2006.3.15

民権22号 3月15日
22−1

 人権侵害は許せない「学習懇談会」
  府と府教委が学力テストで「同和地区調査」 
 大阪府教育委員会が、学力テスト(大阪市内をのぞく)をつかって、旧「同和地区」の児童生徒を秘密裏にぬきだし、「同和問題の実態調査」をしようとしている問題で二月二十三日、大阪市内で「学習・懇談会」が開かれ、約百人の府民が参加しました。
 「学習・懇談会」は民主主義と人権を守る府民連合(民権連)、大阪教職員組合(大教組)、日本共産党府議団、の三団体が呼びかけたものです。
 学力テストは小学六年生と中学三年生全員を対象に四月から五月にかけて実施するとしています。
 呼びかけ団体を代表して民権連の東延委員長が、「調査は、同和の利権・特権を温存したい『解同』はじめ特定団体の要求にこたえるものだ」と訴えました。
 大教組からは田中康寛教育文化部長が、「個人情報保護法に違反する。学力保障のための学力テストが、同和実態調査として行われ、まったくちがったものになる」と指摘。中止・撤回を求めているとのべました。
 民権連からは谷口正暁書記長が、「同和地区」が実態としてすでに瓦解・消滅していることを府二〇〇〇年調査にもとづいて報告。「調査しても同和問題の課題など出てこない。『同和』の垣根からようやく解放されたのに新たに部落民の烙印(らくいん)を押すというのは人権侵害だ。府と府教委による『地名総鑑』・『部落民リスト』づくりであり、調査の目的が、府と府教委による解同一部幹部の要求に応える『行政課題』づくり、新たな『差別』づくりにあることは明らか」と批判しました。
 共産党府議団からは阿部誠行幹事長が、国の特別対策が終了した後も太田府政が「人権」の名で事業を続けていることを報告しました。
 会場から、伊賀興一弁護士が調査の違法性について発言(四・五面に発言要旨)。最後に、共産党府議団の宮原たけし団長が閉会あいさつと決意をのべました。

22−2
 「地名総鑑」づくりというべき
      府教委の「学力調査」に反対する
         民主主義と人権を守る府民連合 

 調査「活用」し「同和実態調査」
 すでにマスコミ等でも報道されているように、大阪府教育委員会は、本年四月から五月にかけて、府内のすべての小学生六年生と中学生三年生を対象に、国語、算数、数学、英語(中三のみ)の「学力調査」、学校や家庭生活についての「生活調査」を実施するとしています。また、府が指定する一〇%程度の学校および児童生徒支援加配校には、「学力調査」や「生活調査」だけでなく、保護者の教育や子育てに関する意識を問う「保護者調査」、学校の実情や取り組みを問う「学校調査」も行うとしています。
 しかし、この間、この調査を「活用」する形で、「同和問題の実態調査」を実施しようとしていることが明らかになりました。許せないことに、府教委は秘密裏に、「旧同和校」の管理職に対して、児童生徒の整理番号とともに全員の「住所」データの作成を依頼し、その「住所」データの中から「同和地域に居住している人」を特定し、比較検討に利用しようとしていることです。これはまさに府教委による「地名総鑑」づくりというべき、由々しき問題です。この調査を認めてきた太田府政のあり方そのものが問われます。
 わたしたちは、この調査が「対象地域」児童生徒を抽出する、許せない「差別調査」として、その実施に反対するものです。
 
 「対象地域」は旧同和地区
 第一に、府教委が市町教育委員会に、「対象地域」を校区に有する小中学校からの「住所」データ提出を依頼し、市町教育委員会が市町が有する「対象地域」データをもとに、対象小中学校に「住所」データ作成依頼し、「対象地域」を校区に有する小中学校が対象校対象学年の「住所」データを作成するとしています。
 そして「対象地域」に居住する児童生徒の整理番号を、府企画調整部人権室保有の「所在地名」と「住所」データの突合により、児童生徒が「対象地域」に居住しているという個人情報を収集するという問題です。
 ではこの「対象地域」とは何でしょう。府教委は「同和問題の解決に向けた実態等調査(平成十二年度)対象地域に居住する児童生徒」を調査対象といいます。しかしこんな言い分が通るでしょうか。ご承知のように国の同和特別法は二〇〇二年(平成十四年)三月末で失効し、行政施策の対象地域としての「同和地区」は今日、存在しません。法失効にともない府人権室保有の「所在地名」は当然廃棄・消去されるべきものであり、府教委への提供は許されることではありません。 府教委は、同和問題の解決に向けた調査だから問題はない、府個人情報保護条例審議会が問題ないと言っている、調査は秘密裏におこない、集めたデータは廃棄するのだから問題はない、などと言っています。しかし府民に公にできない調査や廃棄しなければならないようなデータならば、なおさら集めるべきではありません。          三ページにつづく

22−3
 「対象地域」の実体はすでに瓦解・消滅
 第二に、府教委のいう「同和問題の解決に向けた実態等調査」という目的・必要性はこの調査では実現不可能だということです。なぜなら「対象地域」としての実体はすでに瓦解・消滅しているからです。二〇〇〇年大阪府実態等調査によれば、一九九一年から二〇〇〇年の間に二万四九四一人が転出し、八七九四人人が転入しています。すなわち地域の約三分の一が入れ替わり、なかでも三〇歳〜四〇歳代の高学歴層や高所得層が多く転出していることです。しかも、その地域で生まれ、ずっとその地域で暮らしている人は三二・〇%、来住者は六七・八%にのぼり、地域住民の三分の二は来住者となっています。そして来住者の五四・二%は現在の地域以外で生まれ、前住所地も「同和地区」でなかった人たちです。このようにもう三〇年、四〇年前の「同和地区」ではないのです。したがって府教委のいう「対象地域」をいくら調査しても、「同和問題の課題」は明らかになりません。

  承諾なしに秘密裏に調査
 第三に、対象とされる児童生徒や保護者の思いです。法が失効し、ようやく「同和」の垣根から解放されたと喜んだのに、いつまで大阪府や府教委から「対象地域」「対象地域住民」として把握されるのか、親や子どもの承諾もなしに秘密裏に調査され使われる、そんな理不尽なことが許されるのかという怒りです。これこそ重大な人権侵害ではありませんか。

  目的は新たな「差別」づくり
 第四に、「児童生徒支援加配」についてです。法失効にともない「同和加配」「不登校加配」「いじめ・問題行動加配」の三つが統合されて「児童生徒支援加配」になりました。この「児童生徒支援加配」は、地域を限定しない教育困難校にかかわる加配です。例えば二〇〇五年度(平成十七年)の東大阪市立中学校での「児童生徒支援加配」は十一校十九名であり、このうち二校七名が「旧同和校」への加配、寝屋川市立小学校では八校十一名のうち二校三名となっています。それ以外はいわゆる「一般校」への加配です。この「児童生徒支援加配校」から「旧同和校」を取り出して比較・分析の対象とするのです。
 今回の調査の目的が、大阪府と府教委による解同一部幹部の要求に応える「行政課題」づくり、新たな「差別」づくりにあることは明らかなことでしょう。
 
 大阪府人権協会による
  人権侵害が発覚!

 今回、府教委は二〇〇三年調査で、大阪府人権協会に判定させていたことを明らかにしました。
 これは府人権協会による人権侵害そのものです。

22−4
 伊賀興一弁護士発言(要旨)
  「学力調査」の違法性について
 大阪府個人情報保護条例のポイントは前文にあります。三行目に「自ら実効的にコントロールできるようにする」、つまり自己情報のコントロール権を保障するというところが、この条例の根幹にあたる部分になります。今回の調査は、個人情報の実効的なコントロール権をこの条例をつかって侵害しようとするというのが本質ではないかと思います。
 この条例の第七条三項(六)、ここで本人から収集する原則の例外の項目があります。大阪府個人情報保護審議会の意見を聞いたら何でもできるのかという構造的な弱点がありますが、さらにその中身を見てみると本人から収集することが目的の達成に支障を生じる、本人から収集することで円滑な実施を困難にするおそれがある、まさに元の同和地区住民に「あんた元の同和地区の住民か」というようなことを聞くこと自身が許されないのに、本人から聞くことではちゃんと聞けないだろう、情報がちゃんと集められないだろうというふうに、ここで個人情報に対する位置づけがまちがっていることが条例自身が示しています。
 次の五項「実施機関は、次に掲げる個人情報を収集してはならない。」どんなものかというと(一)思想、信仰、信条その他の心身に関する基本的な個人情報(二)社会的差別の原因となるおそれのある個人情報。「旧部落だ」とか「元々部落だ」とか「今でも部落だ」とか、そんなことを集めること自身が、この個人情報保護条例から許されないということが読み取れます。ところが五項の本文但し書きで、「個人情報取扱事務の目的を達成するために」、この個人情報取扱事務というのは、教育委員会が定める今回の「個人情報取扱事務について」という文書にあたります。
 大阪府教育委員会の定める取扱事務の目的とは何かというと、この目的は同和問題は解決していないという命題を明らかにすることです。
 同和問題が解決していないという意見を持つ人がいるのは勝手ですが、そういう命題を証明するための個人情報取扱事務だというふうになっています。しかもそれが当該個人情報が必要である、なんで差別の原因となる個人情報を集めることが必要な事務というのがあるんでしょう。またそれが無ければ、個人情報取扱事務ができないというのはどういうことか。この条例の条文から当たっていくとまさに今回は第七条五項(一)(二)にずばりそのものの情報を、同和問題は解決していないということを明らかにする目的で、本人から集められないから他人がその情報を提供する、それがこの個人情報保護条例によって許されるか、という議論だと思います。
 キーワードは、対象地域、対象地域に居住する児童生徒の住所情報、もちろん名前も入る、しかも対象地域というのは、平成十二年の対象地域をさしています。こんなものが、個人情報保護条例にもとづいて行政が勝手に行政に対して出そうとする。そしてそれを本人の知らない所で使われようとする問題であると思います。 
五ぺーじにつづく

22−5
 その違法性の問題についての私の意見を述べたいと思います。同和問題が未だに解決していないという見解は、知事であれ教育長であれ個人としてはご自由かもわかりません。しかし政府の見解は公に出されています。
 同和問題は未だ解決していないという命題を証明するために公費を使って同和地区対象の学力調査というのが許されるのかというと、第一に、政府の方針に真っ向から反対する教育行政が許されるかということ。もちろん政府の方針にすべて従属する義務はないという教育の独自性、自主性、自由というものがあります。しかし同和問題についての政府方針は、すでに明確に確立をしています。特別扱いはしないということです。この政府方針を明らかに拒否し反していることは国民の前に明らかにするべき事実です。
 二つ目に、今回の条例の扱い方は、特別な教育をおこなう根拠をつくろうとするものであることも明らかです。これは法の下の平等に反する教育をおこなうということにつながります。旧同和地区の子どもにとってはそれは法の下の平等に反するものです。特別な扱いを受けることがプラスされるので、恩恵を受ける行政であるなら法の下の平等に反しないのではないかという反論がありえます。「あの人だけにプラスするんやからええやんか」。
 しかし政府の方針は、そういう特別の個人給付や個人的な手当をすることは法としては終了する。それ以上に特別扱いすることは新しい差別を生む要因になるとまで政府の文書は明記しています。つまり今回の同和特殊教育をやる根拠を示そうというのは私から見れば、同和地区住民に「まだお前らは差別を受ける対象でおりなさい」というふうに言われる。同和地区外の住民からすれば「お前らには特別な扱いはしない、逆に差別してやる」。本来平等であるべき教育に法の下の平等に反する特殊教育を導入しようとするもので、そういう点で違法性があるものと言わざるをえません。
 三つ目は、教育の自由に対する侵害になるのではないか。今回の学力実態調査というのは明らかに旧同和地区の児童生徒に対して特別の教育を導入するための準備と言わざるをえません。そうだとすると、それをする人とされる人とそれから排除される人と、それぞれが教育の自由を侵害されたという意識を持つべきだろうし、そこを見のがしてはならないのではないか、と感じています。
 これらの本質的な点からいうと、違法性は明らかにあります。この本質は人権教育・人権行政というものの反人権性とのたたかいでもあると思います。

 「弓矢人権裁判」控訴審判決
と き 3月20日(月)午後1時30分
ところ 名古屋高裁・民事第2部
集 合 昼12時30分 名古屋高裁東側
     (傍聴抽選は午後1時)
  *三重県と解同による同和偏向教育をただす
   控訴審もいよいよ判決をむかえます。
  勝利判決に向け一人でも多くの傍聴参加を
    お願いします。
     「弓矢先生を支援する会」 

22−6
 二月二十五日付
  朝日新聞より掲載

22−7
 「人権教育をひらく同和教育への招待」を切る (その九)
                亀 谷 義 富

 地域の代表は解同である という刷り込み
 第八章が「地域と結ぶ教育改革運動」と題された章である。二百頁に・・「保育を守る会」という保護者組織がつくられていった。やがてその動きは、「教育を守る会」という小学校や中学校や高校の保護者組織の結成にもつながっていったとある。これらの組織は、すべて解同の下部組織なのだ。これらの組織に加入して、会費を支払い、奨学金などの個人給付額の五%を解同に支払わなければ、保育所に入所できず、奨学金などの個人給付は受けられなかったのだ。これは、解同の支部長が認めたものだけを、保育所に入所させる、奨学金を受給させるという、窓口一本化なる差別行政が行われたことによる。こういった人権侵害行政が解同と共になされてきたことには一切ふれていないのだ。

 青少年会館の典型的私物化、解放子ども会
 二百一頁から、部落解放子ども会と青少年会館の関係について触れている。この子ども会ももちろん解同の下部組織の子ども会のことである。子ども会の活動も、部落解放運動の後継者養成、学童保育的側面、学力補充的側面、文化・社会教育的側面の機能を担うよう拡充されていったとある。

 部落解放運動の後継者養 成と言って何をしたのか
 狭山闘争と称して、毎年、狭山裁判の判決日には、子どもたちにゼッケンを付けさせて、解同の役員を先頭に、学校の教員まで同行させて、デモしながら集団登校させる、そして児童朝礼を開かせ狭山差別裁判判決糾弾の集会に換えさせることまでさせたのである。
 
 学童保育的側面と言って 何をしたのか
 部落解放子ども会に加入している児童だけを青少年センターで学童保育したのである。学童保育が必要な保護者がどんなにいようとも、解同関係者の子どもしか学童保育を受けられなかったのである。

 学力補充的側面と言って何をしたのか
 これは、毎日のように、小学校、中学校の教員を青少年会館にこさせて、解同下部組織の解放子ども会、中学解放友の会に加入している児童生徒にだけ塾を開かせたのである。教員には参加を強要し、拒否する教員には差別者というレッテルまではったのである。参加した教員にはアルバイト代が公費で支給されたのである。つい最近まで、泉佐野市では、中間、期末テスト前になると、当該中学校教員が学力補充教室でテスト内容を中学友の会の中学生に教えることまでしていたのである。

 文化・社会教育的側面と言って何をしたのか
 部落解放という名を冠して、公費、補助金をぶんどって、各種文化行事を行ったのである。つい最近まで、泉南市では、解同が部落解放地蔵盆踊りという名称で公費と補助金をぶんどって、解同関係者による盆踊り大会を開催していたのだ。そもそも、盆踊りというのは、各地域に住む住民が寄付を集め、持ち寄り行うものなのだ。税金による補助金をもとにして行う盆踊り大会なるものなど聞いたことがない。税金ぶん取りができなくなると中止になったのはいうまでもない。二百十頁からは、地域教育システムの構築に向けてといって、解同主導の教育システム作りを構築しようとしている。ここで言われている地域の代表者にだれが想定されているかが問題なのである。二一五頁に・・推進の拠点となるのは、学校、PTA、子ども会、自治会、老人会、地域教育関係者などによって組織される「地域教育協議会」である。とあるが、この章を読むと、解同、解同下部組織、解同関係者による教育コミュニティ作りではないかと言わざるをえないのである。
22−8
 「一円でも税金が戻ってくるように」
  消費税は生存権をおびやかすー税金相談会

大 阪 市 協
 大阪市協は二月十二日、会員を中心に「税金・記帳相談会」を開き八人が参加しました。
 消費税の納税義務を免除する条件を、年間売上げ三千万円以下から一千万円以下に引き下げた消費税改悪され、二〇〇三年の課税売上げが超えていれば、今年は消費税の申告をしなければならない。
 税務署は「赤字申告となるような場合でも、消費税は納税していただく」と強気の姿勢。消費税は中小業者の「生存権」をおびやかす税金です。営業とくらしを守るために、消費税の増税阻止、廃止を求める運動を強めていこうと、いまの政府の弱者イジメ策を明らかにした説明のあと、個々の相談に入りました。
 金属回収業者のAさん、「今年、鉄が値上がりして金額は大きく張るが儲けは以前と全く変わらないのに、消費税を払わなければならないなんて、…」と不満をもらしながら計算している。
 ある業者は、「新聞やテレビでは景気のよい話ばかり云うが、うちら売り上げも伸びへんどころかじり貧や」とぼやいていました。

 長 瀬 支 部
 長瀬支部は三月七日、「税金相談会」を昼と夜の二回、事務所にて開きました。昼は布施民商の協力をえて所得税の確定申告。夜は市民税申告の相談をおこないました。
 相談者は、「この一年、仕事がなく売り上げががた減りで大変」「少ない年金から税金とって無茶や。家賃や国保料も上がって年寄りは早く死ねというのか」「小泉内閣になって取られてばかりや、一円でも返してもらわな損や」と、控除項目と領収書を突き合わせて記入していました。
 全国重税反対統一行動(申告書提出)の三月十三日、税務署に全国の仲間と一つになって、“中小業者つぶしの大増税やめろ”の声を届けました。

 解同浪速支部
人権文化センターから出る

 二月一日、部落解放同盟浪速支部が支部事務所を浪速人権文化センターからJR環状線芦原橋駅ガード下へ移しました。
 解同浪速支部は、当初、賃料を免除されていましたが、大阪市が二〇〇〇年に解放会館を一般利用施設に切り替え、人権文化センターへと名称を変更した後、規定の賃料を二分の一に減免する優遇措置を受けていました。
 地域の住民の間では、「賃料を滞納したため人権文化センターから出された」「解同浪速支部ももう終わりやな」などとささやかれています。