2005年8月15日

民主と人権 第15号 8月15日
民権−1
「人権問題に関する府民意識調査」の中止を求める
ー大阪府による差別誘発調査(同和調査)を府民に押しつけるなー
         2005年 8月11日 民主主義と人権を守る府民連合

 この8月に大阪府が実施する「人権問題に関する府民意識調査」の調査票(案)が、7月15日の第2回人権問題に関する府民意識調査検討会で明らかにされました。大阪府は調査の目的を「2000年調査以後の府民意識の変化や動向を明らかにし、今後の施策への資料にするため」と説明していますが、調査票(案)の内容は、33項目の設問の大半が同和問題に特定した設問になっており、差別誘発調査(同和調査)そのものです。2002年3月末の特別法の終了により法的根拠もありません。私たちは、大阪府による差別誘発調査(同和調査)の府民への押しつけに反対し、その取り止めを求めるものです。

1、こんな設問が許せますか?どう答えたらいいのですか。

@問14ー2 世間ではどのようなことで同和地区出身者と判断していると思いますか。
1、本人が現在、同和地区に住んでいる
2、本人が過去に同和地区に住んだことがある
3、本人の本籍地が同和地区にある
4、本人の出生地が同和地区である
5、父母あるいは祖父母が同和地区に住んでいる
6、父母あるいは祖父母の本籍地が同和地区にある
7、父母あるいは祖父母の出生地が同和地区である
8、職業によって判断している
9、その他(具体的に:
10、わからない

  この設問は「同和地区出身者」「同和地区」と差別の存続を暗に前提としています。この前提がそもそも間違っています。2002年3月末で国の同和特別法が終了し、行政施策の対象地域としての「同和地区」は存在しません。「同和地区出身者」についても同様です。2001年9月に出された「大阪府における今後の同和行政のあり方について」(府答申)においても、「『地対財特法』が失効し、特別措置法に基づく同和対策事業の前提となるいわゆる『地区指定』はなくなる」とのべているように、今回の調査には法的根拠はないのです。

A問7 あなたご自身の結婚相手を考える際、相手の人柄や性格以外で、気になること(気になったこと)についてお聞きします。
1、相手の学歴
2、相手の経済力
3、相手の職業
4、相手の家柄
5、相手の国籍・民族
6、相手の家族に障害を持つ人がいるかどうか
7、相手の宗教
8、相手が同和地区出身者かどうか
9、その他(具体的に:
10、とくに気にしない

 これは設問自体に問題があります。なぜ、はじめから「相手の人柄や性格」が選択肢から排除されているかという疑問です。 

民権−2
 日本国憲法24条の価値からすれば、相手の人柄や性格、つまり当事者が第一という選択肢は欠くことが出来ないものでしょう。ではなぜこのような設問が生まれるのでしょう。それは、「相手が同和地区出身者かどうか」のウエイトを高めたいという意図からではないでしょうか。

B問15 あなたは、同和地区(被差別部落)という言葉を聞いたとき、どのような感じを持ちますか。
(1)上品なー下品な
(2)やさしいーこわい
(3)清潔なー不潔な
(4)進んでいるー遅れている
(5)豊かなー貧しい
(6)働きものーなまけもの

  もし府民のみなさんが、自分の住んでいる地域のことを、上のように聞かれたらどんな気持ちがしますか。「おかしな質問やな」とか「「何を聞くんや、失礼な」とは思いませんか。特定の地域に特定のイメージ(下品、こわい、不潔…)を浮き立たせる結果を求めているとしか考えられません。これは地域差別です。
  他にも次のような設問が見られます。

問17 現在、同和地区の人たちは、就職するときに不利になることがあると思いますか。
問20 あなたは「同和地区の人はこわい」というような話をきいたことがありますか。

 このように、今回の調査は、法的根拠もない上に、行政施策の対象ではない「同和地区」「同和地区出身者」「同和地区の人」という表現をふんだんに使い、特定の地域やそこに住む住民に悪印象を与える設問をズラリと並べているのです。一度会話形式でこれらの設問の受け答えをしてみて下さい。これまで「差別発言」として解同の「確認・糾弾」の対象にされたものばかりです。それを府民に押しつけようとしているのです。「差別誘発調査」(同和調査)そのものです。

2、大阪府による「差別誘発調査」(同和調査)を中止せよ

 私たちは2000年調査の経験及び2002年3月末の特別法終了という新たな状況の中で、調査にあたっては、差別性や恣意性を排除し、公正に行うことを繰り返し求めてきました。2月4日には太田知事に対して、調査の目的、調査体制等に関わって、民権連推薦の学識経験者の選任と(案)の段階での調査票の公開、2000年調査に見られた「同和地区や同和地区住民」「同和地区出身者」「被差別部落」等の表現を用いた調査は行わないことを申し入れました。この申し入れにもとづく2月25日の大阪府との話し合いでは、民権連推薦の学識経験者の選任や調査の委託先の入札は拒否、調査対象に「同和枠」はない、「同和地区」「同和地区出身者」などの表現は今後の検討課題であると答えました。3月7日にはこの大阪府の回答を受けて、府下自治体等に、調査に反対し協力しないよう申し入れを行いました。その後大阪府は、調査検討委員の選任について私たちへ回答を引き延ばしながら、突如5月19日に解同系の4人の学識経験者の選任で第1回検討会を開き、7月15日の第2回検討会で調査票(案)がはじめて明らかにされたのです。
当初私たちが危惧したとおり、今回の調査にははじめから特定の意図が隠されており、調査票(案)には、そのための仕掛け、恣意性や偏向が網羅されています。それは解同や大阪府が、府民の人権意識がまだまだ低いという結果を意図的に作り出して(誘発させて)、「同和特別」「人権教育・啓発」の継続実施を図ろうということに他なりません。そのために「府民意識調査」という名目で府民を使おうということです。

3、府民の力で、解同と一体となった大阪府政のゆがみをただそう

  部落問題は今日、基本的に解決された問題です。1969年「同和対策事業特別法」の制定以降、この大阪では2兆8千億円をこえる「同和予算」が投入されました。

民権−3
 その一部は、ハンナン問題(これは氷山の一角ですが)等に見られるように解同の利権獲得の対象にされ府民の税金が食いつぶされました。解同利権一掃の課題はまだ残されていますが、特別対策の結果、生活環境、労働、教育、福祉などかつての悲惨な地域の様相は一変しました 。
 さらに「同和問題」に対する府民の理解や協力も大きく進み、部落差別の解消はいまや大阪府民の常識となっています。
 2002年3月末には国の特別法が終了しました。大阪府も法終了にともない一切の特別対策を廃止すべきでした。ところが解同と一体となった大阪府は、特別対策の終了どころか一般対策の名目で「特別対策事業」を継続させるという部落差別解消に逆行する方向を打ち出したのです。そして、府同和事業促進協議会(府同促)から府人権協会への改組、「同和問題解決に活用できる一般施策事例」「特別対策事業から一般施策への移行」としていまもなお「特別対策事業」が続けられているのです。
 大阪府のいう「人権行政」も、同和問題原点論・人権問題の集中的表現論に立脚をし、「同和問題」を中心とした人権啓発事業が進められています。今回の調査も「人権問題に関する意識調査」といいながら、項目が同和問題に集中し、子ども、女性、高齢者、障害者、外国人、犯罪被害者等は不問にされています。JR西日本など大企業における労働者に対する人権侵害などは問題にすらしていません。
 私たちは、解同と一体となった大阪府政のゆがみをただすこと、このことが真に府民の人権を守り、部落問題の完全解決につながるものだと考えています。
 府民のみなさんに心から訴えます。今回の「差別誘発調査」(同和調査)に一切の協力をおこなわないで下さい。

民権−4

 「人権擁護法案」をめぐる状況
    新井直樹氏(全国人権連事務局長)

 人権擁護法案というのは基本的に私たち国民の権利を擁護するものではない。では誰の権利を擁護するかというと、部落解放同盟や公明党・創価学会、さらにはスキャンダルを抱えた政治家、権力・大企業の横暴、これらのものを免罪し擁護するための法律であるというのがこの法案の本質的な問題であるといっていい。それぞれの条項の落とし穴というのはいわゆる解同問題と同和問題という観点でいうとわかりやすい。
 
 解同のテレビ朝日攻撃

 いま神戸新聞や解同の解放新聞などでは、大阪・兵庫・京都の行政書士や司法書士が不正に戸籍謄本や住民票を取得して金儲けをしていたという事件を大きく取り上げています。解同は全国のリスト一覧を出させ、全国の市町村に情報開示を求めて経路を含めて実態調査をやるとしています。しかし解同が確認会を通じて取得したリストを解同が管理しそれをもとに情報開示を求めるのはおかしい。国としても県をきちっと指導すべきではないかということを総務省交渉でいいました。もう一つはテレビ朝日の問題、一月の末に二回ほどサンデープロジェクトでハンナンの浅田の問題が取り上げられ、一回目の放送の冒頭で田原聡一郎が、だいたいこの人をやらないマスコミがわるい、被差別部落のなんとかいって恐ろしがってる、なんにも恐ろしくないと発言した。それから高野もマスコミがタブーと指摘した。司会者のほうが危ないですよ二人とも、ということを言ったらしい。最後に「番組の途中で不適切な発言があった」と司会者の女性が言ったという内容なんです。これに解同が早速とびついた。浅田のハンナンに関わる同和・解同の利権あさりの問題を、マスコミの不見識な認識にねじ曲げ、部落は怖いという根底にある考えがこのような発言になったと、確認会をずっとやっているんです。
 私どもは六月二十三日にテレビ朝日の報道局次長とかサンデープロジェクトのプロデューサーなどを交えて話し合いをやりました。我々は、解同がなぜこの時期にこの問題でマスコミに対する脅しも含めたやり方をテレビ朝日に強行的にとってるかということを話しました。一つは、解同利権にこれ以上踏み込ませない、マスコミに追及をこれ以上させないという問題。さらには人権擁護法案に係わって、サンケイ、毎日、読売の人権擁護法案は問題だという論調に対して朝日だけは解同よりなんです。解同にとっては大マスコミの中では朝日だけが拠り所になってるんです。朝日に態度を変わってもらっちゃ困るわけなんです。でもって人権擁擁護法案の問題点について新聞、マスコミ、テレビ、朝日などが報道しないようにプレッシャーをかける狙いもあって徹底糾弾という形でやってるんじゃないかという話をしました。
 戸籍謄本不正リスト問題も、解同が取り上げているテレビ朝日の発言問題などもやっぱり人権擁護法案がらみで彼らが異常な熱をもって提起している問題、ここにこの法案のもつ一番危険な側面があるだろうと思います。

 議員立法のおそれも

 この法案はいわゆる二つのやり方があるという風に国会議員の人たちが言っています。一つは古賀誠が何を考えているのか、いわゆる親分、野中が退いたあとこの法案を積極的に推進する与党懇話会の親分に古賀誠がついているわけですが、彼は郵政民営化にどっちかといえば反対、彼は小泉と取引をするのではないかと
五ページへつづく

民権−5

 いわゆる郵政民営化に反対するグループを中立から賛成する方にまとめるから、人権擁護法案について自民党の法務部会、政調会の審議にあたっては反対側はでるなという禁足令を小泉がかけるならこの党内手続を経たということで、法務部会、総務部会、政調審議会、閣議というかたちになるというそういうことを狙ってるんじゃないかということ。もう一つは、議員立法という形、ご存じのように人権推進審議会は二つの意見を答申しましたよね、その一つが教育啓発です。教育啓発ではべつに国は法律作れと書かなかった、会長コメントもそういうコメントじゃなかった。いわゆる啓発という人々の意識や内心に盛り込むというような事柄を法律で推進するのはいかがなものかという常識的なのが審議会にあって法律を作れということにはならなかった。解同はつくれといったがならなかった。ところが与党懇話会の熊代とか公明党の東とかという人たちが議員提案で人権教育啓発法というのを作ってる、三年間で見直すと言ってたんですけど見直されないでそのままいっちゃってる、こういう形で人権擁護法案も議員提案すればある意味で通る可能性というのは非常に高い。つまり民主党は解同の意向をうけてますから国会の会議原則を彼らも一応いうけれども、法務省の外局じゃだめだ、内閣府にもっていけというけど、実態は内閣府に持っていったって同じことで法務省の人権擁護局の職員が横滑りしてくるだけですから、権力からの独立性なんか確保されない。

 差別禁止規定は必ず残す

 いま議員提案となったときに妥協のさいには何を残せばいいかというと、第三条の差別禁止規定の部分、ここだけはいじらないでくれというのが解同の要求であり民主党もそこだけははずさない。結局は、人権侵害等の禁止といういわゆる包括的網羅的な差別禁止条項というのは日本で初めてのものになる、いい加減なものですから解同も権力も恣意的に使うことが可能なんです。そこだけをそのままにして、人権擁護委員の選び方や人権局を何処に置くかというのは後で考えればいいことで、いずれにしても今国会に出すという解同の要求に民主党は動いてますから、議員提案という形になればできかねないという事態にあるわけです。とりわけ解同の方はあからさまに言ってますよね、中央のレベルでの人権委員には被差別部落出身者や障害者や女性や具体的に被差別の人たちを入れるんやと、人権擁護委員については国の案の通りに人権問題に精通している専門家を入れるんだと、調査にあたっては団体と連携するんだと、ここをいじらなければかまわない、どこの項がどうしようが。厳しい事態が八月十三日まで続く。やっぱり衆議院を通して参議院でということを考えれば七月いっぱい、とりわけ七月十一日からの週が最大の攻防になるだろうというふうに。法務省も第三条とそれから人権委員会の権限についてはいじらないと回答しています。ここがこの法案の大きな根幹なんです。解同が最後のよりどころとしてこの法律を作らせて利権をむさぼろうとしているわけですから、国民の言論表現を彼らだけでなくて国も封じ込めようとしているわけですから負けるわけにはいかない。自民党の異論派は何処で妥協するかわかりませんけども、負けるわけにはいかないたたかいです。重要法案とマスコミのほうも位置づけてきていますので、国民の反対運動を通じて廃案のほうに持っていきたいと考えています。
 (六月二十六日の講演の要旨を編集部でまとめたものです) 

 「人権擁護法案」
  今国会提出断念

 七月二十四日、新聞は「人権擁護法案」の今国会提出を断念したと報道。これはねばり強い運動と世論の成果です。しかし、八月一日には民主党が人権擁護法案の対案として「人権侵害救済法案」を衆議院に提出するという動きを見せています。

民権−6

 「人権教育をひらく
    同和教育への招待」を切る (その三)
                亀 谷 義 富

 落書きから絶滅へとつなぐウソ

 二一頁で心理学者ゴードン・オルポートの「偏見が行動化する初段階」の説を取り上げています。かげぐち→回避→締め出し→身体的攻撃→絶滅という段階説で、部落問題に関わる落書きは、最後には絶滅に結びつくと主張しています。震災などで社会が危機感を強めた時に、差別が一挙に広まるとして、関東大震災時の朝鮮人虐殺、原爆が落ちた際に、部落の人が何か悪いとをしないかと警備した例をあげています。しかし阪神大震災があったが、差別が一挙に広がったか?その一例を見ただけでウソ理論を展開していることが明白です。

 「差別と全体的不利益の悪循環」論

 三五頁から「差別と全体的不利益の悪循環」論が展開されています。「同和対策によって、部落内の不安定就労者や失業者は大幅に減少し、就労状況に関する地区外との格差はかなり解消されてきたといってよい。しかし、問題はすべて解消されたかというとそうではない。」と言って、各種資料をあげ、三九頁で「二〇歳代や三〇歳代の比較的若い層でも依然として同和地区と地区外の差が認められる。同和地区の学歴レベルが改善されてきたのと同時に地区外の学歴構成も上昇したのである。その学歴差は就職の差となってあらわれ、同和地区の就労状況の低位性につながっていくのである。その意味では、部落がかかえてきた悪循環は今も続いているといえるだろう。」

混住、転出入の著しい進行

 大阪府内の旧同和地区すべての地区にいえることだが、混住、転出入が著しいのがその特徴です。過去四〇年間で三分の二以上の住民が入れ替わっていると言われるだろう。 
 たとえば九〇年五月調査の東大阪市では、「外国人登録」の十一・五%(六二四人)が旧同和向け公営住宅に住んでいる人ことが明らかになっています。
 転入してくる層の中には、別の旧同和地区で生まれ育った人がいるかもしれませんが、他地域の生活困難層が圧倒的ではないですか。流出していくのは、就労状況が良い層です。部落解放同盟の役員・幹部を見ても、旧同和地区に住んでいない例が多いのにびっくりです。
 就労状況の低位性は部落問題に起因するのではないのは明白です。ところが、なんでもかんでも部落問題に結びつけるのが著者たちの特徴です。四八頁に「部落の人も安定した生活ができるようになると、より広い住宅や生活環境を求めて部落外に流出する傾向があり、それにかわって、低家賃などに引き寄せられた生活困窮者が部落に流入するという人口移動の一定のパターンが見られます。この人口移動のパターンが続くかぎり、慢性的な教育問題をかかえることになります」と。
 住宅の入居者選定に「府同促・地区協方式」の名で解同が独占的に管理し入居者を選んできた問題には全く触れていません。無責任極まりないとはこのことです。

 優先採用の主張までも

 ここからでてくるのは、これまた無責任な解決策です。解決策として四三頁で、「割当制度」「積極的差別解消策」なるものを唱えるのです。
 これからも、旧同和地区に生まれ育った学生を、企業は優先採用せよ、という主張になるのです。
 誰がいったい、**は、旧同和地区に生まれ育ったということを認定判定するのですか。認定判定をすること自体が差別ではないのか。

民権−7

 衆議院解散総選挙
   三十日公示、九月十一日投票

 郵政民営化法案は、日本共産党など野党の反対と自民党からの造反などで、賛成百八票、反対百二十五票と十七票の大差で否決廃案となりました。
 日本の財界とアメリカ政府が全面的に支援し、小泉内閣が「改革の本丸」として成立に執念を燃やしてきた民営化法案が葬り去られたのです。「本丸」が落城した以上、本来なら総辞職するのが当然です。しかし小泉首相は「郵政解散」と述べて衆議院を解散しました。 郵便局・郵政サービスを危機に陥れる民営化法案の否決・廃案は、国民世論、とりわけ社会的に弱い立場に置かれた国民の大勝利です。
 総選挙は庶民大増税や九条を中心とする改憲の流れを変える大きなチャンスです。暮らしのためにも平和のためにも、たしかな野党を伸ばすかどうかが衆議院選挙の最大の焦点です。 

 「夏期講座」
  五四年におよぶ歴史に幕

 一九五一年、戦後の民主化の胎動と部落問題の解決を願う人たちに支えられて出発した夏期講座は、今日をもって最終回となり、五四年の歴史に幕をとじました。
 第五四回人権と部落問題全国夏期講座(最終回)は、七月二十八日から京都教育文化センターを会場に二日間にわたって開催されました。
 成澤栄寿部落問題研究所理事長は、開会あいさつで、五四年の歴史をふりかえりながら「夏期講座は五四年をもって一定の役割を終え閉幕する」とのべました。
 研究所では部落問題の解決が最終段階を迎えている一方、憲法改悪をはじめ、国民生活の破壊、人権剥奪の危機が広がってきている今日的な状況にふれて、今後は新しい転換を図るとしています。

 教室で子どもたちの
      すてきな素顔を引き出す
子どもの力をはぐくむ
「子ども駅」発 各駅停車で
   森川紘一(「かもがわ出版」) 本体1800円+税
 《目次》
☆「いつつぼし」に願いを
☆子どもたちを信じて待つ
  −教師のシナリオにない第二幕−
☆子どもを「始発駅」にした教育・子育て
☆登校拒否・不登校を考える
☆子ども、青年の“影”と“光”

民権−8

  盆おどりで熱帯夜も吹き飛ばす
   二重、三重に踊りの輪が

 大 阪 市 協
 民主団体で構成する西成平和盆おどり大会実行委員会は、五日・六日の二日間、松通り公園で第十七回平和盆おどり大会を開催しました。
 両日とも、にわか雨に見舞われるなどちょっと驚きましたが、会場は連日の熱帯夜に負けず踊りの輪は二重、三重にとぐんぐん広がり三千余人の大活況となり、民権連大阪市協も実行委員会の一員として夜店で盆おどり大会を盛り上げました。
 そして二日間を通して、名古屋高裁で審理されている弓矢人権裁判で、一審判決の誤りを是正され、事実と道理に立脚した公正な教育行政、及び正義と人権に資する適正な判決を求める署名も訴え、八十五筆の協力がありました。

 長 瀬 支 部
民権連長瀬支部と長瀬北地域盆おどり大会実行委員会の共催で、七日、長瀬町ハムコソ神社において、第四十二回納涼盆おどり大会を開催しました。
 天満鈴若とその一味による河内音頭と江州音頭、おどり太鼓にあわせて踊りの輪も広がりました。ジャンケン大会では、豪華景品も用意、熱帯夜を吹き飛ばす一夜になりました。

 高知県ヤミ融資事件
  元副知事らに有罪判決

 「解同」系縫製業の協同組合「モード・アバンセ」(高知県南国市、事実上倒産)に対するヤミ融資事件で、高松高裁(吉川博裁判長)は七月十三日、背任罪に問われた山本卓・元副知事、川村龍象・元商工労働部長、都築弘一・元商工政策課長の三人を一部有罪の一審判決を破棄し、民間融資と政策融資の違いを考慮しても、公務員の裁量権の限界を超えて背任罪になると認定し、有罪・実刑判決を言い渡しました。
 判決などによると、高知県は一九九六年、同和対策として「モード社」に十四億円余の高度化資金を融資。しかしこの融資は「モード社」が県をだまして借り入れたもの。ところが高度化資金融資の翌月の操業直後に「モード社」は早くも倒産の危機に直面。「モード社」が倒産すれば十四億円がだまし取られた事が明るみに出て責任を追及されることから、「モード社」の要請を受け、倒産回避のため、さらに十億円余を、県議会にもはからず、十分な担保も取らず、異例で危険な直貸しでヤミ融資します。
 しかし「モード社」は翌年九七年にも再び倒産の危機に陥り、三回目の融資を要請。県は前回と同じ手口で二億円をヤミ融資。それでも「モード社」は倒産し県に約二六億四千万円の損害を与えたというもの。
 一審判決は、一民間融資と違って同和行政の政策判断だったなどと強調して、十億円は無罪、二億円のみ有罪としていました。