であることを明らかにした。
 日本共産党大阪市議団は、引き続き市当局の責任追及はもとより、同和利権の一掃、同和行政の廃止をめざして奮闘するものである。

府学力等実態調査で個人情報保護審議会
 和泉市、「条例に抵触の恐れ」
 吹田市、「諮問に同意できない」

 和泉市
 和泉市教育委員会から「同和問題の解決に向けた実態調査」の「対象地域」(旧同和地区)を校区に有する小・中学校から、住所データ等を府教委に提出することについて諮問されていた和泉市個人情報保護審議会は四月二十日、「個人情報の取扱いに関する意見について」(答申)を出しました。
 答申は、「住所データ」および「学力調査データ」の外部提供について、その公益性を否定するものではないが、「保護者データ」の調査対象者に外部提供を含む収集目的を説明せずに調査を実施することは和泉市個人情報保護条例第八条第一項に抵触するおそれがあると判断せざるをえない、としています。

 吹田市
 吹田市教育委員会が三月二十八日、吹田市個人情報保護審議会会長に「個人情報の保護について」(諮問)、「同和問題の解決に向けた実態把握」(大阪府学力等実態調査を活用した実態把握)について、五月八日の個人情報審議会において、「同意できない」との答申が出されました。

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 芦原病院への貸付金、補助金違法支出問題で市民ら
  大阪市長を検察庁へ刑事告発

 大阪市が長年にわたって解同系の民間病院「芦原病院」(大阪市浪速区)に多額の貸付金と補助金を違法に支出していたとされる問題で、前大阪市議の姫野浄氏とおおさか市民ネットワーク代表の藤永延代氏は四月二十四日、関淳一大阪市長、磯村隆文前市長、芦原病院を運営する浪速医療生活協同組合の中逵谷守理事長ら五人を背任の疑いで大阪地検特捜部に刑事告発しました。
 大阪市が芦原病院に貸し付けた百三十億円は何の担保もなく、一円も返済されていません。また、補助金百九十億円の一部に、医療機器購入の水増しや架空請求の疑惑が浮かび上がっています。
 告発状によると、関市長らは、返済を受ける見込みのないことが明らかなのに貸付金名目で、二〇〇一年以降九億五千九百万円を提供し、大阪市に損害を与えたとしています。
 また、医療機器購入の予定も事実もないことを知りながら補助金を二〇〇三年以降一億三千二百万円交付したとしています。
 告発後、記者会見した藤永氏は、「市民向けの予算が削られるなか、不当な税金の使われ方に黙っているのは罪だと思って告発した」と述べました。姫野氏は、「芦原病院問題は乱脈同和の典型」と指摘し、「検察庁にお願いしたいのは、一番の責任者を見逃すことのないようにしてほしいことだ」と語りました。

 第十四回「春のこどもカーニバル」
 お猿の多彩な芸にあふれる笑顔

 四月二十四日、第十四回「春のこどもカーニバル」が箕面市のとどろ淵公園において開催され、一〇〇〇人を超える親子が参加しました。
 早朝の小雨に実行委員会に問い合わせがたくさんありましたが、開始時間の午前十時前には雨もやみ、バルーンアート、吹奏楽演奏、自転車病院、彫金、ペンギンのフワフワバルーン、手作りにと春の一日を楽しみました。
 猿回しでは、猿と猿回しの息のあった芸に大きな拍手が鳴り響きました。
 民権連第3回定期大会
と き 6月11日(日)
     午後1:30〜4:30
ところ ホテルアウイーナ大阪
    (近鉄上六駅、下鉄谷町線谷九駅下車)
記念講演(予定)
  北出裕士氏「ろくな者じゃの会」代表
   大阪弁護士会人権賞を受賞
特別報告 学力調査問題
  
  民主主義と人権を守る府民連合
    (06)6568−2031

24−8
 大阪市が文書回答 (下)

 二ーI 一般対策の名による特別対策をすべて廃止すること。
回答 平成十三年度末の「地対財特法」の期限切れに先立ち、法期限後の同和行政のあり方について、大阪市同和対策促進協議会から意見具申をいただいた。 本市としては、この意見具申を尊重し、法期限をもって特別措置としての同和対策事業は基本的に廃止した。法期限後の施策の方向として、一般施策により同和問題の解決を目指すこととしている。
 
二ーJ 同和関係団体への補助金を廃止すること。
回答 同和関係団体への補助金は、執行しておりません。

三ー@ 部落問題解決とはいかなる状況を作り出すことか、そのために行政の果たすべき役割をあきらかにすること。
回答 平成十三年十月、意見具申において、基本的な施策の方向として、「法期限後の同和問題の解決に向けた施策は、結婚や就職等に現れる根深い差別意識の解消に向けた人権教育・啓発の推進、人権侵害の救済について実効性のある施策の推進や、実態調査の結果に現れたさまざまな課題の解決に向けた取組を財政状況を考慮しながらこれまでの成果を損なうことなく円滑に進めることである。さらに、社会の仕組みの変化が新たな較差や差別を生み出さないためにも、現代社会の抱える諸問題に対して、さまざまな行政上の課題を持った市民の自立と自己実現を支援するという視点に立って、一般施策に工夫を加え、より有機的・効果的な施策を推進していくことが必要である。」と示されている。意見具申に基づき、市民一人ひとりの人権が尊重される社会の実現めざして、施策を推進していく。

三ーA 行政の価値観を市民に押しつける「教育・啓発」を行わないこと。
回答 本市における市民啓発の具体的な実施にあたっては、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」を踏まえて策定した「大阪市人権教育・啓発推進計画」(平成十七年四月)に基づき、学習情報の総合的な提供、学習の場・機会の充実など効果的な取り組みに努めている。今後とも、すべての人の人権が尊重される社会の実現めざして人権教育・啓発を進めていく。

三ーB 「確認・糾弾」行為、エセ同和行為を社会的に排除すること。
回答 確認・糾弾については、法務省権管第二八〇号の通知により法務省人権擁護局の見解がでている。自由な意見交換ができる環境づくりに努めるべきであると認識している。
「えせ同和行為」はこれまでなされた啓発活動の効果を一挙にくつがえし、同和問題に対する謝った意識を植え付ける大きな原因となっている。「えせ同和行為」排除に関する啓発ビデオ等を活用し、啓発活動に強めるとともに、法務省等関係機関と連携し、「えせ同和行為」排除の取り組みを推進にしていく。

三ーC 同和・人権問題の認識をゆがめる「教育必携 人権教育推進編」「自己実現をめざす子どもを育てるために」「人権教育をすすめるためにー学校園における人権教育推進のための事例集ー」の三文書の配布を行わないこと。
回答 教育委員会では、平成十一年八月に、「人権教育基本方針」を策定し、人権教育・啓発を総合的に推進するための基本的な考え方を明らかにしている。また、「自己実現をめざす子どもを育てるために」は、人権教育・啓発の推進をめざし、すべての幼児・児童・生徒に問題解決への力を育み、自己実現をかなえる教育内容の創造をめざした具体的な実践事例集を示している。「教育必携 人権教育推進編」「人権教育をすすめるためにー学校園における人権教育のための事例集ー」は、各校園において、研修・研究のために必要な基本的な資料や教材を収集し、作成したものである。