2005.10.15

民主と人権 第17号 10月15日


17−1
市政改革マニフェスト(案)について
大阪市役所労働組合 中 山 直 和

 自治体の主人公は市民、
  財界と連携し市民を置き
   去りにした市政改革は
    ありえない

 大阪市役所は、今、小泉「構造改革」の実験場と化し、大きな変貌を遂げようしています。私たちは、その変貌ぶりが市民にとって吉と出るのか凶と出るのか見極めなくてはなりません。
 今年の4月に発足した市政改革本部は、6ヶ月の作業をへた9月27日に市政改革マニフェスト案(A四で230ページに及ぶ文書・資料など)を発表しました。今後、約1ヶ月の議論を経て、11月上旬には市長のマニフェストにするとしています。
 その作業にかかわったのは民間企業の経営者、大学研究者、弁護士、公認会計士などの専門家で構成された外部委員の方々だけです。
「マニフェスト」は最近の選挙で流行となっていますが、任期途中の市長が使うのは珍しいことです。しかしそれ以上に珍しいのは、地方自治の主人公である市民も、市民に選ばれた議員も、行政執行の担い手である職員も作業への参加が全く保証されなかったことです。参加を求めた市民に対して大平助役が拒否を表明したことは記憶に新しいことです。
 市民をはじめ、議員、職員も、今後の「約1ヶ月の議論」の間に「本冊子をもとに」「考え、議論し、さらに市長に提案」するよう求められているに過ぎないのです。
 このように市民不在の作業の一方で、財界関係者とは密接に連携をとっているのが最大の特徴です。関西経済連合会、大阪商工会議所、関西経済同友会などの幹部で構成する「有識者会議」が6月に設置され、市政改革本部の上位に位置付け、これまでも、今後も、逐次報告し意見交換することを表明しています。

 財界の利益を優先し、ムダな 
  巨大事業は継続を宣言

 市民を排除し、財界と手を携えてすすめられる市政改革は、結果として大阪市財政を破綻に追い込んだ真の原因を隠蔽してすすめられています。
 マニフェスト案には、「身の丈に合わせた財政運営を」などと、私たち大阪市役所労働組合が磯村市長時代から市政批判に使ってきた言葉を繰り返し使うとともに、「大阪市役所の経営の現状」(参考資料)には、「特別会計の負債見込み」として阿倍野再開発事業では2000億円、土地先行
   二ページへつづく

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 取得事業で1000億円をそれぞれはるかに越える負債残高を図表したり、「主な第3セクター・土地信託事業」として、オーク200、ソーラ21、道路公社、土地開発公社、大阪シティドームとともに芦原病院も明記し、総額1000億円を超える回収不能金やさらなる追加負担の可能性を述べるなど、一見率直に語っているように見えます。
 ところが、埋め立てもまだまだ続いているゴミの島(夢洲)への海底トンネル工事(総工費3000億円)や、ゴミの減量化がすすむなか緊急性の乏しい新人工島の埋め立て工事(総工費3000億円)などは、事業費の圧縮する対象の一つとして列記しているものの「事業実施が必要と認められる事業」として位置付けています。
 さらに、WTC、ATC、MDCの3セク3社への今後の大阪市の負担は特定調停によって30年〜40年かけて3000億円を下りません。合わせて1兆円近いムダ遣いこそ見直すべきであり、「脱トンネル宣言」「脱埋め立て宣言」が必要なところです。

 市民サービスは「過剰行政」
  として敵視し、大ナタを
   振るう

 マニフェスト案は、ニュー・パブリック・マネージメント(NPM)のマニュアルである顧客主義、業績主義、市場原理の活用、行政組織の簡素化を全面的に用いており、小泉「構造改革」の手法と一致するものです。顧客主義とは納税者を顧客と見ているため、税金を納めない市民はサービスの対象と見なさない考え方になります。そういった視点から「低負担による高サービスの温存」などと地方自治体の本来の使命としてある福祉部門などを敵視する言葉が繰り返されています。
 そして、「各種補助金、市民サービスの見直し」「生活保護世帯に対する個人給付、減免の廃止検討」「上下水道料金福祉措置の廃止」「市営交通料金など福祉措置の廃止」などなど、市民サービスの切捨ての端緒が現れており、今後さらに表面化することは間違いありません。
 しかし、大阪市は、もともと福祉・教育には非常に冷たい行政でした。生活保護のケースワーカーは厚生労働省の基準に対して420名も不足させ、保育所では休暇を取らずに全員が出勤してはじめて配置基準に達する人数しか入れない、障害児学校の教室の不足を放置するなど、数えあげればキリがありません。「財政危機」を理由に法律や基準を無視して切り捨ててきたのです。このことへの反省もなくコンプライアンス(法令遵守)改革を叫んでも市民の納得は得られないでしょう。

 新たな政治利用を許さず、
  人権行政の見直しはすす
   むのか?

 最後に人権行政について触れます。
 マニフェスト案には「73の主要事業の分析」を列記しており「人権施策」も含まれています。また、先に述べたように「特別会計の負債見込み」として土地先行取得事業をあげており、この莫大な負債の中には同和用地の先行取得も含まれていることは間違いありません。さらに、芦原病院への資金援助が焦げ付く危険性も述べています。このように、市政改革マニフェスト案は、「同和事業」の歴史的問題点と向き合わざるを得ない状況にあるといえます。
 私は、大阪市政が見直すべき最大のポイントは、市民生活を省みない大企業本位の市政運営であり、不公正な「同和」・人権行政であると考えています。したがって、人権行政の今後の分析作業を注視しています。
 同時に、途方もない浪費を続けている大規模開発への市民の批判をそらすために、同和行政の不公正を許容し、市民同士が対立する構図が作り出されてきたと見るならば、今後、同様の「再利用」が目論まれることに注意をしなければなりません。
 この点では、マニフェスト案で労働組合が一人悪者にされ、人件費削減の最大の理由にされている現状とダブっています。
      三ページへつづく

17−3
 
 私たち大阪市役所労働組合からすれば、たしかに労使癒着は酷いものでありました。それは、人事行政へ介入し組合の意にそわない職員を迫害するなどの実態は労働組合としての限度を逸脱していたものであり、批判を免れるものではないでしょう。しかし、労使癒着とは組合だけで癒着できないわけで、それを敢えて許容し、連合労組に職場支配をさせてきたのは大阪市当局自身なのですから、そのことの反省を一切述べず、労働組合の存在をすべて悪であるとするキャンペーンを張ることは許されることではありません。 
 大阪市が九月二十七日に発表した、「市政改革マニフエスト案」について、大阪市役所労組の中山直和氏に書いていただきました。

 なにわ太鼓ロード
こんな予算の使い方、住民も迷惑です

 民権連大阪市協議会は、このほど、大阪市情報公開条例にもとづいて資料請求をおこないました。実態はひどいものです。市民の福祉・暮らしはどんどん削って、一部建設業者が利益を得る事業には予算を投入しています。こんな予算の使い方、住民も迷惑です。

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  日本共産党和田府議、「人権意識調査」で追及
   太田知事「同和地区における課題は残っている」

 開会中の大阪府議会本会議で五日、日本共産党の和田正徳府議が代表質問に立ち、知事の政治姿勢について、「人権意識調査」、について質問しました。
@ 府は、わが党が中止を求めた「人権問題に関する府民意識調査」を強行したが、調査の大半は、同和問題である。調査は、「同和地区」が現存していることになっているが、同和地区は、なくなっているのではないか。
A 今日でも住む場所や出身地で同和地区出身者かどうか判断しているという前提で聞いているが、これは府民を差別者扱いするものではないか。
B 同和地区のイメージを問うのに「上品・下品」、「清潔・不潔」などの選択を迫っている。こんな調査のどこが府民の人権意識調査になるのか。差別助長調査でないか。

 知事の答弁
@ 人権問題に関する府民意識調査は、府同和問題解決推進審議会のご審議をいただいたうえで、今後の人権教育・啓発施策の効果的な取組みのための基礎資料を得ることを目的に実施したもの。
A お示しの同和問題は平成十三年の府同和対策審議会答申において、教育、労働等の課題が残されているとともに、差別意識の解消が十分に進んでいないなど、同和問題が解決されたとはいえない状況にあると示されている。平成十三年度末をもって特別対策は終了したが、同和地区における課題は残されているため一般施策により取組みを進めている。
B 府民意識調査のうち、同和地区出身者や同和地区のイメージなどに関する質問は、府民が同和問題をどのように理解しているのかを把握し、効果的な取組みを進める上で必要なことから学識経験者に検討をお願いし作成したものであり、府民を差別者扱いするものではない。今後、調査結果については、効果的な人権教育・啓発の取組みに活かしていく。

 国民融合全国会議が交流会
同和行政の終結を着実なものに
 30周年

 国民融合をめざす部落問題全国会議は十月八日、全国交流集会と創立三十周年記念レセプションを、九日には第三十一回総会を京都弥生会館において開催しました。
 全国交流集会で大同啓吾事務局長は、創立三十周年を迎えて、一、国民融合・全国会議が果たしてきた役割、二、国民融合・全国会議はどのようなことに取り組んできたか、三、当面する課題、そして諸事件を解決してゆくために取り組む課題として、同和行政の終結を着実なものにしてゆくために、広範な人びとと協力して事件の真相究明をはかり、事態の正当な解決を求め、さらにふたたび同じような事態が繰り返されるようなことのないよう取り組んでいきますと、「弓矢裁判」など五点が提起されました。
 そして、広島、岐阜、奈良、滋賀、和歌山などからの報告を受けて交流を深めました。 
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 太田知事「夫婦で食べた」
  ハンナンの高級牛肉
  浅田満元会長が贈る
 太田房江大阪府知事は五日、牛肉偽装事件で実刑判決を受けたハンナングループの浅田満元会長からもらった高級牛肉を自分で食べたことを初めて公にしました。府議会本会議で、日本共産党の和田正徳府議の代表質問に答えたもの。
 太田知事は、初当選した二〇〇〇年の七月八日に、浅田氏の豪邸内にある迎賓館「りょう娯亭」で副知事ら府幹部、自民党府議らとともに浅田氏と酒食をともにしています。「そのときに、最高級の牛肉を、一説によれば百c五千円以上の肉が三キロも入っていたといわれているが、おみやげにもらったというのは事実か」と、浅田元会長と大田知事および府政との癒着を追及する和田府議に、太田知事は「量も価格も指摘のようなことはなく、夫婦二人で一回で食べ切るだけの量だった」と認めました。
 「これからよろしく頼む、というのが肉のみやげの意味だったのではないか」と迫る和田議員に、太田知事は「場所を借りただけ」「(みやげ)儀礼的なもの」と逃げの一手。和田議員が「まったく納得できない。(みやげ)もって行くのは場所を借りた方ではないか」と指摘すると、議場は爆笑に包まれました。
 知事が接待を受けたこの時期は松原食肉市場公社の民営化をめぐる補償の大詰めの交渉が行われており、交渉の方向を決めた「手打ちの宴」であったといわれています。府はその直後の二〇〇一年九月議会で一千万円の民営化のための調査費を計上、翌二〇〇二年に浅田氏が事実上支配する新会社、南大阪食肉市場株式会社関係に六四億円の府費を投入しました。
 (しんぶん赤旗より掲載)

学習と交流のつどい
11・3 輝 け 9 条
     11月3日(祝)
     午後1:30〜4時
     堺市民会館大ホール
    記念講演(伊勢崎賢治さん)
    “紛争屋”が見た世界から−
     憲法前文と9条は
      一句たりとも変えてはならない
     ★楽しく広げよう
        憲法守れの大波を 
    やりとげよう府民過半数署名
     つくろう星の数ほど「九条の会」を
    主催:大阪憲法会議・共同センター

  人の心の中を、糾弾して
「変革」を迫ることは許される!?
 −弓矢裁判の真相と課題−
 と き 10月22日(土)夜6時〜
 ところ 民権連事務所 3階会議室
 講 師 伊賀興一弁護士(弓矢事件裁判副団長)

 弓矢事件とは、私人間での発言は、誰が、どこまで問題にできるでしょう。三重県立高校教諭の弓矢さんは、居住地での発言について、県教委と解同から「差別」と断定され、「差別意識の源を示せ」と強要。400人もの多数人の前で「差別者」として糾弾を受ける等の、人間の尊厳をズタズタにされた事件。

17−6
 
 「人権教育をひらく
   同和教育への招待」を切る (その五)
                亀 谷 義 富
 差別の現実から学ぶ教育の歩みのウソ
 第三章は、「同和教育」の歴史が書かれている。第三章の書き手は中尾健次氏であるが、前半部分はまともである。六一頁に一九五五年の第四回同和教育研究大会の案内が載せられている。そこには、私に同和教育の真髄を教えてくれた西滋勝先生、部落史を科学的に教えてくれた渡辺広先生、実態調査のイロハを教えてくれた南清彦先生、山本正治先生の名前がならんでいる。中尾さんには、もう一度これら諸先達の著作を読み直して、同和教育のなんたるかを学び直されることを勧めます。
 さて、七五頁に「部落解放奨学金」制度の確立に関して書かれている。・・一九六六年文部省も「同和対策高等学校等進学奨励費補助事業」を開始する。・・六六年からは高等学校・高等専門学校への進学者に支給された。補助率は当初二分の一だったが、一九六九年に同和対策特別措置法が制定されると、三分の二に引き上げられた。・・とある。ちょうどこの時期、伯父が解同府連の執行委員、従兄弟が支部長ということもあり、解放同盟の青年部員であった。当時、解同は「窓口一本化」を行政に要求し、私が住んでいた泉佐野市が屈服した時期だった。その結果、奨学金支給の認定判定支給までもが、解同支部長によって行われるようになったのだ。奨学金の支給を受けに会館へ行くと、机が二つならべられている。市の職員が奨学金の入った袋を私に渡すと、次の机に座っていた解同の役員が五%のカンパだから、*円払え。と言うではないか。強制的なカンパはおかしいではないかと言うと、「窓口一本化」になったから、なんでもかんでも五%のカンパを取ることになったんだと言う。そんなおかしな金は払えないと言って、会館から出てきた。すると、次回からの奨学金は打ち切りだという通知が泉佐野市から届いた。理由は、解同支部長が認定を取り消したからだというものであった。この当時、なんでもかんでも五%の強制カンパ(というよりは五%の上納金といったほうが適切だ)がまかり通り、大きいものでは同和向け公営住宅建設に際しての上納金、小さいものでは、通学用品の助成金(カバン代、靴代等)にまで五%の上納金が課せられていた。拒否すると打ち切りである。集められた金は解同役員のぽっぽに入るというわけだ。中尾さん、こういう裏事情もきっちり書かんとあきませんよ。解同による「窓口一本化」、つまり独占的管理によって奨学金等の給付が受けられずに、解同と行政による差別に泣いた人がどれだけいたかを、中尾さんは知っているよねえ。
 同和加配教員の制度化に関するウソ
 七六頁に同和加配教職員の制度化について書かれている。
 大阪府では、一九六〇年、教育困難校への特別加配教員として二三名配置されたのが最初だが、一九六六年には実質三〇人学級実現による加配教職員がこれに加わっている。・・・「同和加配教員」の制度化によって、”補充学級“や”促進指導“が可能となり、「学力保障」さらには「進路保障」へ向けての活動が開始されることになる。・・「同和加配教職員」についても、現在、各自治体の財政危機を理由に削減が計画され、実施に移されようとしている。・・とある。
 現在同和加配教職員は制度的にはない。これは、同和対策事業が法的に終了したことによる。財政危機を理由にしたものではないのだ。支援教員という名で旧同和校に今なお不公平な加配がなされている事実にも触れられていない。この同和教育加配教職員の実態に関しても触れられていない。大阪府は、同和加配にプラスして特別加配教職員まで配置していたのだ。解放会館に出向いての解同子ども会の指導をはじめとして、解同子ども会、中学友の会に加入している児童、生徒だけを対象にした学習塾の開催などが公然となされていたことを、中尾さんは知っているはず。
 七八頁から「にんげん」の発刊の意義、最後に「人権総合学習」の実践が全国的にも注目を浴びていると書かれている。一九七〇年から解同の下部組織である解放教育研究所によって作られ明治図書が発行し、大阪府教委が買い取り、教育現場に押しつけてきた「にんげん」であるが、この異常さは八〇頁の同和教育副読本の登場と題された一覧表を見ただけですぐに分かる。他県は、各県の教育委員会または同和教育研究会が作成したものであるのに対して、「にんげん」だけは、解同の下部組織が作成しているのだ。そして、解同の考え方を教育現場に押しつける役割を果たしたのである。金のことを言えば、三〇年以上も印税等の巨額の金が、解同の手に入ってきたのだ。こういう教育界の利権構造に関しても、中尾さんは知っていると思うけど。

17−7

 弓矢人権裁判で口頭弁論
    伊賀興一弁護士が陳述
名古屋高裁

九月十四日、名古屋高等裁判所で弓矢人権裁判の控訴審第三回口頭弁論が開かれました。この裁判は、一九九九年の居住地での発言を解同が差別と断定して行った数々の「確認・糾弾」行為で人権を侵害されたとして当時、三重県松阪商業高校に勤務していた弓矢伸一教諭が、解同及び解同と一体になって「確認・糾弾」行為を強要した三重県、松商同和教育推進委員などを相手取り、二〇〇〇年に提訴したものです。
 二〇〇四年十一月、津地裁が県の責任を認め、二二〇万円の慰謝料の支払いを命じながら、解同の「確認・糾弾」行為を違法とせず、校内の同推教員の無法も、職務上のこととして責任を問わない判決を下しました。
 弓矢氏や「支援する会」は、「確認・糾弾会」の違法性、解同いいなりの同和教育の不当性を正面から問うために控訴。石川元也弁護団長をはじめ二十二人の弁護団が結成されました。
 この日の弁論で一審原告代理人伊賀興一弁護士は、三重県の同和教育における違法性とそれに土台を置く同推委員の職権乱用、逸脱の違法性について意見陳述を行いました。
 第一に、三重県同和教育基本方針と、同県教委の定める「差別事象に対するマニュアル」の違法性は「本質的で且つ深刻な争点だといわねばなりません」とのべ、三重県同和教育方針等の実質的違法性について、「すべての教育関係者は、同和問題に対する正しい認識を深め、部落差別を解消するための自らの責務を自覚し、同和教育に取り組む」という新しい規定とその実践を求める内容をとりあげ、「同和問題をどうとらえるか、どういう方策で解消をめざすかは決して一義的ではありえ」ず、「教育委員会がある見解を公認し、それを唯一の問題の見方であると決めつけ、押しつけると同時にその見解に基づくことを唯一の解決策であるとして、同和教育を進める」ことは、教育基本法第十条の規定する教育行政の中立性の要請を正面から否定する違法性を犯している、と指摘しました。さらに同和教育に関する政府通達は、三重県における同和教育行政を当然拘束するものであり、すべての教育関係者に対して、「同和問題の解消」をうたい文句に、解同との連携の結果、解同の運動の支配下に従属させる誤りをもたらしたと指摘しました。 第二に、「同推委員の権限とその評価は、本件審理の根幹に位置する」として、「同推委員であるからといって、同和問題や差別か否かという判断に優位性が認められるものではなく、校長を無視して同僚に対して、差別発言をしたと決めつけて反省を求めるなどという行為が許される権限を有すると解することはできない」と指摘し、「社会運動があたかも同和教育であるかのような三重県・県教委の違法な方針の下、同推委員に、特別の地位や扱いを容認するという異常事態が起きていた」と批判しました。
 さらに「同推委員として被告森山板谷は、校長室で校長の現前での傍若無人の振る舞いを行い、校長に意見具申する意図などまったく持たず、校長に対してすら、その行動の独自性を示し、同僚であるはずの原告にたいし、原告に対し糾弾を受けることを予告し、直接指導を行い、あたかも森山の考えがそのまま三重県の同和教育基本方針であるかのような言動を行い、部落解放同盟との直接の連絡調整役を果たしていることはもはや否定すべくもない」「違法性は強く、到底、これに公益性や公共性を認めることは許されない」と批判し、「同僚である原告に対する『自分を見つめて』の作成強要と加除訂正の強要はその頂点に位置するもの」であり、明白な職権乱用であり違法と主張しました。(次回口頭弁論は十月二十六日の予定です。)

17−8
 
  高遠さん招き平和講演会ー西成九条の会
       ー浪速区も九条の会結成ー

 西成九条の会は九月三十日、「命に国境はない、高遠菜穂子さん平和講演会」を西成区民センター開き、市民ら四百人が参加しました。
 あいさつに立った西成九条の会よびかけ人のひとり、森田正男さんは「私も大阪大空襲にあいました。戦争体験世代が少なくなっているのはあたりまえですが、私らがいなくなってから若い世代が戦争の苦しみを味わうのは心苦しいです。力の限り平和憲法を守りぬきたい」と訴えました。 
 高遠さんは、良心あるジャーナリストたちが死の恐怖と困難をくぐりぬけて取材した映像を示しながら、「米軍占領下のイラク市民は、いわれなき拘束、拷問、虐殺など、ありとあらゆる暴力にさらされています」と指摘。「学校や教会が空爆され、わが子の無惨な遺体を前に、きょう悲しみに泣き叫ぶ父親が、あすは復讐の念にかられ米軍に報復を誓って銃を手にするレジスタンスをおこなうのです。いまこの瞬間も人が死んでいる現実があります」とのべました
 映像の中には衝撃的なものが数多くあり、会場は張りつめた緊張感につつまれました。 このあと、西成九条の会事務局長より、@「憲法改悪反対署名」を区民の過半数めざしとりくもう。A地域・職場で「九条の会」を網の目のようにつくり、学習会をやろう。B十月十九日夕刻、天下茶屋駅前で九条の会の街頭宣伝に参加しよう。C十一月三日、堺市民会館での「輝け九条、学習と交流のつどい」に参加しようと、行動のよびかけがおこなわれました。
 十月八日、浪速区「九条の会」結成のつどいが、浪速区民センターで行われ、百人を超える区民が参加しました。
 よびかけ人を代表して東延民権連委員長があいさつをしました。

民権連・医療生協長瀬支部
   日帰り観劇と温泉旅行にとりくむ

 朝夕がしのぎやすくなった九月二十五日、民権連長瀬支部と医療生協長瀬支部は合同で、温泉健康ランド「八尾グランド」へ日帰り観劇と温泉旅行にいきました。
 天然温泉にゆっくり浸り、昼食後は浪速劇団(座長・近江新之助)の舞台劇・ショーを観て、泣いたり笑ったりして身も心もリフレッシュしました。

 大阪高裁
 「首相の靖国神
  社参拝は違憲」

 九月三十日、大阪高裁は小泉首相の靖国神社参拝は違憲との判決を下しました。
 違憲判断は、〇四年四月の福岡地裁につぎ二例目です。高裁レベルでは初。前日の東京高裁判決が違憲判断を避けたこととは対照的です。