2014年3月15日 (最終号)

   民主と人権第115号

115−1
  強引なやり方に不安と怒りが広がっています
       6億円も使って大阪市長選挙

 橋下徹大阪市長は1月31日、「大阪府市特別区設置協議会(法定協議会)」において、大阪市を「5区案」に絞り込んで議論したいという提案が「維新の会」以外のすべての会派が反対、否決され、自分の思惑が通じないとみるや、2月3日、市長職を投げ出し市長選挙に再出馬するという暴挙に出ました。市民生活にかかわる新年度予算を決める直前に、市長としての責任を投げ出すなど、およそ考えられない非常識なことです。260万市民のくらしを守るという視点は一切なく、市長選挙には6億円という巨額な税金がかかり、何の大義も道理もありません。
 「大阪都構想」って「中身がわからない」という声がいっぱいです。大阪市を「解体」し、今の区も無くなるのが「大阪都構想」、打ち出されて4年にもなるのに、維新の府議さえ「『中身がまだわからない』という住民の圧倒的な声がある」とボヤきます。(1月31日法定協議会)。橋下氏は「すべての資料はホームページに出している」「わからないのは市民にも責任がある」(2月30日)と八つ当たりをしています。
 マスコミの世論調査では、「橋下氏の辞職・出直し選について」評価しない61%、評価する31%となっており、タウンミーティングで橋下氏から直接話を聞いても「なぜ出直し選挙なのか、話を聞いても理解できない」との声が出ています。
 民権連大阪市協は、「大阪市をよくする会」に結集し、「今回の市長選挙は大義も道理もない、無駄な巨大開発を進める『大阪都構想』はやめさせましょう」と宣伝をおこなっています。

115−2
 中村文明さんは、1970年代全解連大阪府連の書記長として厳しく困難な時代の運動を切り拓いた人です。今回、機関紙「民主と人権」を閉じるにあたって、当時を思い返し一文を寄せていただきました。
 
 歴史に残る誇りある道を歩いた日々
        全解連大阪府連元書記長 中村 文明

 1966年秋の朝日新聞に掲載された「300万人の訴え」を目にしたのが、私の部落問題との出合いだった。そこには、「貧乏なため進学率が極端に低い」「火事が発生しても消防自動車が入れない」など福岡県の部落の現実が克明に記されていた。
 民主主義の日本でこんな不合理が許されてよいのか。あふれ出る涙の中で「部落差別をなくそう」と強く決意した日のことは、今も忘れない。狭山事件<CODE NUM=00A5>「石川一雄さんを守る会」活動を契機に1971年秋に東大阪市の蛇草に移り住んだ。
 国民的融合論が打ち出され、解同正常化連から全解連大阪府連に1976年に改組発展したが、同じ部落に住みながら所属する団体の違いを理由に住民を差別する解同の窓口一本化をなんとしても打破したいと東延書記長と知恵をしぼった。
 当時大阪府は、黒田革新府政だった。「正面からぶち当たり不公正乱脈な同和行政を打破する」方針を決めた。
 77年9月21日、大阪府は交渉に応じて、全解連大阪府連の事実と道理に基づく追及の前に「示された事実は正常ではない」とはじめて明言した。黒田知事も「たえがたい深刻な事態を認め」「まちがいなしに公正な同和行政を実行する」と確約し、78年3月31日に「企画部長」名の「指針」を示し、窓口一本化が打破された。同時に大阪府同和対策審議会に全解連の代表を参加させることを約束し78年7月に岸上委員長を審議会委員に任命した。 この出来事は裁判闘争の勝利と相まって、大阪府の同和行政の大きな転換点となった。大阪府が全解連の声を聞くようになった。  「人の世に熱あれ」「人間に光りあれ」と全国水平社の先人達が差別のない社会の実現をめざして立ち上がって80年の歳月が流れた。そして2004年、部落解放運動の幕はおろされた。
 歴史に残る運動に大阪の仲間と共に身を置くことができたことを誇りに思う。

 (現在山梨県甲州市に在住しておられます)
  三ページへつづく

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 追 悼
 「良き日」をめざし誇りある道を歩いた人々

【大阪市】
辻本国雄さん
苦しい府連財政をいつも笑顔でやりくりし、運動を支えて下さいました。 

松本美知子さん
府連婦人部長として、婦人の地域向上と子どもと教育を守る先頭に立って奮闘されました。

東 賢さん
西成支部設立のため尽力、地域の良き相談相手として住民から慕われました。

山田二男さん
一人ひとりの要求を大切にし、その実現のため一緒に汗も涙も流して下さいました。

藤田英雄さん
西成支部長として、年末の餅つきや要求実現の先頭に立って地域を回っていただきました。

【箕面市】

西田美三さん
運動が一番しんどかった70年代、支部長として地域の国民融合をすすめて下さいました。

藤本 繁さん
NPO法人リリーフ・みのおの設立者。遺志をついでリリーフ・みのおは発展しています。 
宮本和美さん
36年間続いている盆おどりは、自治会役員であったこの人ぬきでは語ることができません。 

【東大阪市】
河井 勝さん
初代支部長として、運動の分裂時も先頭に立って組織を守ってこられました。

藤本正弘さん
府連書記長、市会議員として、住民の諸要求実現の先頭に立って奮闘されました。

亀井みよ子さん
ミヨねえと呼ばれ、識字やカラオケなど婦人部のとりくみの先頭に立って下さいました。

西岡 修さん
奥さんと二人三脚でいろんなとりくみに参加、自慢の手品に子どもたちの目が輝きました。

米澤ハナさん
ハナちゃんと誰からも親しまれ、市交渉ではいつも先頭に出て要求実現へ頑張って下さいました。

【羽曳野市】
山根文代さん
肝っ玉母さんと親しまれ、市会議員として、住民要求実現に奮闘下さいました。

 四ページへつづく

海野秀次さん
いつもニコニコ笑顔で住民の先頭に立って要求実現へ奮闘されました。

【大東市】
山本治郎さん
支部長として、近藤革新市政実現、公正・民主の市政前進へ奮闘されました。

幸嶋 正さん
山本支部長と二人三脚で、公正・民主の同和行政実現へ奮闘されました。

【富田林市】
和田省五さん
省ちゃんと親しまれ、書記長として運動の先頭に立って下さいました。

武田喜雄さん
富田林市の長老、市会議員として活動。武田の兄ちゃん兄ちゃんと親しまれました。

【和泉市】
上条清美さん
委員長として、だんじりまつりなどまちづくりで奮闘されました。

本田正行さん
書記長として、住民要求実現、政治革新の先頭に立って奮闘されました。

【貝塚市】
西出敏明さん
支部の要として、市会議員として住民のくらしを守り、政治革新をめざして奮闘されました。

南 昭二さん
正常化連設立から参加、副支部長。住民要求実現へ尽力されました。

 全解連運動にお力添えをいただいた方々。

村橋 端さん
府連の相談役。はぐるま研の代表。パソコン教室を開いていただきました。

西村定男さん
「心と言葉をたがやす文学教室」を実施。親子キャンプを指導、参加者から大きな信頼が寄せられました。

森田信一さん
国民融合一筋。特別執行委員として運動の前進のため奮闘していただきました。

明日へ Go!
春のこどもカーニバル 二〇一三年四月二八日
 (箕面とどろぶち公園)
115−5
  ただちに今の困窮度評定を廃止せよ  東大阪市議会代表質問
        日本共産党上原けんさく議員 (3月11日)  

 日本共産党東大阪市会議員団の代表質問をさせていただきます。
 私たちは、旧同和向け住宅の入居募集方法において「住宅困窮度評定」と称して、「3等親以内の親族が北蛇草や荒本住宅に居住」「現住所が金岡中学校区や意岐部中学校区にある」ことなど、困窮度とはまったく違う概念を持ちだし、旧同和地区を特別扱いしていることは、止めるよう求めてきましたが、再度質問します。
 国土交通省住宅局長が平成17年12月26日に示した公営住宅管理の適正な執行について(平成17年12月26日国住総第138号)には、入居者選考における住宅困窮事情の的確な反映の具体的方法(1)ポイント方式の活用として住宅困窮度項目の例示があります。その内容は次の通りです。
イ 最低居住水準の充足状況(住戸規模、台所、浴室及び便所の有無等)
ロ 家賃負担の状況(粗収入に対する家賃の負担率及び家賃算定基礎額との乖離額)
ハ 家族の居住状況(他世帯との同居による生活上の不便、家族離散等の有無)
ニ 住宅の不良度
ホ 住環境水準の充足状況 (騒音、悪臭等による住環境への影響の程度)
ヘ 社会的要因による住宅 困窮度の程度(公共事業による立退き等入居申込者の置かれ ている状況)
 あわせて優先入居の的確な運用として、高齢者、障害者、母子・父子、小さい子どもや子どもの多い世帯なども、ポイント方式の評価項目として考慮する方法も考えられるとしています。
 私がいま指摘した「3等親以内の親族が北蛇草や荒本住宅に居住」「現住所が金岡中学校区や意岐部中学校区にある」などの項目はこの例示のどこに該当しますか?該当する例示は全く無いではありませんか。
 法治国家のもとで、住民を住む場所で差別する異常な憲法違反、地方自治法の平等原則に違反するのは断じて許せません。
 ただちに今の住宅困窮度評定による募集制度を廃止することを求めます。
       (抜粋)

  第11回民権連定期大会
と き 3月30日(日)午後1時30分〜4時30分
ところ 市民交流センターなにわ 2階202号(JR環状線「芦原橋駅」南口下車すぐ)

 1部・記念講演(午後1時30分〜2時20分)
   「堺はひとつ」市民共同と「オール大阪の団結」で歴史的勝利(仮題)
    住みよい堺市をつくる会  事務局長 丹野 優氏
 2部・大会(午後2時30分〜4時30分)

115−6
 部落問題特別扱い 課題が明らかに(1月19日)
  部落問題解決と教育を考える研究交流集会

 1月19日、大阪教育文化センター「部落問題解決と教育」研究会が主催して部落問題解決と教育を考える研究交流集会が大阪市内でおこなわれ、民権連、大教組、歴教協、どの子も伸びる研究会、教文センターなどから38名が参加し熱心な議論が交わされました。
 「部落問題解決と教育」研究会世話人の柏木功さんが基調報告をおこないました。
 同和対策の「法」終了とともに、逆流として大人教などが「部落問題学習」を強調しています。教科書は今日でも被差別部落があるという記述で、学校が部落を子どもに語りつたえる場になっています。このため研究会は「人権教育を考える」パンフやホームページ「人権教育辞典」を作成し、部落問題学習をやめようと提起してきました。
 民主主義と人権を守る府民連合の谷口正暁委員長が「地域から見る大阪の部落問題の到達点」と題して講演をしました。谷口さんは具体的な例をあげ、生活の中では「同和」や「部落」を意識することはない、地域は大きく変貌し「部落」は消滅、しかし、「乱脈同和」行政の後遺症が残されている。学校現場ではどうなのか、と話しました。
 交流では、若い教職員とどう切り結ぶか、大きく議論になりました。
★職場で若い教職員と同和問題の話をしても、言葉がわからない。解同の暴力や教育介入を、「そんなこと、あり得るのですか。考えられない」という。何も知らないところに、2年に1回、市人研から報告の割り当てがおりてきて、同和教育はするものだと思っている。どう伝えなあかんのか。官製人権教育が縛りつけるための教育だともっとわかりやすく書いてほしい。
★小中学校で「にんげん」で学び大学では必修で講義を受けた。教師になって研修。教えなければと思ってきた。組合に入ったから、部落は教えんでもいいんやとわかった。これまで教えてくれない。若い人はそういう機会はないから、知らないのは当然。
★若い人との間でものすごく違いがある。部落問題とは何かわからない。大人教の「人権」と我々の「人権」の違いを、わかりやすく、ていねいに。違いを見分けるリトマス紙の一つは「憲法」。
★若い人には教育実践の典型が必要。我々が人権問題をどうとらえるのか、憲法を使える主権者をどう育てるのかが課題。
★差別など現実に人権侵害が起こったときにそれを周りの人たちが克服できるようになった状態が解決された状態。昔のことを知らなくても、それはそれでよいのではないか。それを横においといて、今どうなっているか、子どもの実態で、子どもの中に身分の問題があるかと。
 民権連から、現場の先生の疑問や実態を受けて次のような意見がだされました。
 「子どもが学校から人権展に見にいって、ここに住んでたら差別されるんやって、早く引っ越ししょう、という。差別なんかされへん、心配せんでええ、と話したけど、学校では、差別される差別されると教えてきた。」「解同支部が周辺地域との交流といって実行委員会を作ってやっているが、そこには『部落』がある。
  七ページへつづく
115−7
 六ページのつづき
 我々のとりくみは、『部落』はない。『部落』と周辺という区切りはない。みんな地域の仲間、そういうところが大きな違いです」「フィールドワークといって何も知らん先生を連れてきて、ここが『同和地区』とわざわざ教えてほしくない。もう『部落』『同和地区』はない。フィールドワークなどをやっている市があればどこなのか教えてほしい」教育行政の特別扱いをやめさせるために、今後も交流を深めようと話し合われました。
     (柏木 功)


 同和向け公営住宅はありません
  大阪府交渉(12月12日)  

 12月12日、民権連は、先に提出した要求書にもとづく大阪府交渉をおこないました。
 第1部で、「同和問題の解決とは何か?」「何が解決され、何が残っているのか?」「残された問題に対してどのような施策をおこなっていくのか?」具体的に回答を求めました。
 府は、2000年実態調査結果などを引用しながら、大学進学率が低い、生活保護率が高い、差別事象がまだ多く行政に届けられていると回答しました。
 民権連が、2000年から14年経っている今日の到達点から回答をとの要求に、府はまともに回答できず、再交渉をおこなうことになりました。
 第2部で、府は「特別法の終了に伴い『同和向け公営住宅』と位置付けられた公営・改良住宅はありません。公営住宅の募集要綱等に、当該住宅が旧地域改善向けに建設されたことなどが記載され、広く住民に提供されていることについては、差別意識を助長する懸念があると考えています。このような取扱いをしている自治体に対しては、大阪府の考えを説明するとともに、意見交換等をおこなってまいりたい」と注目すべき回答をおこないました。
 そして、公営住宅入居収入基準の緩和に関しては、現在9市町まで緩和されており、府営住宅に関しても実態的な対応をしていきたいと回答しました。

  回答について 検討・調整したい
 大阪府教委交渉(1月21日)

 1月21日、民権連は先に大阪府教育委員会に提出していた要求書にもとづく交渉をおこないました。
 民権連は、回答は去年とほぼ同じ内容であり要求にまともに応えていない。プライバシーに配慮とか、「教育の中立性を確保すること」などが加えられているだけで話し合いをしても仕方がないと強く抗議。その上で、「狭山」や「同和・部落・ムラ」を教えることが地域の伝統を教えるということ、そう受け止めてもよいのか、違うなら違うと回答を書きかえてほしい。
また、「狭山」をやるのか、やらないのかを明らかにしなさいと指摘しました。
 府教委は、そのような趣旨で回答を書いたのではない、そういうとらまえ方をされたのなら申し訳ありません。回答について検討・調整したいと約束しました。
 最後に、教育長との懇談要望に、府教委は、教育長との場をつくると応えました。

115−8
  子孫のため原発ゼロ
   さよなら原発3・9 関西行動

 東日本大震災から3年目を向かえる3月9日、「さよなら原発3・9関西行動」ーすべてのいのちと未来のためにーをスローガンに、「原発なくせ」の一点で共同した、7000人を越す人たちが、会場の大阪市北区扇町公園を埋めました。
 集会は、午前10時30分から若者広場、前段集会、では歌とアピール、本集会が午後1時40分から開かれ、ゲストアピール、子どもたちと制服向上委員会の歌が披露されたあと、シュプレヒコールを確認して、3コースに別れてパレードをおこないました。
 参加者は「福島原発事故は忘れていません」と書かれた横断幕や、「なくそう原発」の手書きのボードを掲げ、手作りのハッピ姿など思い思いにアピールしました。

 都構想に「異議」
 学識者招き 市民シンポ (2月16日)

 大阪都構想に「異議」を唱える市民シンポジウムが2月16日、大阪市内であった。学識者3人が約300人を前に「都構想で市が解体される」などと問題点を指摘。また主催者の市民グループ「市民の為の行政を求める会」(代表・辻公雄弁護士)は、橋下徹大阪市長の出直し選は「行政の私物化だ」として、約6億円の差し止めと概出分返還を求め、近く住民監査請求する考えを明らかにした。
 森裕之・立命館大教授は「都構想は市民を分断し、権限や税財源、資産を『都』に召し上げる政策」と批判。特別区間の財政調整を巡り「黒字の区民から不満が顕在化し、不安定な政治的争いが繰り広げられる」と予測した。
 今井照・福島大教授は、東京23区で自治権拡充運動が続く背景を解説し「市と県の役割を兼務する都制度は矛盾をはらんでいる」と述べた。
 宮本憲一・市立大名誉教授は「市を解体するのではなく、住民が市政に参加できる制度をどうつくるべきか考えるべきだ」と提言しました。
 (毎日新聞 2月17日)

 長い間、ご購続ありがとうございました。
 民権連機関紙「民主と人権」は本3月号を持って終了させていただきます。