2013年4月15日 

  民主と人権 第106号

106−1
  内藤義道さんを偲んで
     4月7日 たかつガーデン

 4月7日、大阪市内において「内藤義道さんを偲ぶ会」が開かれました。
 黙祷のあと、呼びかけ人を代表して浅野弘樹氏(元日本共産党大阪府会議員団団長)と鈴木良氏(国民融合をめざす全国会議代表幹事)が、府会議員として24年間、憲法と平和、民主主義、府民の暮らしのなかに根ざした黒田革新府政発展のため奮闘された内藤さんの人柄や実績、部落問題解決にむけ国民融合運動の先頭に立ってこられた思い出などが語られました。
 遺族を代表して内藤耕一氏(日本共産党八尾市会議員)が、亡き父内藤義道から市会議員選挙候補者としての心構えや政策について指導されたことなどを報告するとともに、参加者にお礼を述べました。
 献杯のあと、食事をしながらの歓談、各テーブルから内藤さんを偲ぶスピーチがおこなわれました。
 国広悦正氏(国民融合全国会議幹事)は、八尾中問題をはじめ内藤さんと八尾で子どもと教育を守り、国民融合の前進のため力を合わせてとりくんできたことを紹介しました。
 谷口正暁民権連委員長は、
今日の偲ぶ会に国広さんが書かれた「内藤義道さんの残した遺産」を記念資料として提供させていただいたことを報告。昨年3月、八尾で開かれた学習会で、内藤さんとともに、講師として部落問題の解決、同和行政の終結について報告をおこなった、そしてその日が内藤さんとお会いする最後になったことを語りました。
 
106−2
 法終了後11年
  (座談会) 「地域を歩く」 〜大阪市内〜

(司会)大阪市内12の地域を廻ってきて、全体を通しての感想を出してください。そのあと、各地域ごとに気づいたことを出していただきたいと思います。
(A)どこが地域か分からなくなってきている。一部の地域ではまだ看板があるが。
(B)市民交流センターの関係で閉鎖された施設も、これでいいのかなあというのもあった。
(C)線引きが出来なくなっている。大阪市内でも北の方はちゃんと町づくりがやられていない。南の方はやられているなと思ったけど。
(D)南の方は古い建て売り住宅、新しい建て売り住宅、これからの建て売り住宅があり、解決に向かっていることを象徴していた。北の方では狭い地域に公共施設を建てて、そこだけ手厚くしている。よそとは違う地域をつくってきたんだなあと改めて知った。
(E)私も同じ南北格差があると思った。南の方は高く、北は低い。同じ大阪市と言っても格差を感じる。
(F)南の方は地域の周辺の方が困難な地域が広がっている。地域の中はワールドで、つくられた町やな。かつての面影は全く見られない。
(G)差別の垣根があるとは言えない。
(B)大阪府下の地域と比べると、膨大な予算を使って町づくりをしたというのが見え見えですね。

(司会)では地域ごとで感じたことを。A地域から。
(A)巨大な公共施設がゴースト化している。団地店舗の閉鎖が著しい。
(C)公園に解同の記念碑があるのは異常だ。
(E)周りにマンションが林立している。そこと一体性をもたせたら終わり。

(司会)B地域はどうでした。
(B)巨大施設、巨大会館の閉鎖が目立つ。もったいない。旧人権文化センターやな。駅の近くでもったいない。青少年センター横の空き地も目立つ。
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106−3
(A)駅前で使い勝手の良いものなのに、人権文化センターを閉鎖したというのはもったいないわな。使ったらいいのに。
(G)各種団体もよく使っていた。

(司会)C地域は。
(F)団地の老朽化が目立つ。
(A)線路沿いガレージの汚なさなあ。あんなんガレージというんか物置やな。
(B)壊れた車もおいてあるし、がらくた置き場やな。
(C)建て替えた団地はまだきれいやけど、古い団地が残っているのが目立つ。プールを解体撤去すると書いてあったからそれは良いのでは。

(司会)D地域は。
(A)ここは、人権文化センターが廃止されてたやろ。団地が老朽化しているのと、使い方がまあ、目茶苦茶。ポストもぐちゃぐちゃ。このままいったら、「都市スラム化」していく気がする。青少年会館も閉鎖しているけど、あと汚ないなあ。
(C)人権協会が団地の管理をしていたよ。人権協会がしっかりしてないなあ。A地域もそうだった。

(司会)E地域はどうですか。
(B)会館の前の放置自動車、フロントガラスが割られていた。団地1階の店も閉鎖。プールも閉鎖。
(G)道路に放置された自動車の多さにびっくりした。他府県ナンバーの車もあった。
(C)団地の建て方が無計画な地域やな。青少年会館のプールやけど、隣接する公園と一体化して市民全体のものをつくっておけば閉鎖されなかったのになあ。地域住民のためだけにつくったから、閉鎖ということになったのでは。
(D)まちづくりの無計画があらわれているなあ。

(司会)F地域は。
(E)公共施設がなかったらわからへんなあ。地域が小さいだけに異常に施設が大きく感じられる。
(A)周りとの一体性を欠くなあ。
(B)団地だらけの地域じゃなくて、普通の民家が建ち並ぶ地域やな。町並みもきれい。
(D)でも、青少年センターが閉鎖されて汚なかったわな。看板もなあ。
(G)施設を売り払って、分譲住宅でも建てたらええんとちがう。どこからどこまでかわからんしなあ。
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106−4
(F)市民交流センター内に航空写真があって、ここからここまでが地域やという展示があった。あんな展示したらあかんわな。
(E)超デラックスな施設はあかんと批判していたけど、そのとおりやな。
(A)昔は不便な所やったけど、地下鉄の駅も出来て、便利な所になった。
(B)市内のどの地域も駅から近いし、便利やで。

(司会)ではG地域。
(C)G地域は、団地の看板さえなかったらな。「なくそう差別、つくろう友情」とか、「人権守ってふれあいのまち」とかな。
(D)狭い地域やのに、保育所にしても、人権文化センターにしても、青少年会館にしても超デラックスやったな。
(A)ここにパンフレットがあるけど、これ見たら川沿いの一角だけが江戸時代の村です。今市営住宅がある所だけなんですね。人権文化センターがある所は池でした。なんでもなかった所まで地区指定して、拡張したんですね。人為的に、つくられた地域です。

(司会)H地域はどうですか。
(B)金かけてるなあ。L地域と競いあってるね。ばかでかい超デラックスな施設。一方は日本一やというたら、こっちは東洋一の学校をつくると言うし。大学なみの小学校やなあ。
(F)プラネタリウムがあるのは、ここと栄小学校だけ。それも使われていないまま。別世界の学校や。
(E)大阪市内でこれだけゆったりとした場所があるというのは不思議なくらい。
(C)ゆったりとしてるんやけど、川沿いから見た周辺の地域がみすぼらしいから、そっちがH地域だと勘違いするかも。
(D)今閉鎖されている巨大なデラックススパは大阪市が金出してつくったけど、清掃工場の横に大阪市がおんなじようにスパをつくったんや。近くに2つも巨大スパをつくってとマスコミにたたかれて、閉鎖になった。
(G)H地域の場合は、以前人権文化センターの中に落書きがあったと言って無茶苦茶な運動したからな。
(E)わざわざあんなとこまでいって誰が落書きするんや。
(C)府下でもそんなんいろいろあったなあ。誰が地域の真ん中にある会館や公園にやってきて落書きするんや。
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106−5
(B)市民交流センターの中に水平社宣言のプレートがあった。

(司会)次はI地域。
(D)きれいな町やなあ。河川敷に昔あった住宅がなくなってきれいな団地になっていたなあ。
(G)町の中にバス通るし、建て売り住宅もあったし。横に大学あるしな。
(B)市内で一番きれいな地域とちがうかな。
(A)にんげんの3年生の教材で、「わたしたちのまち」というのがあって、どれだけひどい町か、何もない町やと、これでもかと書かれていたけど嘘やなあ。
(C)車庫地も無くなり、道路も整備されて、地域がころっと変わっている。
(F)大学と一体化した町やね。地域の施設も学生が利用していたし、ええ町やね。住みたいわ。市民交流センターは諸団体がいっぱい利用してたな。

(司会)J地域は。
(B)Jもどこからどこかわからんかった。
(E)あの「叫び」の汚いオブジェがあかん。人権文化センターにかかげられていたやつ。
(D)線路から見えてたのは撤去されたけど。汚らしいオブジェは早くとらなあかん。体育館の汚いオブジェも。
(A)体育館はよく利用されていた。閉鎖されたプールも更地にしたら良い住宅地になるね。
(G)ゆったりとした公園、団地、快適やね。
(C)団地の張り紙、部落解放J地区住宅連合とあった。大阪市はよく放置してるな。かつては「部落」と言われたけど、今はちがうという立場に立ちきらせんとな。連名でなく大阪市都市整備局だけにしたら良いのに。
(B)Lでも管理センターという名前だけや。
(F)まだ、J解放会館名で、ここはバス出入り口ですから駐車しないでくださいと書いた看板があった。はずさんと。

(司会)K地域は。
(D)地域を広げるだけ広げて、どないも手がつけられなくなったんや。周辺地域も同じやから目立てへんけど。
(A)金網の町と言って空き地がいっぱいや。
(F)ぼちぼち分譲住宅の旗も立ってきた。
(B)それは公共施設の跡地で売りに出されたもの。
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(E)建て売り住宅が建ってきている良い面と、未利用地がまだいっぱいあるという悪い面がある。
(C)市民交流センターの体育館が使われてない、これもったいないなあ。
(A)古い看板もいっぱい残っている。
(D)銭湯が大国だけになったし、みんな大国に入りに行ってる。
(C)人権文化センター、保育所もつぶしたし、栄小学校も移転する。
(E)駅前にマンションが出来たり、建て売り住宅が増えたらどっと変わりますね。
(G)リバティおおさかとか、太鼓ロードとか、渡辺村の道とか、目障りなものがなくなったらなあ。
(F)太鼓屋又兵衛の公園とか、太鼓ロードとかにすごく大金をかけたんや。
(A)駅も太鼓やし、バス停も、道歩いていても太鼓やし、太鼓だらけや。

(司会)まとめに入りたいと思いますが。
(B)府下の地域と比べて、大阪市はお金のかけ方がちがうということがよくわかった。
(E)そのお金をもっと有効に使ってたらなあ。土建屋、建築屋の要求にもとづいてあれこれ建てたからな。
(A)栄小学校も昔のままで残しておけば重要文化財やで。もともと地域住民の力と金で建てたものやったから。それをつぶしてリバティおおさかにしたからな。
(D)同和対策事業で、工場をみんな放り出して、住民の働く所を奪ったんや。住民の就労そのものを奪ったんや。

(司会)残された課題についてはどうですか。
(G)まず看板外させな。「部落」とか「同和」とかいう看板を外させな。
(A)マンション建てて子育て世代を呼び込もうと思ったら、学校の教育を変えなあかん。まだ部落差別うんぬんといって教育してる小学校、F地域だけに焦点をあてた地域学習をやっている小学校、差別を見抜き云々と言ってやっている中学校、これらの教育の中身を変えないと建て売り住宅を建てても、子育て世代はやって来ないのではないだろうか。
(C)子育て世代が住みたくなるような学校にせんとな。
   七ページへつづく

106−7
(B)いま、地域離れがすすんでいる。
(E)特に子育て世代が外に出て行ってる。
(D)運動も含めて、地域づくりの在り方を変えていかんとなあ。
(A)「同和行政」は終わりやと、行政が言わんとあかん。いつまでも意識意識と言うてるようでは、あかんな。
(G)「部落」や「同和」やと教えるからいつまでも「同和」を意識するんや。どうしようもない。
(E)全同教大会の報告で岡山の例で結婚を反対されたが周囲の説得で両方の両親出席のもとで結婚式が行われたと言う報告があったけど、結婚反対はあるけど解決したという例やね。差別はあったけど、めでたくゴールインしたという例やね。めでたしめでたしということに目をむけな。
(A)そりゃあ一般でもあるでしょう。それが普通やろ。あそこのあれには娘やられへんとか、息子やられへんとかね。
(B)いちいち気にしてたら世の中生きていかれへん。
(F)一つや二つあったからと言って大騒ぎする時代やあれへんからな。
(C)ただ、そういうのを思い込まされたりしている人がいる。啓発でなくそうとしても、そんなん、なくなるはずがない。
(E)子ども時分の生活とくらべたら、ずいぶんましになった。
(D)私ら、小学校に入るときに教科書買われんかったんや。就学援助がされるようになって教科書が持てるようになって、給食が食べられるようになったんや。
(G)中学校の3学期にはもう働いていた。卒業式には出られなかったんや。
(A)解決の条件は大阪市内全部できている。あとは今まで言ってきたようなことをやるかどうかだけやね。

106−8
  教育活動と社会運動は明確に区別
         府教委が回答      

 民権連は「同和教育」の完全終結などを求めて、3月18日、大阪府教育委員会と交渉をおこないました。
 「『部落問題の解決』の今日の到達点を明らかに」という要望に、府教委は「大学進学率や児童生徒の学力(平均均)が全体の水準と比べて今なお低位」と回答しました。民権連から「今は混住が進んでいる。大学進学率や学力が低位なのは、所得格差の問題。部落問題に起因すると言えるのか」と追及すると府教委は「部落問題に関係あるのかそうでないのかオール府で行政データを活用して今後検討」と説明。「同和問題」として「大学進学率や学力」を持ち出すことはもはや破たんしていることが明らかになりました。
 「学校で『狭山』を扱うな」という要望に、府教委は「教育活動と特定の立場に立つ政治運動・社会運動とは明確に区別されなければならない」「大阪ではないはず、あれば指導してきた。」と回答しました。
 「『被差別部落』『部落』『同和地区』を教えるな」という要望に対し府教委は「地域の人々の生き方や地域の様々な歴史・伝統を学ぶこともより有効」と回答。「地域とはなにか」と質問すると「校区全体」と説明。民権連は「『地域』が『被差別部落』『部落』『同和地区』の置き換えとして使われている。ここは『部落』、この子は『部落の子』という見方はすべきでない」と指摘しました。 「部落民宣言」「立場宣言」についても民権連は運動の教育への持ち込みであり、学校として取り組むなと追及しました。


  市営住宅「募集概要」は無くす
       民権連が廃止を要求

 箕面支部が昨年11月21日の市交渉で、市営住宅の空き家入居申込み公募のあり方について、同和事業で建設された住宅、地区名を明記(地図入り)、市営住宅利用者組合の運営など、同和問題の解決に逆行するものであり直ちに廃止するよう求めました。しかし、協議の中では、市営住宅を建設してきた経緯があり、住宅入居については経緯を尊重して見直す考えがないことを市は明らかにしました。
 2月27日、支部と府連は、市へ抗議・要請行動をおこない、人権部長に当該「市営住宅空き家募集の概要」の撤回を要求。部長は、「庁内で調整している最中なので追って返事をしたい」と回答しました。
 3月12日、人権部長と次長は「返事が遅れたことは申し訳ない。あの文章は問題が有り謝罪する、今後一切なくすよう当該部局と調整した。」と回答しました。
 また、今年10月より指定管理者になるが上記のようなことにならないかの質問に、「一切ありません。一般公募と致します。」と回答しました。