12月15日 民権 第19号

19−1
  タダで行かせてるから、簡単に退学してしまう
  知事・教育長に井村委員の罷免を申し入れ

 大阪府教育委員会は、十一月十四日に開催した教育委員会会議において、「新たな府立高等学校等授業料減免制度について」審議し、四割もの授業料の減免対象者を切り捨てる重大な改悪を強行しました。その際、井村雅代大阪府教育委員は、極めて重大な発言をおこないました。
○「(大阪の授業料減免の基準が)ゆるくて中途退学率が高いのは許せない。人間が自分のお金を使うときは価値ある使い方をする。教育のために(自分で)お金をかけるのが大切。タダで行かせているから、親も退学するときに休んでも何でもないような、だから簡単に退学してしまう。」「『タダや』ですまされたら、許せない。」
○「(家計に)無理をして学校に行かせたら、一生懸命勉強する。勉強の機会を無償で提供したからと言って、勉強するかと言えばそうではない。勉強するときは、自分で払って、払ったからとって帰ろうと考える。こういうのも正論としてある。」
○「勉強する機会をもらっていることに感謝してもらいたい。」「この制度を権利として捉えるのではなく、サポートしてくれている。それに感謝してほしいと思う。」
 井村氏は、二〇〇三年八月の教育委員会議において、夜間定時制高校の統廃合について審議された際にも、「学習の場を保障することと甘やかしは大きな違い。…何もみんな、挫折した子への愛の手の固まりは要らないと思う」という許しがたい人権侵害の発言をしています。
 今回の発言も、減免制度そのものが教育をゆがめるものであるかのように減免制度を批判しており、感謝すべきは恩恵だとのべているのです。
 こうした不見識な発言をくり返している井村氏は、教育委員として不適格であり、その資格がないことは明白です。こうした人物を教育委員として再任してきた大阪府知事の任命責任も厳しく問われなければなりません。
 いうまでもなく憲法は、すべての国民に対し、「教育を受ける権利」(二六条)を保障することを明記しています。その憲法をうけた教育基本法は、「教育の機会均等」(三条)の大原則を定め、教育行政の責任を「必要な諸条件の整備確立を目標として行わなければならない」(十条)としています。また、国連「経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会」は二〇〇一年、国連人権規約の「中等教育・高等教育の無償の斬新的な導入」を定めた条項を日本政府が保留していることに対し、その撤回を求める勧告をおこなうなど、高等教育まで含む教育費の無償化が世界の大きな流れとなっています。今回の発言は、これらのすべてに反する重大問題です。
 民権連は、今回の事態を重視し十一月三十日に、知事と教育長に井村委員の罷免を申し入れました。


19−2
 ろくな者じゃの会
 寝袋くばり七年に、ホームレス大助かり
   大阪弁護士会から「人権賞」

 大阪市内のホームレスの人たちに七年にわたり寝袋を約三七〇〇個を配ってきた「ろくな者じゃの会」が、大阪弁護士会の第五回「人権賞」を受賞しました。
 同賞は、社会の隅々で広く人権擁護活動をしている個人・グループに与えられます。ことしは同会と、社会福祉法人聖フランシスコ会「ふるさとの家」が十二月二日選ばれ、それぞれに記念品、副賞十五万円が授与されました。
 「ろくな者じゃの会」代表世話人の北出裕士さんは、受賞を喜ぶとともに、「配布活動に参加された方、寄贈された方、カンパをしてくださった方、いろんな形で支えていただいた方々に深く感謝し栄誉を分かち合いたい。また副賞のお金でたくさんの寝袋が購入できます。」と喜びを語っていました。
 北出さんは七年前、寒空の下で寝ているホームレスのお年寄りに寝袋を提供したところ、非常に喜ばれたことから、冬場の凍死防止のために寝袋を配布する活動を始めました。活動日は毎年十二月から三月まで年末年始をのぞく毎水曜日の夜、午後七時半に中央区粉川町の事務所に集まって、一人四個の寝袋を持ち、北は中崎町から南は四天王寺界隈までを二〜三時間かけて配布にまわります。
 「会」では、「ホームレスは失業者という認識が大事です」との確認のもと、「こんばんわ。私たちボランテェアで寝袋を配っています。使ってもらえますか」と相手の人権に配慮した声かけに、一瞬緊張した顔が「えっ、貰ってもええの。ほんまに助かるわ」と喜ばれます。今月も七日、十四日と配りに歩いています。二十一日は夜、二十三日は昼一時に集合して配る予定です。
 最後に北出さんは、「私たちの『寝袋配布活動』は暖かくなれば終わりますが、こんな異常事態が一日も早くなくなるように祈らざるを得ません。いらない寝袋があれば送ってください。そして寝袋くばりのボランテェアにも参加してください。そしてカンパの協力も」と呼びかけています。
 民権連も昨年から、このとりくみに参加しています。

 問い合わせは、〇六(六七六八)〇四五四、GU企画内「ろくな者じゃの会」まで。 
 郵便振替口座
 〇〇九七〇ー四ー二六七一五八 「ろくな者じゃの会」

大阪憲法会議・共同センター
 06新春学習決起集会
と き 1月28日(土)午後1:30〜16:00
ところ 北区・区民センター
    (JR環状線「天満駅」、地下鉄堺筋線「扇町」下車すぐ)
講 演 渡辺治 氏(一ツ橋大学大学院教授)
    「憲法問題を縦横に語る」 
     憲法問題の真髄を学びあい、06年の運動を力強くひろげましょう
  主 催:大阪憲法会議・共同センター
           TEL 06−6352−2923

19−3
 各市町村長 様            
「行政データを活用した実態把握について」の申し入れ 
  二〇〇五年十一月二十六日
     民主主義と人権を守る府民連合

 本年十一月二十五日、大阪府企画調整部長による「同和問題の解決に向けた実態把握について」が示され、「行政データを活用した実態把握について」の概要が示されました。この調査は、旧同和対策事業対象地域を対象に、府及び市町村が保有するデータを活用し、旧同和対策事業対象地域に係る数値を集計し、平成十二年度の調査結果や府域全域・市町村全域のデータと比較・分析するとして、大阪府五項目、市町村十八項目の実施項目をあげています。しかしこの調査が、大阪府による特定の地域・府民に対する人権侵害の調査であることを大阪府自身も充分に認識しているものと考えられます。従って貴自治体におかれましては、こうした調査への協力を控えて下さるよう申し入れるものです。
 
 第一に、「個人情報取扱上の留意事項について」の「個人情報保護の徹底について」の項では、「必要最小限の人数にすること」「あらかじめ定めた室内で行うこと」「当該作業に従事する職員以外の者が立ち入らないようにする」「文書等が、当該室から持ち出されることのないよう、万全の措置を講じる」「業務終了後、速やかに、かつ、確実に廃棄する」「業務終了後、速やかに、かつ確実に返却すること」等々、個人情報の保護に万全の措置を講じることを各市町村長に求めています。ということは、今回の調査は、決して表に漏れてはいけない調査であること、すなわち特定の地域・府民に対する重大な人権侵害の調査であることを大阪府自身が認識しているということでしょう。こんな危険な調査を大阪府が各自治体に押しつけ行政職員にやらせようとしているのです。

 第二に、調査対象を「旧同和対策事業対象地域」としていることです。ご承知の通り、国の同和対策特別法は二〇〇二年年三月末で失効し、特別対策事業の対象地域はなくなりました。にもかかわらず、「旧同和対策事業対象地域」を調査対象にするとはなんたる差別調査かということです。行政の手で、「対象地域」を掘り起こすのか、新たにつくるのか、「同和問題の解決」という錦の御旗を振りかざせば行政が何をやってもいいのかという問題です。

 第三に、調査の趣旨として「一般施策の効果を検証した上、同和問題の解決に向けた適切かつ効果的な取組みを進めていく必要がある」としていますが、この間大阪府がおこなってきた「同和問題解決に活用できる一般施策事例」「特別対策事業から一般施策への移行」のいずれもが「同和枠」「同和優先」や「特別対策」そのものの継続実施にすぎません。しかも解同系団体への団体補助金・事業補助金は残されたままです。「一般施策の効果」という名目で「特別対策」を温存・継続実施させることは部落問題の完全解決という歴史的流れに逆行するものです。
 関係市町長様
  大阪府企画調整部長

 同和問題解決に向けた実態把握について(通知)
ウ、所在地名と実態把握のために利用する個人情報とを突合わせする作業は、可能な限り、個人情報管理責任者があらかじめ定めた室内で行うこととし、当該作業に従事する職員以外の立ち入らないようにするとともに、所在地名及び実態把握のために利用する個人情報が記載された文書等が、当該作業中において、当該室から持ち出されることのないよう、万全の措置を講じること。 
エ、実態把握の課程において、旧同和対策事業対象地域内に居住する個人の個人情報が記載された文書等が作成された場合は、業務終了後、速やかに、かつ、確実に廃棄すること。     (一部抜粋)

19−4
 「弓矢人権裁判の課題」 (上)
   伊 賀 興 一 弁護士(弓矢事件弁護団副団長)

 十月二十二日におこなった学習会「弓矢人権裁判の課題」を三回にわたって掲載します。 一審判決は二二〇万円、弓矢さんは勝ったんですね県教委(県)に対して。一つは、解同がやってる確認・糾弾会に出席するように強要したことと、出たあと書かせる反省文というやつを職務権限で強要したというこの二点を認めて二〇〇万と弁護士費用二〇万を認容したんです。このレベルまでものすごく金額的には高い、普通大阪地裁なんかで、教委が違法な業務命令をしてね不利益をこうむったとしてそれの一割位かな、二〇〇万の認容というのはすごく高い。しかし一審では弓矢さんは自分を見つめてという文章を書けと言われて十回も強要されるんでしょう。それから糾弾会にも出席させられる、最後にはえらい遠いところまで配転させられるというのがあって、実にそれを一審の弁護人は三十二項目の不法行為というふうに立てたわけですね。三十二のうちの二つが認められたわけですね、この二つが二二〇万を認めたわけですが。
 但し一審判決というのは、本件発言は部落差別の意図から出た不当なものとし、同和推進教員らの弓矢さんに対する内心暴露や文書作成の強要、解放同盟の主催する確認・糾弾会などへの出席は「公共の利害に関する事実」にかかり「専ら公益を図る、目的があった」として不法行為は成立しないという、差別意識から出た発言だとして仮に出たとしても、糾弾会に無理矢理出さされるとか、反省を求められるとか、反省した文書を向こうが了解してくれるまで要求した文書を書き続けなければならないという苦痛は違法な行為による苦痛ではない、あんたが差別意識を持って発言したから反省を求めることは公共の利害に合致するんや、公益が目的やと一審判決は実は言うたわけなんですね。
 ここのところをどう突破するか。一つは部落解放同盟が言うてる糾弾会で彼の人格を変革して差別とたたかうように求めるというのは、差別を無くすということ自身は目的としては公益、しかしそのための糾弾会は差別を無くすということに繋がることを考えてやってるのかと言うと、彼の人格をバラバラにして手段としては違法行為をおこなって結果としては解同の方針に従わせる、従属をさせることが差別とたたかう差別を無くすということなんです。だから公益目的として差別を無くすということを裁判所が考えたときに、部落解放同盟が言うてることをそのまま公益目的を目的としておこなってるんやという位置づけをしてる。ここで違うものを言った、同じ目標であっても、言葉が同じ事を言っててもそれ自身がその人の内心の自由を制限し、その人の思ってることとやることをバラバラにさせ人間性を否定して部落解放同盟の一員になって活動家になれば許すと言うことは、人間性を団体に服従させること、これは団体の私的目的、そこが原判決は逃げていない、これを控訴審で我々は勝ち取りたい、そうすることが全国でいま残っている解同の理不尽な行動を批判していく上で重要。
 弓矢さんは不適切な発言だと攻撃されるとすぐに屈服して向こうに着いていったし、反省しているとはいえ弱点をいっぱい持った人ですが、この国の司法によってやっぱり部落解放同盟が言うてる解放路線と解放の方針に従うことが公益目的やなどという判決は一審どまりにして、それはそうではない様々な見解があり得るし、富士山に登るにしても色々な道がある。  五ページにつづく

19−5
 一つの団体に公共団体が連携という形で丸投げの判断権をあたえるということは、違う見解や違う方法をとってる人から見れば違う見解や違う方法自身を公の団体が否定することにつながるわけですよね。部落解放同盟の「確認・糾弾」が公益目的のためになされてるというふうに、部落差別を無くすことにかなうんだということを認定した判決は、実は他の部落差別の解放の見解を知らないし認めていない。存在を認めないということにつながるんです。二二〇万円弓矢さんは勝ったんです。向こうは負けた、しかしながら向こうのビラでは一審判決はええ判決や、弓矢さんのほうはこれはおかしいと控訴審になったわけです。
 控訴審における主張の整理と論争というところを簡単に紹介しておきたいと思います。
@実態的不利益を伴わない発言というのは、様々な場面で不適切と言われるところがあると思いますが、それ自体を差別と言わない、ということを明らかにしておきたい。
A解同と県教委の差別論と連携、これは解同が差別断定権限を独占するということ。じつは何が差別で何が差別でないかという判断権を解同に独占させるということを行政が容認すること。この誤りを正していく。
B独断的見解に屈服し服従することを求める「確認・糾弾」というのは、公益目的でなく私的な行動でしかない、いわば自分とこの団体の成果でしかない。そもそも違法なのであって、屈服し服従することを求めるということですから、最も人間としてはしてはならない、それを裁判所に認定をさせてゆくこと。
Cそういうことをもたらした根本的な誤りというのはどこにあるかというと、三重県の同和教育基本方針や差別事象対応マニュアルというのは教育の中立性を踏みにじってるんですね。はっきりいうと運動そのものが教育やという、部落差別を解消する目的の教育やというわけです。解消する運動に参加することが教育、子どもも部落差別を無くすという子どもをつくるというところまで行ってるわけですから、運動そのものを教育と見るということですから、教育基本法、学校教育法に違反をするというふうに見ていく必要がある。 ここのところはですね、広島の服部弁護士が色々調べまして、県の教育委員会というのは文部省の通達類には行政機構上、違反をしてはならないという原則があるんです。その原則によって、通達に書いてないのをふくらませたり深めたりということは色んな場面でありますよね。しかしながら教育の中立というのは同和教育の中では厳に守らなければならない、少なくとも運動そのものが教育という持ち込み・・・。あの通達をですね三重県の教育委員会は何と言うてるかというと、通達というのは法律と違うから効力がない。 三重県は三重県で独自でやってるしそれはそれで別に違反をしてるんではない。もう一つは、三重県の教育委員会は解同と主体的に連携してるのであって中立性も主体性も主体的にやることによって守ってる。言葉のあそびをやっている。そういうことによって批判を免れようとしてますが、そこのところも裁判所の判断の論点になっている。三重県は文部省の通達や同対審答申も含めて行政内部では上位が決めた決定に従うということなんですけど、全く送ってきても無視してるということなんですよね。解同がよくやった返上運動、地対協の意見具申なんか返上、そういう状態がダメなんやということが判決上書かれなければならない。     (文責、編集部)

19−6
 「人権教育をひらく同和教育への招待」を切る (その七)
                亀 谷 義 富

 教科学習に同和教育を注入する暴挙

  第五章が「教育内容の創造から人権総合学習へ」となっている。この内容の創造に関しては、なんでもかんでも同和の観点の注入と金儲けという歴史だったことはもちろんふれられていない。一一九頁に・・大阪市同和教育研究協議会の「ひらがな指導」があり、大阪府高槻市立富田小学校における「算数」の実践があった。これらはともに、小学校での教科学習に同和教育の視点を導入、従来の教育内容に大きな変革をもたらしたものであった。・・と自画自賛しているが、その内容たるや、前者は東京の明星学園小学校のひらがな指導の低劣な物まね、後者も水道方式による算数指導のこれまた低劣な物まねであった。
 一番目の問題点は同和教育の視点の導入と称して授業に解放教育のイデオロギーが持ち込まれたことである。指導案に必ず同和の観点を書くように授業者に強要し、書いていないと部落差別抜き(これを部ぬき、差ぬき授業といった)授業だとして批判したのである。
二番目の問題点は、このテキストを教科書代わりに「旧同和校」を中心に購入させたのである。
 一二四頁からは松原市立布忍小学校「しぶとういかんと」なる地域学習、さらには「ぬのしょう、タウン、ワークス」なる人権総合学習が実践例として取り上げられている。
 解同松原支部が一九七八年に作成した古老からの聞き取り集の授業化の例である。六、七〇年前の更池地区の人々の仕事の聞き取り例をもとに地域学習をして版画の共同制作を取り組んだという実践である。一言で言うと、七、八〇年前の差別を今も存在していると教える実践だったのである。地域学習と称してなされたものは、解同の役員の昔話と解同礼賛の話を聞いて、解同子ども会に加入して活動しなさい、加入できない他地区の児童は協力しなさいという実践だったのである。
 これでは、どうしようもないといって考え出されたのが人権総合学習なるものであったのだ。人権総合学習の問題性に関しては、これまでも具体的に批判してきたが、一三八頁にある東大阪市立長瀬北小学校で行われた「権利の熱気球」ほど、反人権教材はあるまい。・・「権利の熱気球」というアクティビティは、権利には順序があるという認識だけで終わってしまう可能性もある。そもそも権利に順序などないのである。・・と、書いている欺まん性にはあきれるのだ。「権利の熱気球」という教材は、熱気球から自分の持っている権利に順序をつけて捨てさせるという恐るべき教材なのだ。権利に順序がないというのなら、順序をつけて捨てさせてはいけないのだ。権利を捨ててはいけないと教えるのが教育である。この実践例を見るだけで、大阪教育大学のえせ教官がすすめる人権総合学習のえせ人権さが見えてくる。
 一四八頁には、羽曳野市立河原城中学校の部落問題学習が取り上げられている。もっともこの実践も一九八四年とあるから二〇年も前の実践である。
 第一限(人権学習の意義)第二限(M部落の導入)第三限(M部落の起こり)第四限(M部落の実態)第五限(M部落のSさんの生い立ち)第六限(M部落の産業、食肉産業)第七限(M部落の部落解放運動)第八限(まとめ)とある。羽曳野市の中学校で、わざわざ松原市の「旧同和地区」を取り上げて部落問題学習を行ったのだ。その結果は、一五一頁に、・・解放研主催の映画会にクラス参加したのを皮切りに・・やがて数名が解放研に加入していくのをうれしく見守った。・・とある。解同傘下の解放研に中学生を加入させるために部落問題学習があったのだ。 

19−7
 弓矢人権裁判が結審、来春三月に判決
  三重県教委・解同が一体となった人権侵害

 十二月六日、居住地での発言を三重県教委や解同から一方的に「差別」と断定され人権侵害を受けたとして三重県立高校教諭だった弓矢伸一氏が、解同幹部と三重県教委を訴えた控訴審の最終弁論が名古屋高裁で開かれ、結審しました。
 この裁判は、三重県立松阪商業高校に勤務していた弓矢氏が一九九九年、住民と交わした私人間の会話を解同や三重県教委、同和教育推進教員らが「差別発言」だとして「反省文」を強要し、「確認・糾弾会」でつるし上げたことに対し、解同幹部や三重県教委を訴えたもの。
 石川元也弁護団長は弁論の中で、解同による「確認・糾弾」の違法性、弓矢氏の受けた人権侵害、三重県教委と解同が一体となった同和教育の異常性について、矢田事件民事大阪地裁判決を引用しながら指摘しました。その上で、「行政が圧力団体、社会的権力に毒されているとき、裁判所が人権擁護のとりでにならなければならない」とのべました。
 その後、三人の弁護士が弁論にたったあと、弓矢氏は、県教委・解同・同推教員らによる「確認・糾弾」後、地域や学校で孤立し、妻と子が自殺未遂を起こしたことなどに触れ、「私が味わった苦しみを救っていただきますよう、心からお願いします」と裁判所に訴えました。
 判決は、来年三月二十日午後から出される予定です。
 一審の津地裁は〇四年、県の責任を認め二百二十万円を弓矢氏に支払うよう命じましたが、解同の違法性を否定する一部勝利判決を言い渡しました。原告、被告の双方が控訴しました。

 大阪市長選挙アピールより
  二〇〇五年十一月二八日
      大阪市をよくする会

 十一月二七日投票の大阪市長選挙で、大阪市をよくする会が擁立し、たたかいぬいてきた姫野浄候補は十六万五八七四票を獲得しました。大阪市をよくする会が擁立した候補が当選者の得票の六〇%まで接近したのは、初めてのことです。
 今回の市長選挙は、前市長が、ヤミ年金・退職金問題、同和・芦原病院に対する乱脈融資、破たんした三セク処理問題の責任を取って辞任しながら、「改革の民意を問う」として再出馬するという極めて異常な形でスタートしました。
 「市政の最優先課題は大規模開発の見直し」という世論調査結果や、同和・芦原病院への融資焦げ付き、人権文化センター会議室利用率の異常な低さなどが新聞報道されるなど、かつてないほど同和問題にも注目が集まりました。これらは、市政の改革に向けて重要な到達点であり、私たちと多くの市民のみなさんが求めている市政改革の方向と合致するものと言えます。
 私たちは、市長選挙を通じて明らかになった市政の問題点の解明を深め、二年後の市長選勝利をめざす所存です。市民のみなさんとともに市政改革の方向性を見据え、市民運動を強化し、敬老パスや新婚家賃補助制度などを守りぬくため運動を引き続き継続していくことを表明するものです。

19−8
 問われる関市長と市の責任
芦原病院、百三十億円貸付けのまま民事再生法申請

 大阪市が無担保で約百三十億円を貸し付けている解同系の一民間病院の芦原病院(大阪市浪速区)が十二月一日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請しました。大阪市は貸付金全額の債権放棄を求められる見通しで、市民の怒りを呼んでいます。
 芦原病院は、一九六三年に開設され、浪速医療生活協同組合が運営する総合病院で、大阪市の支援を受けながら施設を拡充してきました。七〇年には「大阪府・市同和地区医療センター」と位置づけられました。
 過剰な人員配置や放漫経営などでもともと財政難だったのを市の補助金や貸付金をあてにして運営していましたが、大阪市が二〇〇五年度から新たな貸し付けを打ち切ったことから経営が立ち行かなくなったものです。
 大阪市は同和事業の一環として、六七年度以降昨年度までに運営費や建設費など総額百八十億円を超える補助金を同病院に毎年支出し、これに加えて七四年から総額百三十億円余りを無担保で貸し付けています。しかし、同病院は貸付金を同和対策関連の補助金の延長として受け取り、いまだに一円も返済していません。
 関市長は先の市長選で、同病院への貸付金約百三十億円が焦げ付いていることについて自身の責任と認めるとともに、今後返済が無いことも示唆してきました。そして、選挙が終わると早速、同病院は民事再生法の適用を申請、関市長も「協力したい」と述べました。市民から隠して貸し付けた巨額の税金を「経営破たん」したからとどぶに捨てるレールが市長選挙前から敷かれていたといわざるを得ません。
 民権連は、部落問題解決のためにも今回の関市長の行為を断じて許すわけにいきません。芦原病院から約百三十億円の貸付金を返済させるため、関市長と市の責任を追及してゆきます。

  長瀬支部が水道・下水道減免相談会
  一円でも安くなればありがたい

 民権連長瀬支部は五日、深刻な不況が続くなか少しでも生活費の助けになればと「水道・下水道減免相談会」をおこないました。
 公営住宅法によって住宅家賃が毎年あがる一方、給料や年金が下がり、また生活保護費も減額されるなど、生活のやりくりが大変、炊事・洗濯、風呂などに毎日つかう水道・下水道料金が少しでも安くなれば助かると、地域内に張り出したポスターを見て相談会にこられる人、いつやるのと高齢者から電話がかかります。
 今年から、減免基準が下げられましたが、当日は三十分も前から数人が寒空の下。事務所前で始まるのを待っています。
 減免申請用紙の書き込み、各種署名、年末カンパや事業活動の訴え、添付書類のコピーと役員さんの協力を得てのとりくみに、会員や住民はもちろん周辺地域の人も、「一円でも安くなればありがたい」と喜ばれています。